2025.04.23
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2025.04.23
欧米各国の製造業PMI/サービス業PMI(日本時間16時15分~)
米・新築住宅販売件数(日本時間23時00分)
米・週間原油在庫(日本時間23時30分)
東京時間では、早朝に伝わったトランプ米大統領の発言で市場の警戒感が一時後退する動きがみられた。トランプ米大統領は米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長について「解任する意図はない。利下げにもう少し積極的になってほしい」と自身の前言を撤回する内容を発言。また、対中関税についても交渉を通じて大幅に下がっていくとの見通しを示したことで、市場の警戒感が緩和され米ドルや米株の買戻しが加速した。米ドル/円(USDJPY)はトランプ米大統領の発言が伝わった直後に141.50円台から143.20円台まで急伸。ユーロ/円(EURJPY)や英ポンド/円(GBPJPY)など多くのクロス円銘柄も連れ高となった。しかし、上昇一服後は再び売り優勢の動きとなり、朝方の上げ幅をほぼ帳消しにする水準まで下落。一時的にリスク後退の動きを示したものの、市場の米ドル売り圧力の根強さが浮き彫りになった。米中の対立構造が緩和されることへの期待感から香港ハンセン指数(HK50)や豪ASX200(AUS200)などのアジア株が軒並み上昇しており、中国経済の影響を受けやすい豪ドルも堅調に推移。豪ドル/円(AUDJPY)は多くのクロス円銘柄が徐々に下げ幅を拡大していくなかで底堅く推移し、豪ドル/米ドル(AUDUSD)も大幅上昇となった。今週序盤から上昇基調が続くビットコイン(BTCUSD)は、今年3月3日以来となる9万3,800ドル台まで上昇。9万4,000ドル付近のレジスタンスゾーンが上値を抑えることも考えられるため、急激な上昇への調整が入る可能性を想定しておきたい。株式市場では、日経株価(JP225)は前日比1.89%と3日ぶりに反発。前日の米株高の流れを引き継ぎ、寄り付きは買い先行でスタート。半導体関連銘柄の上昇が相場の押し上げに寄与し、上値警戒感は意識されつつもプラス圏で着地した。本日は欧米各国の経済指標や要人発言が数多く予定されているため、欧州時間以降は相場が動意づく可能性が高い。また、本日からG7及びG20財務相中銀総裁会議が開かれるため、各国財務相の発言が伝わった際に市場が反応する可能性があることに注意したい。
本日は欧米各国の4月製造業PMI/サービス業PMIの速報値が発表される。欧州時間前半となる日本時間16時15分にフランス、日本時間16時30分にドイツ、日本時間17時00分にユーロ圏、日本時間17時30分に英国が発表予定。NY時間以降には、日本時間22時45分に米国の発表が予定されている。製造業PMIとサービス業PMIは、各国の製造業とサービス業の購買担当者の景況感を調査し、指数化した指標。景況感の分岐点となる50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断される。各国の市場予想を見ると、全ての国で製造業PMIとサービス業PMIがともに前回値を下回る見込み。トランプ政権の関税政策によって世界的な景気減速が懸念される中、企業活動の先行きにも陰りが見え始めている。本日は市場注目度が高い速報値の発表であるため、予想値からの大幅な上振れもしくは下振れが生じた場合は市場が神経質に反応する可能性があることを留意しておきたい。
日本時間23時00分に、米国の3月新築住宅販売件数が発表される。新築住宅販売件数は、米国内の新築住宅の販売件数を調査した指標。全米及び地域別の販売価格や在庫状況などについても調査され、米商務省センサス局が前月分の結果を毎月公表する。市場予想は68.5万件。前月の67.6万件を上回り、3ヵ月連続で増加する見込み。米国では1月に米南部を襲った寒波の影響で一時新築住宅販売件数が減少していたが、気温の上昇や高止まりしていたローン金利の低下を背景に、買い控えムードが緩和しつつある。ただし、関税発動による建築資材コストの高騰が建設業の景況感を悪化させており、今後は着工ペースや消費者の購買意欲が抑制される可能性も考えられる。米国の景気後退懸念が相場の重しとなっているため、結果が予想に届かなかった場合は米ドル売りで反応する可能性があることに注意したい。
日本時間23時30分に、米国の原油在庫が発表される。毎週水曜日に週次の結果が発表される原油在庫は、米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)が米国内で保有する商業用原油量を調査した指標。原油在庫量の増加は需要の低迷、減少は需要の拡大を意味し、需給の増減がインフレ傾向や景気動向を示す材料として注目される。WTI原油(OIL)は今月上旬に4年超ぶりとなる1バレル=55ドル台まで値を下げたが、じりじりと買い戻され本日のアジア時間に64.40ドル台まで回復。トランプ米大統領と米連邦準備制度理事会(FRB)の対立懸念がやや和らいだことや、トランプ米大統領がイランに対する制裁を強めたことが買い材料と捉えられている。関税政策による物価高や景気後退懸念が原油価格の上値を抑制している状況であるため、市場がリスク警戒の動きに振れた際は下落リスクに注意したい。
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