2025.08.13
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2025.08.13
米・要人発言(日本時間21時00分~)
米・週間原油在庫(日本時間23時30分)
英・ロンドンフィックス(日本時間24時00分)
東京時間では、株式市場でリスクオンの堅調推移が続く中、為替市場でもリスクオンを意識した米ドル買い・円買いの動きが見られた。昨日のNY時間では、7月の米消費者物価指数(CPI)の結果を受けて利下げ期待が高まったことや、労働省労働統計局(BLS)の次期局長に指名されたE・J・アントニー氏が雇用統計の発表を月次から四半期ベースに切り替えることを提案したことなどから、米ドルが急落。米ドル/円(USDJPY)はNY時間序盤に付けた日通し高値の148.50円台から147.50円台まで大幅に下落し、下げ一服後も買戻しが加速することなく、東京時間序盤まで147.80円付近での横ばいが続いた。米ドル/円(USDJPY)は東京勢本格参入後も鈍い動きが続いたが、仲値通過後から急速に買いが強まり上昇。リスクオンの円売りの影響で一時148.10円台まで上値を伸ばし、米ドル/円(USDJPY)に連れてクロス円も揃って力強く上昇した。しかし、正午頃に実施された本邦の5年国債入札が低調な結果となり本邦長期金利が上昇したことから頭打ち。円売りの勢いが弱まり、午後に入ると米ドル/円(USDJPY)とクロス円は一転して売りが強まる動きとなった。欧州通貨は様子見姿勢。ユーロと英ポンドは対円では円主導で上下する動きが見られたが、対米ドルでは動意が薄く、ユーロ/米ドル(EURUSD)と英ポンド/米ドル(GBPUSD)は小幅な横ばいにとどまった。株式市場では、日経株価(JP225)は前日比+1.30%と続伸。米早期利下げ期待から米株が揃って上昇した流れを引き継ぎ、序盤から買いが先行。連日最高値を更新しており、本日も史上最高値となる4万3,000円台に乗せ、底堅い動きを維持した。本日は欧米の目立った経済イベントが予定されていないため、米利下げ観測の高まりによるリスクオンの地合いが継続することになるか注目したい。また、15日に予定されている米露首脳会談を前に、本日は欧州各国の首脳やウクライナのゼレンスキー大統領らが参加するオンライン会合が開かれる。トランプ米大統領の参加は未定となっているが、関連ヘッドラインで市場が反応する可能性があるため、突発的な値動きには備えておきたい。
本日は米連邦準備制度理事会(FRB)関係者の発言が予定されている。日本時間21時00分にバーキン・リッチモンド連銀総裁、日本時間26時00分にグールズビー・シカゴ連銀総裁、日本時間26時30分にボスティック・アトランタ連銀総裁がそれぞれ講演予定。金融政策や経済がテーマの講演となるため、FRBの今後の金融政策スタンスについて具体的な話題が挙がるか注目したい。先日発表された7月の米雇用統計の弱いデータに続き、昨日発表された7月の米消費者物価指数(CPI)の伸びがそれほど加速していなかったことを受けて、市場では9月の利下げをほぼ確信するかのように織り込む動きが広がった。しかし、FRB関係者からは、労働市場への警戒を示しつつも引き続き物価安定を重視する発言が続いており、かねてより据え置きを支持していた金融当局者らは利下げに慎重な姿勢を維持している。FRB関係者の中でも、特に各連銀の総裁らを中心に物価上振れリスクを警戒する声が挙がっているため、本日の要人発言で9月以降の利下げ見通しについてどのような見解が示されるのか注目したい。
日本時間23時30分に、米国の原油在庫が発表される。週次で発表される原油在庫は、米国内で保有する商業用原油量を調査した指標。米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)が毎週水曜日に前週金曜日時点のデータを公表する。原油在庫の増加は需要の低迷、減少は需要の拡大と判断されるため、米国の景気動向を把握するための材料として注目度が高い。WTI原油(OIL)は昨日の海外時間に下落に転じており、本日朝方には1バレル=62ドル台まで下げ幅を拡大。昨日発表された石油輸出国機構(OPEC)の月次報告で増産計画が進めやすい見通しが示されたことや、米石油協会(API)が発表した週間原油在庫が前週比で152万バレル増加したことなどが原油相場の重しとなっていると予想される。また、15日に予定されているトランプ米大統領とプーチン露大統領の米露首脳会談への警戒感も高まっているため、本日EIAが発表する週間原油在庫も増加傾向が示された場合、原油相場がもう一段下値を試す可能性があることを想定しておきたい。
日本時間24時00分頃は、ロンドンフィックス(ロンドンフィキシング)に関連した値動きに注目したい。ロンドンフィックスとは、東京市場における仲値(日本時間9時55分)に相当し、ロンドン市場で金融機関の対顧客向け外貨取引の基準レートを決定する時間帯のことを指す。東京仲値ではゴトー日の米ドル買い・円売りなど特定のフローが観測されることが多くあるが、ロンドンフィックスでは東京仲値のような決まったフローは存在せず、相場状況に応じて特定銘柄で買いか売りの一方向に大幅な値動きが生じるケースが多い。また、ロンドンフィックスは金(GOLD)の現物取引レートが決定するタイミングでもあるため、様々な思惑から金(GOLD)の値動きが活発になりやすい。週明けから金(GOLD)は方向感が定まらない横ばいの動きを続けているが、ロンドンフィックスに関連した値動きが観測された場合は短期トレードのチャンスとなるため、効率的に利益を狙いたい。
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