2025.01.31
2025.01.31
加・国内総生産(日本時間22時30分)
米・個人消費支出(日本時間22時30分)
英・月末のロンドンフィックス(日本時間25時00分)
東京時間では、朝方に一時円買いが強まる動き。トランプ米大統領の関税発言に対する警戒感が高まり、リスクオフの円買いが広がった。トランプ米大統領は、中国やロシアなどで構成する新興国グループBRICSに対して、基軸通貨である米ドルに代わって他の通貨を支持する場合は100%の関税を課すと発言。大幅な円買いには振れなかったものの、米ドル/円(USDJPY)やクロス円は軒並み値を下げた。しかし、午後には一転して円売りが強まり、米10年債利回りの上昇や株式市場での上げ幅拡大を材料に米ドル/円(USDJPY)は上値を伸ばす展開。153.90円台から154.90円台まで約1円の上げ幅となり、米ドル/円(USDJPY)に連れてユーロ/円(EURJPY)や英ポンド/円(GBPJPY)なども上昇に転じた。また、午後には植田日銀総裁と石破首相がそれぞれ安定した物価上昇と賃上げの実現について発言。植田日銀総裁が「基調的物価が2%を下回っている」「基調的物価2%に向けて緩和維持」などと発言したことが緩和姿勢と受け取られたことも円売りを加速させた。株式市場では、日経株価(JP225)は前日比+0.15%で続伸。米株高の流れから買い優勢でスタートするも、トランプ米大統領の関税発言が日本株にも重しとなり、もみ合いが続く展開。売り買いが交錯する中、小幅高で推移した。本日は月末・週末に関連したフローに注意したい。また、トランプ米大統領は明日2月1日にカナダとメキシコに対して25%の関税を発動すると宣言しており、新たな発言が伝わると相場が急変動する可能性が考えられる。突発的な値動きが生じやすいタイミングであるため、慎重にトレードチャンスを捉えたい。
日本時間22時30分に、カナダの国内総生産(GDP)が発表される。GDPは、カナダ国内で新たに生産された財やサービスの合計金額から算出される指標。各国の経済成長率はGDPの伸び率によって示されるため、カナダの景気全体の動向を把握する上で重要視される指標である。今回の市場予想は、前月比で-0.1%、前年比で1.6%の見込み。いずれも前回値からの鈍化が予想されている。カナダ中央銀行(BOC)は今月29日、0.25%の追加利下げを決定した。2025年の成長率見通しも引き下げられ、更には米国からの関税賦課によりインフレ上昇リスクが高まっている。トランプ米大統領は明日2月1日よりカナダに対する25%の関税を発動すると表明しており、実際に関税引き上げが実施された場合はカナダ経済に大きな影響を与えることとなる。現状ではカナダドルの下振れリスクに警戒感が高まっているため、指標の結果が予想を下回った場合の米ドル/カナダドル(USDCAD)の下落リスクに警戒したい。
日本時間22時30分に、米国の12月個人消費支出(PCE)が発表される。PCEは、米国内の各家庭で消費した財やサービスを集計した指標。個人所得・個人支出に加え、名目PCEを実質PCEで割って算出されたPCEデフレーターや価格変動の大きい食品とエネルギーを除いたPCEコア・デフレーターなど、複数項目で構成される。市場予想は、個人所得が0.4%(前回値0.3%)、個人支出が0.5%(前回値0.4%)、PCEデフレーターが2.6%(前回値2.4%)、PCEコア・デフレーターが2.8%(前回値2.8%)の見込み。米国ではGDPにおいて個人消費が占める割合が約7割に及ぶため、GDPとあわせて景気動向を把握する上で注目度が高い。昨日発表された第4四半期GDPの速報値では、前期比で市場予想を下回ったものの、個人消費が予想値を上回ったことで米ドル買いに傾いた。本日発表されるPCEも概ね前回値を上回る水準が予想されており、結果が予想を上回った際は米ドル買いが加速する可能性があることに注意したい。
本日は1月最終日となり、週の最終営業日でもあるため、日本時間25時00分頃のロンドンフィックス(ロンドンフィキシング)前後では月末・週末に関連したフローに注意したい。ロンドンフィックスは、ロンドン市場における東京時間の仲値(日本時間9時55分)に相当する時間のことを指す。ロンドン市場での金融機関の対顧客向け外貨取引の基準レートが決定するため、ロンドンフィックスの前後では様々な思惑による売買が交錯し、値動きが荒くなる可能性が高い。特に月末は機関投資家によるリバランスの影響で大口注文が入りやすく、価格の急変動や一方的な値動きが生じる可能性が高まる。ユーロや英ポンド、金(GOLD)の取引量が増加する傾向にあるため、これらの銘柄の値動きには十分注意したい。
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