2025.08.21
2025.08.21
欧米・製造業PMI/サービス業PMI【速報値】(日本時間16時15分~)
米・景気先行指数(日本時間23時00分)
米・中古住宅販売件数(日本時間23時00分)
東京時間では、明日予定されているジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演を前に、様子見ムードが強い地合いとなった。東京勢参入前のオセアニア時間では、トランプ米大統領に辞任を要求された米連邦準備制度理事会(FRB)のクック理事が「辞任を強要されるつもりはない」と発言。一部では、今月退任した元FRB理事のクーグラー氏の後任と同様に、クック理事を解任させトランプ米大統領の意に沿った人事を行う可能性があることが指摘されている。これを受けて、FRBの独立性への懸念から米ドルの上値が抑えられる動きがみられた。朝方のユーロ/米ドル(EURUSD)は、NY引け後に付けた安値1.1640ドル台から一時1.1650ドル付近まで小幅に上昇。その後は東京勢本格参入後に売りがやや強まり、再び1.1640ドル台まで値を下げた。米ドル/円(USDJPY)は動意が薄く、小幅高で推移。朝方の安値147.26円付近で下値を支えられているものの、新規材料不足や様子見の動きが意識され、欧州序盤までほぼ横ばいの動きが続いた。金(GOLD)は売り優勢で下落。昨日は東京時間からNY時間まで日通し力強く買われたものの、NY引け後に付けた高値3,352ドルから一転して売りが強まり、一時3,334ドルまで値を下げた。株式市場では、日経株価(JP225)は前日比-0.65%と3日続落。前日の米株式市場でハイテク株が売られたことを受けて、寄り付きから半導体関連銘柄の売りが加速。為替市場と同様に様子見ムードが強く、積極的な買いには至らないが売りの勢いも限定的となり、小幅安で取引を終えた。本日の海外時間では、明日予定されているジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演を控え、動きづらい展開が予想される。ただし、欧州時間からNY時間にかけて注目度が高い重要指標発表が多数予定されているため、結果次第では相場が動意づく可能性があることも想定しておきたい。
本日は欧米各国の8月製造業PMI/サービス業PMIの速報値が発表される。日本時間16時15分にフランス、日本時間16時30分にドイツ、日本時間17時00分にユーロ圏、日本時間17時30分に英国が発表予定。NY時間以降には、日本時間22時45分に米国の発表が予定されている。製造業PMIとサービス業PMIは、各国の製造業とサービス業の購買担当者を対象に景況感についてのアンケート調査を実施した指標。結果を指数化して示し、指数が景況分岐点の50を上回れば景気拡大、50を下回れば景気後退と判断される。市場予想は、英国の製造業PMIのみ前月比で上昇が見込まれているが、その他の国ではおおよそ前月から低下もしくは横ばいが見込まれている。英国では、今月7日にイングランド銀行(BOE)が0.25%の利下げを発表したものの、投票メンバー9名のうち4名が据え置きを支持したことから利下げサイクルの終了が近いことが示唆された。昨日発表された英国の7月消費者物価指数も市場予想を上回っており、本日の製造業PMIとサービス業PMIも予想以上に強い結果となった場合、BOEの利下げ観測がさらに後退し英ポンド買いに繋がる可能性があることを想定しておきたい。
日本時間23時00分に、米国の7月景気先行指数が発表される。景気先行指数は、米国の民間調査会社のコンファレンスボードが景気に先行して動くとされる10項目の指標から算出した指数。最もウェイトが高いマネーサプライを始め、週平均労働時間や入荷遅延比率など複数項目で構成される。市場予想は-0.1%。予想を上回る悪化を示した前月からやや改善する見込み。米国の景気先行指数は低調な結果が続いており、関税の影響で消費者や企業の悲観的な見通しが顕著に表れている。製造業の受注減少や建設許可申請件数の減少など、複数の業種で景気後退の兆候を示しているため、今回も低調な結果となった場合は米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ期待が高まり、米ドル売りの動きが生じる可能性があることに注意したい。
日本時間23時00分に、米国の7月中古住宅販売件数が発表される。全米不動産協会(NAR)が毎月発表する中古住宅販売件数は、米国で1ヶ月内に販売された集合住宅を含む中古住宅の販売件数を集計した指標。所有権の移転完了時点での集計となるため、販売成立時点で集計される新築住宅販売件数よりも1~2ヵ月程度の時差が生じる。米国では新築住宅市場よりも中古住宅市場のほうが規模が大きいため、米国の景気判断の材料として注目度が高い。市場予想は392万件。前月を下回り、2ヶ月連続で減少する見込み。前回6月は昨年10月以来となる低水準に落ち込み、住宅市場の厳しい状況が顕在化された。住宅ローン金利の高止まりによる借り入れコストの上昇や住宅価格の上昇が消費者の購買意欲を後退させており、売れ残りの在庫数も増加傾向にある。今月19日にはトランプ米大統領が「パウエルのせいで住宅業界に大きな打撃を与えていることを誰か伝えてくれ」と述べており、一部関係者からも米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げに踏み切るまでは住宅市場の停滞が続くとの見通しが述べられている。引き続き厳しい結果が予想されるが、市場予想よりもさらに弱い結果となった場合は米ドル売り圧力が強まる可能性があることに警戒しておきたい。
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