米・個人消費支出と米ドル売りの動きに警戒

2025.05.30
2025.05.30
本日のポイント
独・消費者物価指数(日本時間21時00分)
加・国内総生産(日本時間21時30分)
米・個人消費支出(日本時間21時30分)
東京時間では、円買い優勢の動き。昨日の海外時間にトランプ政権の関税差し止め命令が一時停止され、現在の関税措置が維持されることが伝わり、米ドル売りの流れが継続。また、朝方に発表された5月の東京都区部消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回ったことが円買いを誘い、米ドル安・円高の地合いとなった。米ドル/円(USDJPY)はNY時間引け後からじりじりと下げ幅を広げ、ゴトー日の仲値にかけては一時持ち直す動き。その後は米ドル売りの動きが落ち着いたことで下げ止まったものの、上値の重さが目立った。主要国通貨は対ドルで弱含み。クロス円は円買いが加速したことで売り優勢となった。午前に発表されたオーストラリアの4月小売売上高が予想外のマイナス水準となったことで、豪ドルは軟調な動き。豪ドル/円(AUDJPY)は一時92.30円台まで下げ幅を広げ、豪ドル/米ドル(AUDUSD)は0.6420ドル台まで下押した。金(GOLD)は売り優勢で下落。前日に買いの勢いが強まったものの、東京時間に入ると一転して売りが加速し、3,290ドル付近まで下げ幅を広げた。株式市場では、日経株価(JP225)は前日比-1.22%と反落。関税を巡る不透明感が再び強まったことで、寄り付きは大幅安でスタート。前日のリスクオンの上昇分を巻き戻す動きから一時600円超の下げ幅拡大となったが、売り一服後は徐々に下げ幅を縮小した。本日の海外市場では、第4回目となる日米関税交渉や、トランプ政権からの離脱が発表されたイーロン・マスク氏とトランプ米大統領の最後の共同記者会見が予定されている。また、5月最終営業日となるため、日本時間24時00分のロンドンフィックスに関連した値動きにも注意したい。
1. 独・消費者物価指数(日本時間21時00分)
日本時間21時00分に、ドイツの5月消費者物価指数(CPI)の速報値が発表される。CPIは、ドイツ国内の消費者が購入する商品やサービスの価格変動を測定した指標。ドイツのインフレ動向を把握する上で注目度が高い。ユーロ圏の経済大国であるドイツのインフレ動向は欧州中央銀行(ECB)の金融政策決定に影響を与える可能性が高いため、月ごとの変動を確認しておきたい。市場予想は、前月比が0.1%、前年比が2.0%。ともに前回値から伸び率が鈍化する見込み。ECBは約1週間後となる6月5日に政策金利発表を予定しており、今回のドイツのCPIは利下げの可能性を見極めるための注目材料となりそうだ。今週27日に発表されたフランスの5月CPIは、前月比と前年比がともに予想を下回る低水準となり、利下げ期待を後押しする結果となった。本日のドイツのCPIも予想以上の減速となった場合、利下げ期待の高まりから市場がユーロ売りで反応する可能性があることを想定しておきたい。
2. 加・国内総生産(日本時間21時30分)
日本時間21時30分に、カナダの3月の月次GDP(国内総生産)と第1四半期GDPが発表される。GDPは、カナダ国内で新たに生産された財やサービスの合計から算出される指標。GDPの伸び率によって経済成長率が示されるため、カナダの景気動向を把握する上で重要度が高い。市場予想は、月次GDPが前月比0.1%、前年比1.6%。前月比で伸び率が加速する見込み。第1四半期GDPは前期比1.7%。前四半期の2.6%から減速が見込まれている。2024年第4四半期GDPは、全体の半分以上を占める家計支出や企業投資などが増加したことで、予想を上回る伸びが示された。カナダ中央銀行(BOC)の継続的な利下げが経済を後押ししたとみられる。今回の結果は、トランプ政権が発動した関税の影響が表れている可能性が高い。リセッションが懸念されるカナダの成長率が予想以上に減速していた場合はカナダドル売り、予想ほどの減速がみられなければカナダドル買いの材料と判断される可能性があることに注意したい。
3. 米・個人消費支出(日本時間21時30分)
日本時間21時30分に、米国の4月個人消費支出(PCE)が発表される。PCEは、米国内の家計が消費した財やサービスを集計した指標。個人所得や名目PCEを実質PCEで割って算出されたPCEデフレーター、価格変動の大きい食品とエネルギーを除いたPCEコア・デフレーターなど、複数指標が同時に発表される。市場予想は、個人所得が0.3%、個人消費支出が0.2%、PCEデフレーターが前年比2.2%、PCEコア・デフレーターが前年比2.5%。多くの指標で前月からの減速が見込まれている。前回3月の結果では、4月からの大規模な関税発動前の駆け込み需要もあり、市場予想を上回る結果となった。関税発動後の4月は伸び率が鈍化することが見込まれており、先立って発表された4月の小売売上高も前月比で大幅に減速していたことから、消費者の間で支出を抑える動きが広がったことが示唆された。再び米ドル売りが加速している状況であるため、予想を下振れた場合の米ドル売りリスクに警戒しておきたい。
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