2025.06.02
2025.06.02
米・ISM製造業景況指数(日本時間23時00分)
米・要人発言(日本時間23時15分~)
英・ロンドンフィックス(日本時間24時00分)
週明けの東京時間は、中国とニュージーランドが休場で市場参加者が少ない中、米ドル売り優勢の動きでスタートした。先週末にトランプ米大統領が鉄鋼・アルミニウムに対する関税を現在の25%から50%に引き上げると表明。米中の貿易摩擦激化の懸念が再び高まったことが米ドルの重しとなり、リスク警戒感が広がった。米ドル/円(USDJPY)は朝方に144円目前まで買われたものの、東京勢本格参入後は売りが強まり下落。約1週間ぶりとなる143.30円台まで下げ幅を広げた。米ドル/円(USDJPY)に連れてクロス円も揃って下落。大きく動意づくには至らなかったものの、継続的な売りでじりじりと安値を切り下げた。米ドル売りが加速したことで、主要国通貨は対米ドルで買い優勢。オセアニア通貨が強含んだため、豪ドル/米ドル(AUDUSD)とNZドル/米ドル(NZDUSD)は堅調な動きを示した。金(GOLD)は大幅上昇。関税報道でリスク警戒感が高まったことを背景に買いが先行し、先月27日以来となる3,335ドル付近まで上値を伸ばした。株式市場では、日経株価(JP225)は前週末比-1.30%と続落。米中貿易摩擦への警戒感が高まり、寄り付きは大幅安でスタート。自動車や半導体など輸出関連株の売りが目立ち、前週末比で一時600円超の下げ幅となった。本日の海外市場では、引き続き関税を巡る報道に警戒したい。米中の関係悪化や欧米の関税協議などの報道が伝わると、市場が神経質に反応する可能性が高い。パウエルFRB議長をはじめとする米国の要人発言も複数予定されているため、金融当局者やトランプ政権関係者の発言に注意したい。
日本時間23時00分に、米国の5月ISM製造業景況指数が発表される。ISM製造業景況指数は、全米供給管理協会(ISM)が米国の製造業購買担当者を対象にアンケート調査を実施し、景況感を調査した指標。毎月第1営業日に発表されることから、米国の景気先行指標として注目される。市場予想は49.3。前回値の48.7を上回り、4ヶ月ぶりに前月比で伸びが見込まれている。前回4月の結果は大規模な相互関税発表後の影響が広く及んでおり、輸入コストの増加によって製造業が打撃を受けていることが浮き彫りになった。構成指数のなかでも特に生産指数が悪化しており、仕入れ価格指数は上昇。一方で、先行指数となる新規受注はやや改善がみられている。ISM製造業景況指数の先行指標として注目されるシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を上回り回復傾向が示されたため、大幅な低水準となった前月からの持ち直しに期待したい。
本日は米連邦準備制度理事会(FRB)関係者の発言に注目したい。日本時間23時15分にローガン・ダラス連銀総裁、日本時間25時45分にグールズビー・シカゴ連銀総裁、日本時間26時00分にパウエルFRB議長の発言が予定されている。グールズビー・シカゴ連銀総裁は先週出席した会議で「関税が導入されなければ相互関税発動前の4月2日以前の状況に戻ることが可能」と発言。米国際貿易裁判所による関税差し止め命令については直接的な言及がなかったものの、関税発動を回避できれば金利引き下げも可能になるとの認識を示した。トランプ政権の関税差し止め命令は一時停止されており、不透明な状況が解消されるまではFRBが様子見姿勢を維持するとみられている。今後の金融政策は関税の動向に大きく左右される可能性が高いため、要人発言や関連ヘッドラインから最新の見通しを確認したい。
日本時間24時00分頃は、ロンドンフィックス(ロンドンフィキシング)に関連した値動きに注意したい。ロンドンフィックスは、ロンドン市場における金融機関の対顧客向け外貨取引の基準レートを決定する時間帯のことを指し、東京市場の仲値(日本時間9時55分)に相当する。東京仲値でみられる米ドル買い・円売りのような方向性のあるフローは存在しないが、月末から月初にかけてはユーロや英ポンドなどの欧州通貨の取引が活発になりやすい特徴がある。また、ロンドンフィックスでは金(GOLD)の現物取引レートも決定するため、金(GOLD)の価格が変動しやすいことが特徴。欧州通貨や金(GOLD)の値動きが大きくなる可能性があるため、短期トレードで効率的に利益を狙いたい。
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