2025.08.12
2025.08.12
独・ZEW景況感調査(日本時間18時00分)
米・消費者物価指数(日本時間21時30分)
米・月次財政収支(日本時間27時00分)
東京時間では、株式市場の堅調な動きや今夜発表される米消費者物価指数(CPI)への警戒感から、序盤は円売り優勢でスタートした。7月の米CPIは前月からの上昇が予想されていることから、先日の米雇用統計ショックによって加速した米ドル売りに対する巻き戻しの動きが強まっている。米ドル/円(USDJPY)は株式市場の力強い上昇や米CPIへの警戒感を背景に、東京勢本格参入後に買いが強まり上昇。朝方は148円前後での小幅な横ばいが続いたが、148.40円台まで堅調に上値を伸ばし、上昇一服後も底堅い動きを維持した。午後に入ると一時円買いが強まった影響で米ドル/円(USDJPY)は伸び悩んだが、大きく下落することなく148円台前半で下げ止まり。クロス円は円買いに押されて下げ幅を広げる動きとなった。15時に発表された7月の英雇用統計で、失業率が予想を下回ったことから英ポンド買いが加速。英ポンド/米ドル(GBPUSD)と英ポンド/円(GBPJPY)は指標発表後に買いが強まり、本日高値を更新する動きとなった。アジア株は多くの指数が堅調推移。ASX200(AUS200)は、オーストラリア準備銀行(RBA)が市場予想通り政策金利を引き下げたことを背景に上げ幅を拡大。香港ハンセン指数(HK50)は、今夜発表される米CPIへの警戒感から小幅安での推移となった。国内株式市場では、日経株価(JP225)は前週末比+2.15%と大幅続伸。米国の利下げ期待の高まりや関税による不確実性の後退を背景に投資家心理が上向いており、寄り付きから買いが加速した。取引時間中に付けた昨年7月の最高値を上抜け、一時1,000円超の上げ幅で史上最高値を更新。4万3,000円目前まで買いが強まるなど、リスク選好の地合いが強く意識される動きとなった。本日はNY時間序盤に予定されている米CPIの結果を見極める展開となりそうだ。市場予想よりも強い結果となれば現状の米ドル買いやリスク選好の動きが強まる可能性があるが、万が一予想から下振れた場合は、利下げ期待が意識され米ドル売りに繋がる可能性があることを想定しておきたい。
日本時間18時00分に、ドイツの8月ZEW景況感指数が発表される。ZEW景況感指数は、民間調査会社の欧州経済研究センター(ZEW)がドイツの今後6ヵ月の景気見通しについて調査した指標。機関投資家やアナリストを対象にアンケート調査を実施しており、Ifo景況感指数とともにドイツの景況感を探る上で注目される。市場予想は39.8。前月の52.7から下げ幅を拡大する見込み。ドイツのZEW景況感指数は5月から3ヶ月連続で予想を上回る上昇を示しており、前回7月の結果では、マイナス水準が続く現況指数でも力強い改善が見られた。ドイツ政府が先月発表した460億ユーロ規模の減税・歳出法案への期待感が消費者信頼感を向上させたとみられており、投資家心理も改善傾向にあることが示唆された。今回8月の結果は4ヶ月ぶりに前月を下回ることが予想されているが、結果が市場予想を上回ればユーロ買い、結果が市場予想を下回ればユーロ売りの材料と判断される可能性があることに注意したい。
日本時間21時30分に、米国の6月消費者物価指数(CPI)が発表される。CPIは、米国の消費者が購入する商品やサービスの価格変動を測定した指標。米労働省労働統計局(BLS)が毎月発表しており、米国のインフレ率の動向を確認する上で最も注目される重要指標として知られている。市場予想は前月比0.2%、前年比2.8%。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコアは、前月比0.3%、前年比3.0%。前月比で小幅な減速が予想されているが、前年比とコアCPIはいずれも前月からの伸びが見込まれている。先立って発表された7月の米雇用統計の下振れや過去2ヶ月分の大幅な下方修正で米国の利下げ期待が高まっており、本日発表されるCPIへの注目度も高まっている。前回6月の結果は市場予想を上回る数値となり、関税の影響が物価に表れつつあることが示唆された。今回も前月から上昇する見込みとなっており、予想よりも強い結果となった場合は9月の利下げ観測が後退する可能性が考えられる。反対に、予想よりも弱い結果となった場合は、労働市場の減速と相まって利下げ期待が一層高まり、米ドル売りが加速する可能性があることに警戒しておきたい。
日本時間27時00分に、米国の6月財政収支が発表される。米国の月次財政収支は、米連邦政府の収入から支出を差し引き、差額を算出した指標。差額がプラスの場合は財政黒字、差額がマイナスの場合は財政赤字と判断される。市場予想は、-1,400億ドルの赤字となる見込み。米国の財政収支は関税発動以降に赤字幅を大幅に縮小しており、前回6月は270億ドルの黒字となった。関税収入が過去最高の272億ドルに達したことが背景にあり、単月の歳入も過去最高の5,260億ドルを記録している。ベッセント財務長官は、今年の年末までに関税による収入が3,000億ドルを優に超える可能性があると述べており、トランプ米大統領の関税が米国に利益をもたらしているとの認識を示した。本日発表される7月の財政収支は前月から一転して赤字幅が拡大するとみられているため、結果とともに関税収入の増減についてチェックしておきたい。
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