2025.07.02
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2025.07.02
欧・要人発言(日本時間17時00分~)
米・ADP雇用統計(日本時間21時15分)
米・週間原油在庫(日本時間23時30分)
東京時間では、様子見の動きが優勢の中でやや米ドル買い・円売りが先行した。米ドル/円(USDJPY)は早朝にやや弱含み143.30円台まで下押したものの、東京勢本格参入後に買いが強まり上昇。もみ合いながらも上値を伸ばし、前日高値に迫る143.80円台まで底堅く推移した。クロス円も米ドル/円(USDJPY)に連れて買い優勢の動き。勢いには欠けるものの、じりじりと高値を切り上げる底堅さがみられた。10時30分に発表されたオーストラリアの小売売上高が予想を下回ったことから、指標発表後に豪ドルが失速。円売りが強まった影響で豪ドル/円(AUDJPY)は下値が限定的となったが、豪ドル/米ドル(AUDUSD)は売りが加速し0.6100ドル台から0.6090ドル台まで一時下げ幅を拡大した。また、豪ドル/米ドル(AUDUSD)の売りで米ドル買いが強まったことから、主要国通貨は対米ドルでやや弱含み。ユーロ/米ドル(EURUSD)と英ポンド/米ドル(GBPUSD)は様子見の動きが優勢ではあるものの、米ドル買いの影響でじり安となった。2日続伸した金(GOLD)は、本日は売り優勢で下落スタート。前日のNY時間での下落の流れを引き継ぎ、3,330ドルを下回る水準まで下げ幅を広げた。株式市場では、日経株価(JP225)は前日比-0.56%と続落。トランプ米大統領が日本との関税交渉の合意が実現するか難しいとの認識を示したことや、日本の関税率を30~35%に引き上げることを示唆する内容を述べたことで、警戒感から寄り付き後は売りが先行。売り一服後は押し目で買われる動きもみられ下げ渋ったが、4万円台を回復することなくマイナス圏で取引を終えた。本日は米国のADP雇用統計の発表や欧州中央銀行(ECB)が主催するECBフォーラムでの要人発言が予定されているため、海外市場で動意づく展開になるか注目される。また、明日に予定されている米国の雇用統計の発表を見据えた様子見の動きも徐々に広がる可能性がある点には注意しておきたい。
本日は欧州中央銀行(ECB)が主催するECBフォーラムで複数の金融当局者の発言が予定されている。日本時間17時00分にデギンドスECB副総裁、日本時間18時00分にチポローネECB理事、日本時間23時15分にラガルドECB総裁が発言予定。最近のECB関係者の発言からは、現在のユーロ高水準についての言及が複数確認されている。デギンドスECB副総裁は昨日のインタビューで「対米ドルで1.12ドル程度までは見過ごせない水準ではないが、それ以上は難しくなる」と発言。インフレ率が目標水準の2%に達した状況下でユーロ高がさらに進行すれば、ECBの金融政策に影響を与える可能性があることへの懸念を示した。ユーロは対米ドルで年初の1.02ドル台から現在の1.18ドル台まで約14%上昇しており、インフレ抑制の後押しとなった。しかし、このままユーロ高が加速し続ければ、目標を下回る水準までインフレ率を低下させる可能性が考えられる。ECBフォーラムの出席者からもユーロ高に触れる話題が多く出てきているため、今後の利下げ見通しと併せて確認しておきたい。
日本時間21時15分に、米国の6月ADP雇用統計が発表される。ADP雇用統計は、米国の民間調査会社のAutomatic Data Processing(ADP)社が、自社のもつ全米約50万社の給与データから民間の非農業部門雇用者数の増減を調査した指標。米労働省労働統計局(BLS)が発表する雇用統計よりも先に発表されるため、その前哨戦として注目される。市場予想は9.5万人。予想を大幅に下回った前月の3.7万人から増加する見込み。米国の労働市場は関税発動後も底堅さを維持しているが、6月以降は徐々に軟化の兆しが表れることが予想される。BLSが発表予定の6月の雇用統計は4ヶ月ぶりに失業率の上昇が予想されており、雇用者数も3ヶ月連続で減少する見込み。解雇は増加傾向にあり、新規失業保険申請件数も5月以降に顕著な増加がみられているため、予想から下振れた場合は明日の雇用統計への警戒感が高まり米ドル売りが強まる可能性が考えられる。ただし、ADP雇用統計は民間部門のみの調査となるため、BLSが発表する雇用統計の非農業部門雇用者数の結果と相関性はあるものの、結果が異なる場合がある点に注意したい。
日本時間23時30分に、米国の原油在庫が発表される。原油在庫は、米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)が米国内で保有する商業用原油量を調査した指標。毎週水曜日に前週金曜日時点のデータが公表される。原油在庫量の増加は需要の低迷、減少は需要の拡大と判断されるため、景気動向を把握するための材料として注目度が高い。WTI原油(OIL)は、中東情勢の緊迫化で一時1バレル=77ドルまで急騰していたが、現在は64~65ドルでの小幅な横ばいを継続。8月の生産量を決定するOPECプラスの会合を7月6日に控え、警戒感から様子見ムードが広がっている。6日の会合では、主要産油国が4ヶ月連続での増産を決定するとの情報が伝わっており、下方向へのリスクが高い。原油在庫は直近5週に渡って減少しており、昨日発表された米石油協会(API)の週間原油在庫も予想外に減少したが、反応は限定的。重要イベント前では65ドル前後のレンジ内での変動にとどまることが予想されるが、原油在庫が減少した場合は上昇、増加した場合は下落する可能性があることに注意したい。
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