2025.08.14
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2025.08.14
欧・第2四半期GDP【改定値】(日本時間18時00分)
米・新規失業保険申請件数(日本時間21時30分)
米・生産者物価指数(日本時間21時30分)
東京時間では、昨日の海外時間にベッセント米財務長官が米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げと日銀の利上げについて言及したことを受け、日米金利差縮小を意識した米ドル売り・円買いの動きが加速した。ベッセント米財務長官は昨日出演したテレビ番組のインタビューで、FRBは9月会合で0.5%の利下げに踏み切ることが望ましいとの考えを発言。また、同インタビュー内では植田日銀総裁と対話したことも明かしており、日銀は利上げでインフレ抑制を図る必要があるとの自身の考えを示した。ベッセント米財務長官の一連の発言を受けて、米国の利下げ期待と日本の利上げ期待が高まったことから、米ドル/円(USDJPY)は大幅に下落。NY引け後は前日終値の147.40円付近からじりじりと下値を探る動きが続いていたが、東京勢が本格参入する午前9時を回ると急速に下げ幅を拡大。主要国通貨に対して円全面高の動きとなり、米ドル/円(USDJPY)は3週間ぶりの安値となる146.20円台まで下押した。クロス円も揃って大幅に下落。円主導の相場となったことから、多くのドルストレートはわずかな米ドル高水準での小幅推移にとどまった。株式市場では、日経株価(JP225)は前日比-1.45%と7日ぶりに反落。連日最高値を更新した過熱感から利益確定売りが加速し、序盤から大幅下落。為替市場で急速に円高が進行した流れも嫌気され、調整売りが目立つ展開となった。本日は、NY時間序盤に米国の生産者物価指数(PPI)や新規失業保険申請件数など、注目度が高い経済指標の発表が予定されている。米国の経済指標の結果次第では、東京時間で加速した円買いの流れに変化が生じる可能性があることに注意したい。
日本時間18時00分に、ユーロ圏の第2四半期GDP(国内総生産)の改定値が発表される。先月30日に発表された速報値の結果から数値の改定があるか確認したい。第2四半期GDPの速報値は、前期比で横ばいが見込まれていたものの、予想外に小幅上昇を示した。主要国の中でドイツとイタリアがマイナス成長となった一方で、スペインとフランスが予想以上の成長率となったことが押し上げに寄与したとみられる。しかし、米関税の影響でユーロ圏経済は減速傾向にあり、リスクは依然として下方向にある。国内需要は引き続き低調であることが示されているため、本日の改定値の発表では下方修正に特に警戒しておきたい。
日本時間21時30分に、米国の新規失業保険申請件数が発表される。米労働省雇用統計局が毎週木曜日に発表する新規失業保険申請件数は、米国内で失業者が失業保険を初めて申請した件数を集計した指標。週次の結果は速報性が高く、米国の労働市場の動向を把握するための先行指標として注目度が高い。市場予想は22.8万件。前週分を上回り、4週連続で増加する見込み。前回の結果は22.6万件と、約1ヶ月ぶりの高水準を示したが、労働市場が急激に減速しているとの見方には至らなかった。失業者の再就職が困難な状況にあることは以前より指摘されているが、関税による景況感悪化を背景とした大規模な解雇などには至っておらず、緩やかな減速ペースを維持している。今月初旬に発表された7月の雇用統計が下振れたことで米国の雇用関連指標の動向に注目が集まっているため、予想からの乖離が大きい場合は米ドルが神経質な動きを示す可能性があることに注意したい。
日本時間21時30分に、米国の7月生産者物価指数(PPI)が発表される。米労働省労働統計局(BLS)が毎月発表するPPIは、米国内の製造業者が販売した商品やサービスなどの価格変動を測定し、指数化した指標。同じくBLSが発表する消費者物価指数(CPI)とともに、インフレ関連指標の中で特に注目される重要指標の1つである。市場予想は、前月比0.2%、前年比2.5%。変動が激しい食品やエネルギーを除いたコア指数は、前月比0.2%、前年比2.9%。総合指数とコア指数ともに、前月からの伸び率加速が見込まれている。今週12日に発表された7月のCPIは概ね市場予想通りで、関税による物価上昇は見られたものの、想定よりも急激な上昇には至らなかったことから米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ期待が後退。次回9月会合での利下げを急速に織り込むかのように、米ドル売りが加速する動きとなった。本日のPPIが市場予想を下振れる結果となった場合、市場は再び米ドル売りで反応する可能性が高いことに警戒しておきたい。
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