2025.07.03
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2025.07.03
米・雇用統計(日本時間21時30分)
米・貿易収支(日本時間21時30分)
米・ISM非製造業景況指数(日本時間23時00分)
東京時間では、今夜発表される米雇用統計待ちの様子見ムードが広がる中、注目されていた高田日銀審議委員の発言や本邦30年国債入札が無難に通過したことで、全般冴えない動きとなった。三重県金融経済懇談会で講演を行った高田日銀審議委員は、金融緩和度合いを引き続き調整していくことが必要であるとの認識を示したうえで、「足元は利上げをいったん休止する局面」であると発言。関税による不確実性を慎重に見極めながら、段階的にギアシフトを行う必要があるとの見解を述べた。また、年内の利上げの可能性については「予断をもって答えるべきではない」と発言。日銀政策委員のなかでもタカ派スタンスで知られる高田日銀審議委員が利上げに前向きな姿勢は維持したものの、今回の発言はハト派的と捉えられたことで、米ドル/円(USDJPY)はやや買いが強まった。また、正午すぎに行われた本邦30年国債入札では、投資家需要を反映する応札倍率が高水準となったものの、市場の反応は限定的。米ドル/円(USDJPY)がじりじりと高値を切り上げる動きに連れて、クロス円も揃って上値を伸ばした。10時30分に発表されたオーストラリアの5月の貿易収支が予想を大幅に下回る黒字縮小となったことで、豪ドルとNZドルは軟調。指標発表前から売りが強まり、発表後は対円と対米ドルで下げ幅をさらに拡大した。前日のNY時間に上昇したWTI原油(OIL)は、67ドル前後で底堅い動きを継続。金(GOLD)は一時買いが強まったが、前日高値の3,365ドルを超えられずに頭打ちとなった。株式市場では、日経株価(JP225)は前日比+0.06%と小幅に反発。前日の米ハイテク株高を受けて半導体関連銘柄に買いが入ったものの、利益確定売りも目立ち売り買い交錯。米国の重要指標発表を控えた様子見の動きが強まり、寄り付きから引けまで小幅な横ばいが続いた。本日はNY時間前半に米国の重要指標の発表が集中しているため、指標発表前後の値動きに警戒が必要。また、明日は米国が祝日で休場となるため、連休入り前の買い控えや手仕舞いの動きにも注意したい。
日本時間21時30分に、米国の6月雇用統計が発表される。米労働省労働統計局(BLS)が毎月発表する雇用統計は、米国内の労働者の雇用状況を調査した指標。市場注目度が高い非農業部門雇用者数や失業率を始め、平均時給・労働参加率・製造業雇用者数などの複数指標が同時に発表される。市場予想は、非農業部門雇用者数が11.0万人、失業率が4.3%、平均時給が前月比0.3%、前年比3.8%。総じて前月からの減速が予想されており、市場予想通りとなれば労働市場の悪化が示唆されることになる。4月の大規模な関税発動以降、前回5月の雇用統計までは労働市場の底堅さが維持されていたが、6月の雇用統計では徐々に軟化の兆しが表面化してくる可能性が高い。昨日発表された6月のADP雇用統計は予想外の減少となり、2023年3月以来となるマイナスに落ち込んだことで、雇用統計への警戒感が高まっている。本日同時刻に発表される新規失業保険申請件数も前週からの増加が予想されているため、市場予想よりも弱い結果となった場合は米ドルが急落する可能性があることに警戒しておきたい。
日本時間21時30分に、米国の5月貿易収支が発表される。貿易収支は、財の輸出額から輸入額を差し引き、その差額を算出した指標。輸出額が輸入額を上回る輸出超過の状態が貿易黒字、反対に輸入額が輸出額を上回る輸入超過の状態が貿易赤字となり、国の収支を示す最も大きな指標として注目度が高い。市場予想は、-710億ドルの赤字が見込まれている。米国では恒常的に貿易赤字が続いているが、前回4月は前月比で過去最大となる大幅な赤字縮小となった。これは3月に関税発動前の駆け込み需要で輸入が急増し赤字が拡大したのに対して、4月はその反動で輸入が落ち着いたことが要因となっている。5月は小幅に赤字幅の拡大が予想されているが、年初の水準よりは大幅に下回る見込み。トランプ米大統領は、貿易赤字削減のために各国との関税交渉で強硬姿勢を維持している。高率関税が続く状況で米国の赤字縮小が維持されるのか注目したい。
日本時間23時00分に、米国の6月ISM非製造業景況指数が発表される。ISM非製造業景況指数は、米国の非製造業の購買担当者を対象に景況感のアンケート調査を実施し、指数化した指標。米供給管理協会(ISM)が毎月第3営業日に発表しており、第1営業日に発表するISM製造業景況指数とともに米国の景気先行指標として注目される。市場予想は50.6。予想を下回った前月の49.9から回復する見込み。前回5月の結果は、約1年ぶりに景況分岐点の50を下回る低水準となった。関税によるコストの上昇や需要の低迷がサービス業の押し下げ要因となっており、状況が二転三転する不確実性が解消されないことで企業が計画的な経営を行うことが困難になっている。今月1日に発表された6月のISM製造業景況指数は、6ヵ月ぶりの低水準となった前月から小幅に回復したものの、依然として低水準が継続。米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ期待が高まっているため、日本時間21時30分に発表される米雇用統計とあわせて景気後退懸念が強まる結果となれば、早期利下げ期待が高まり米ドル売りが加速する可能性があることに注意したい。
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