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日銀利上げで政策金利が30年ぶりの高水準に

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日銀利上げで政策金利が30年ぶりの高水準に
相場レポート

2025.12.19

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2025.12.19

本日のポイント

  1. 欧・要人発言(日本時間17時00分~)

  2. 加・小売売上高(日本時間22時30分)

  3. 米・中古住宅販売件数(日本時間24時00分)

東京時間では、日銀の政策金利発表を受けて円安が加速した。正午過ぎに発表された政策金利は、市場予想通り0.75%への利上げが決定。今年1月以来、年内2回目の利上げとなり、政策金利は1995年9月以来となる30年ぶりの高水準となった。発表直後は一時的に円買いが強まったが、利上げはすでに織り込み済みであったことや、声明文が期待ほどのタカ派的な内容ではなかったことから、市場は円売りで反応した。米ドル/円(USDJPY)は政策金利発表を前に朝方からじり高となり、発表直後は一時的に下落。155.60円付近で下げ止まった後は大きく反発し、約1週間ぶりとなる156.10円台まで上値を伸ばした。また、利上げ発表を受けて本邦長期金利が大幅上昇。発表直後に1999年以来となる2.015%まで上昇したことで、一時円買い圧力を強める動きとなった。15時30分から開始する植田日銀総裁の記者会見を前に一旦は値動きが限定的となったため、会見を受けて欧州勢がどのように参入してくるのか注目したい。前日の政策金利発表で動意づいたユーロと英ポンドは、本日の東京時間では動意薄。日銀発表待ちで朝方から様子見ムードが強まったこともあり、ユーロ/米ドル(EURUSD)と英ポンド/米ドル(GBPUSD)は10~20pips程度の小幅なもみ合いが続いた。株式市場では、日経株価(JP225)は前日比+1.03%と反発。米株が反発した流れを引き継ぎ、寄り付きは買い先行。後場では日銀利上げを受けて為替が円安に振れたことを背景に、底堅い動きが続いた。本日の日銀政策金利発表を通過し、年内の重要イベントはほぼ消化したことになる。来週からはクリスマスや年末に向けて海外の市場参加者が徐々に減少することが予想されるため、ポジション調整による荒い値動きには注意したい。

1. 欧・要人発言(日本時間17時00分~)

本日は、ブラックアウト期間明けとなる欧州中央銀行(ECB)関係者の発言が数多く予定されている。日本時間17時00分から欧州時間午後まで要人発言が続く予定となっており、中でも日本時間18時00分のコッハー・オーストリア中銀総裁、シムカス・リトアニア中銀総裁、レーン・フィンランド中銀総裁の発言や、日本時間24時10分のレーン専務理事の発言などが注目される。ECBは昨日の理事会で政策金利の据え置きを決定。ラガルド総裁の会見では、今回の理事会で今後の利上げや利下げについての議論はなかったと述べられたことで、ユーロ相場の反応は限定的となった。また、成長率とインフレ率の見通しが一部上方修正されたことから、事実上の利下げ打ち止めと受け取られている。本日はユーロ圏主要各国の中銀総裁の多くが経済をテーマとした講演に出席するため、2026年の金融政策の見通しについて具体的な見解が示されるか注目したい。

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2. 加・小売売上高(日本時間22時30分)

日本時間22時30分に、カナダの10月小売売上高が発表される。小売売上高は、カナダ国内の小売業の売上を月毎に集計した指標。カナダの小売売上高は消費支出の約4割を占めるため、個人消費者や景気動向を把握するうえで重要度が高い。市場予想は前月比0.0%。変動が大きい自動車を除いたコア小売売上高も前月比0.0%。ともに前月から伸び率が横ばいとなる見込み。前回9月の結果では、総合指数が予想を上回るマイナス水準へと低下。一方でコア指数は想定程の低下とならず、前月比でプラス水準を維持した。市場予想よりも高い数値はカナダドル買い、市場予想よりも低い数値はカナダドル売りの材料となる可能性があることに注目し、トレードチャンスを捉えたい。

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3. 米・中古住宅販売件数(日本時間24時00分)

日本時間24時00分に、米国の11月中古住宅販売件数が発表される。中古住宅販売件数は、米国内で販売された中古住宅の件数を月毎に集計した指標。所有権の移転完了時点で集計されるため、販売成立時点で集計される新築住宅販売件数よりも1~2ヵ月程度の時差が生じやすい。市場予想は415万件。前月の410万件を上回り、3ヵ月連続で増加する見込み。前回10月の結果は8ヶ月ぶりの高水準まで回復。高止まりしていた住宅ローン金利が低下傾向にあることが購入に繋がり、歴史的な低迷が続いた住宅市場に回復の兆候が見え始めている。先行して発表された住宅関連指標も好結果を示しているため、このまま販売件数を持ち直せるか注目したい。

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アナリストワタル

著者:アナリストワタル

FX投資歴20年の実績をもつ為替専業トレーダー。ファンダメンタルズ分析とチャート分析を組み合わせた手法で順張りのコツを掴む。主なトレードスタイルは、順張りスイングトレード。過去には、金融メディアで、FXマーケットアナリストとして為替市場の調査やレポート作成業務の経験あり。

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