2025.08.08
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2025.08.08
英・要人発言(日本時間20時15分)
加・雇用統計(日本時間21時30分)
米・要人発言(日本時間23時20分)
東京時間では、本邦勢が明日から夏季休暇入りする前の最終営業日ともなり、米ドル/円(USDJPY)は序盤から買いが強まった。朝方に円買いか強まり146.70円台まで下押したものの、本邦勢が本格参入する午前9時頃から一転して米ドル買い・円売りが加速。仲値にかけて急速に上昇幅を拡大し、仲値通過後も底堅さを維持して147.40円台まで上値を伸ばした。新規材料待ちで引き続き方向感に乏しいが、米ドルが対円で買われたことから、主要国通貨は対米ドルで値を下げる動き。欧州早朝にユーロがやや弱含んだため、ドルストレートの中でもユーロ/米ドル(EURUSD)の下落が特に目立った。金(GOLD)はじりじりと上昇し、NY時間引け後に3,400ドルを回復。東京時間に入ると米ドル買いの影響で売りが強まる様子も見られたが、売り一服後は反発し、再び3,400ドルを目指す動きが見られた。昨日の海外時間に売りが強まったWTI原油(OIL)は、本日の東京時間でも下げ幅を拡大。米国とロシアの首脳会談が近く開催されることからロシアとウクライナの停戦期待が高まったとみられ、2ヶ月超ぶりとなる1バレル=63ドルまで下押した。株式市場では、日経株価(JP225)は前日比+1.85%と4日続伸。前日の米株式市場でハイテク株が堅調に買われたことを受け、半導体関連銘柄の買いが加速。力強い上昇で4万2,000円台を回復し、東証株価指数(TOPIX)も史上初となる3,000台に乗せるなど、国内株式市場全体で堅調な動きを見せた。本日は目立った経済イベントが予定されていないが、英米の要人発言には注目したい。両国とも次回以降の利下げ見通しが不透明な状況となっているため、中銀関係者から金融政策に関する発言が出た場合、市場が神経質に反応する可能性がある。また、米連邦準備制度理事会(FRB)のクーグラー理事が本日付で退任となり、後任にトランプ米大統領が指名したミラン大統領経済諮問委員会(CEA)委員長が着任する可能性が浮上したことが米ドル売りリスクに繋がっている。FRBがトランプ米大統領の意に沿ってハト派スタンスに傾くことが懸念されるため、解任した米労働省労働統計局(BLS)局長の後任人事とあわせて関連ニュースに警戒しておきたい。
日本時間20時15分に、イングランド銀行(BOE)英中銀金融政策委員会(MPC)のピル委員による金融政策についての講演が予定されている。昨日の政策金利発表を受けて、今後の金融政策スタンスについてどのような見通しが示されるのか確認したい。昨日の会合では市場予想通り0.25%の利下げが発表されたが、投票メンバー9名のうち4名が据え置きを支持したことから、BOEの利下げサイクルの終了が近づいていることが示唆された。また、史上初となる再投票が実施されたことにも注目されており、1回目の投票では0.50%の大幅利下げを支持したメンバーがいたことから、0.25%の利下げと据え置きへの票が同数となったことも明らかになった。予想外に据え置きを支持したメンバーが多かったことから、政策金利発表後に英ポンド買いが加速。11月の利下げ見通しがほぼ五分五分の状況となり、今後の経済データ次第で見通しが変わる可能性も高い。本日講演を行うピル委員はMPCのタカ派メンバーであり、昨日の会合でも据え置きを支持。利下げ停止を示唆する発言が聞かれた場合は、市場が英ポンド買いで反応する可能性があることを想定しておきたい。
日本時間21時30分に、カナダの7月雇用統計が発表される。雇用統計は、カナダ国内で新規雇用された人数の増減を測る新規雇用者数や、労働人口に占める失業者の割合を測る失業率など、複数の雇用関連指標の統計を指す。カナダの労働市場の動向を確認する上で注目度が高い。市場予想は、新規雇用者数が1.35万人、失業率が7.0%。堅調な結果を示した前月から減速する見込み。前回6月の雇用統計では、新規雇用者数が予想外の大幅な増加となり、失業率が予想に反して低下する結果となった。関税発動前から労働市場の減速が懸念される状況が続いていたが、想定以上に強い雇用統計の結果を受けて、7月会合でもカナダ中央銀行(BOC)は3会合連続となる政策金利の据え置きを決定している。次回9月会合まで1ヶ月以上の猶予があるが、今回の結果が予想よりも強い結果となれば利下げ期待後退からカナダドル買い、予想よりも弱い結果となれば利下げ期待進展からカナダドル売りの材料となる可能性があることに注意したい。
日本時間23時20分に、米連邦準備制度理事会(FRB)のムサレム・セントルイス連銀総裁の発言が予定されている。先週発表された米雇用統計の予想外の悪化を踏まえ、今後の利下げ見通しについて新たな見解が示されるのか注目したい。先週末以降、FRB関係者が7月の雇用統計の下振れや過去2ヶ月分の大幅な下方修正に対して言及する場面が見られている。ハマック・クリーブランド連銀総裁は先週1日、雇用統計の結果は失望を招く結果であったと述べた一方で、1つのデータに対して過剰に反応はしたくないと発言。雇用と物価を見ると依然として物価にリスクがあるとし、7月会合での据え置き決定に対して自信を示した。また、ボスティック・アトランタ連銀総裁は年内1回の利下げが適切であるとの考えを述べており、今後数か月でインフレ率が上昇する可能性があると指摘。労働市場の動向を注視すると述べる一方で、利下げを支持するには時期尚早であると発言した。市場では9月会合での利下げを織り込む動きが急速に進行したが、FRBメンバーは利下げに慎重な姿勢を継続している。かねてより各連銀の総裁からは物価高抑制に重きを置く考えが述べられているため、本日のムサレム・セントルイス連銀総裁の発言からも、引き続き利下げに慎重な姿勢が示されるのか注目したい。
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