2025.06.30
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2025.06.30
独・消費者物価指数【速報値】(日本時間21時00分)
米・シカゴ購買部協会景気指数(日本時間22時45分)
英・月末のロンドンフィックス(日本時間24時00分)
週明けの東京時間では、相互関税の一時停止期限である7月9日が迫る中、トランプ米大統領が日本の自動車貿易に対する不満を述べたことで米ドル売り・円買いが強まった。トランプ米大統領は、米国が日本から多くの自動車を輸入しているのに対して、日本が米国から輸入する数が少ないことが不公平であると発言。「日本は大量の原油や他の多くのものを買うことができる」と述べ、米国製品の輸入拡大を求める考えを強調した。また、25%の自動車関税を撤回しない考えも述べており、日本を名指しで不満を述べたことから警戒感が広がっている。米ドル/円(USDJPY)はゴトー日・月末の仲値にかけては買いが強まり144.70円台を付けたが、仲値通過後に失速。143.80円付近まで約1円の値幅で下落し、円買いの勢いが強まったことからクロス円も揃って下げ幅を拡大した。ユーロや英ポンドなどの欧州通貨も弱含み。米ドル売りの動きと拮抗し、ユーロ/米ドル(EURUSD)と英ポンド/米ドル(GBPUSD)は小幅な横ばいでの動きにとどまった。金(GOLD)は朝方に一時下げ幅を広げたものの、徐々に買いが強まり上昇。円買いと同時に買いへと転じており、関税へのリスク警戒感から再び安全資産需要が高まったことが窺える。株式市場では、日経株価(JP225)は前週末比+0.84%と続伸。前週末の米株高の流れを引き継ぎ、ハイテク株を中心に買いが先行。トランプ米大統領が日本の自動車貿易に言及したことを嫌気し自動車関連銘柄は売られ、後場では勢いが続かず伸び悩んだものの、昨年7月以来となる約11ヶ月ぶりの4万800円台を付けて取引を終えた。この後の海外市場では、関税に対する警戒感が続く展開になるか注目したい。また、本日から7月2日までポルトガルで欧州中央銀行(ECB)が主催するECBフォーラムが開催される。初日となる本日はラガルドECB総裁の講演が予定されているため、金融政策に関する言及が出るか確認したい。
日本時間21時00分に、ドイツの6月消費者物価指数(CPI)の速報値が発表される。CPIは、ドイツ国内の消費者が購入する商品やサービスの価格変動を測定した指標。ユーロ圏で最大の経済大国であるドイツのインフレ率は欧州中央銀行(ECB)が注目する重要指標の1つであるため、ユーロの値動きに影響を与える可能性が高い。市場予想は、前月比0.2%、前年比2.2%。前月比は2ヶ月ぶり、前年比は6ヶ月ぶりの伸びが見込まれている。前回4月のCPIは減速が見られたものの、変動が激しい食品とエネルギーを除いたコア指数が高水準を維持する結果となった。コア指数の高止まりが続けばECBの利下げ停止を後押しする材料となる可能性があるため、総合指数とともに伸びが見られた場合はユーロ買いの材料と判断される場合があることに注意したい。
日本時間22時45分に、6月のシカゴ購買部協会景気指数が発表される。シカゴ購買部協会景気指数は、米国のシカゴ地区にある製造業の購買担当者を対象にアンケート調査を実施し、景況感を調査した指標。景況分岐点の50を上回ると景気拡大、下回ると景気後退と判断される。全米を対象としたISM製造業景況指数の前営業日となる月末に発表されるため、先行指標として利用される。市場予想は42.7。予想を下回った前月から回復するものの、依然として景況分岐点を下回る水準が維持される見込み。前回4月の結果は市場予想の45.0を下回る40.5まで低下し、翌日に発表されたISM製造業景況指数も同様に予想を下回る弱い結果となった。米国の製造業の景況感は下落の一途を辿っているが、米中対立激化の懸念がやや後退した6月の結果から回復の兆しが見えるのか注目したい。
本日は6月最終営業日と4-6月期末が重なるタイミングとなるため、日本時間24時00分頃のロンドンフィックス(ロンドンフィキシング)の前後には月末・四半期末に関連したフローに注意したい。ロンドンフィックスとは、ロンドン市場における東京市場の仲値(日本時間9時55分)に相当する時間帯のことを指し、この時間帯には金融機関の対顧客向け外貨取引の基準レートが決定する。ロンドンフィックスでは英ポンドやユーロなどの欧州通貨の価格が変動しやすい特徴があり、特に月末は機関投資家のリバランスの影響で大口注文が入りやすいため、価格の急変動や一方的な値動きが生じる可能性が高まる点に注意したい。また、ロンドンフィックスでは金(GOLD)の現物取引レートが決定するため、金(GOLD)の取引が活発になる傾向がある。短期取引で利益を狙いやすいタイミングであるため、ロンドンフィックスに絡んだフローが発生するか注意深く見極めたい。
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