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日米重要イベント待ちの様子見相場

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相場レポート

2025.12.17

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2025.12.17

本日のポイント

  1. 独・IFO景況感指数(日本時間18時00分)

  2. 米・要人発言(日本時間22時15分~)

  3. 米・20年国債入札(日本時間27時00分)

東京時間では、明日発表の米消費者物価指数(CPI)や明日から始まる日銀金融政策決定会合を前に積極的な取引に繋がりにくい中、為替市場では米ドル買いが先行した。昨日発表された米雇用統計は弱い結果となったものの、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ期待を高めるほどの材料とはならず、朝方の米ドル/円(USDJPY)は動意の薄い動き。東京勢本格参入後は一時円買いが強まり154.5円まで下押したが、仲値を通過すると下げ止まり、反発の動きを見せた。米10年債利回りや日経株価(JP225)の上昇を背景に米ドル買いが強まると、米ドル/円(USDJPY)は序盤の下げから一転して力強く上昇。欧州朝方にかけて買いの勢いが継続し、155.40円付近まで上値を伸ばした。米ドル買い優勢の地合いとなったため、主要通貨は軒並み対米ドルで下落。特に英ポンドの売りが目立ち、英ポンド/米ドル(GBPUSD)は前日の大幅上昇分の半値以上を戻す動きとなった。金(GOLD)は堅調。NY引け後から徐々に買いが強まり、4,342ドルまで高値を更新した。ビットコイン(BTCUSD)は冴えない動き。為替の米ドル買いが強まったことで売りが先行したものの、NY時間につけた安値8万6,200ドル付近では下値を支えられて下げ止まった。株式市場では、日経株価(JP225)は前日比+0.26%と3日ぶりに反発。寄り付き後にマイナス圏へ下落したものの、前日の米株式市場でナスダック100(US100)が反発したことを背景に半導体関連銘柄の買いが先行。ただ、日銀金融政策決定会合を前にしたポジション調整が優勢となり、売り買い交錯する動きが続いた。本日は欧州時間に英国とドイツの重要指標が予定されており、NY時間はFRB関係者の要人発言が注目されそうだ。今週後半に続く日米の重要イベントを控えて様子見ムードが強まる可能性があることを想定しておきたい。

1. 独・IFO景況感指数(日本時間18時00分)

日本時間18時00分に、ドイツの12月IFO景況感指数が発表される。IFO経済研究所が毎月発表するIFO景況感指数は、ドイツ国内の製造業・建設業・小売業など様々な業種を対象に景況感を調査した指標。現在の景況感を示す現況指数と6ヶ月後の期待を示す景気期待指数がそれぞれ調査され、両指数から総合指数が算出される。市場予想は、現況指数が85.8、景気期待指数が90.5、総合指数が88.2。現況指数のみ前月から小幅に改善する見込みだが、景気期待指数と総合指数はわずかに減速する見込み。昨日発表された関連指標のZEW景況感指数は、景気期待指数が予想以上に上昇し、ドイツ経済の先行きが改善した。一方で現況指数は悪化したため、本日のIFO景況感指数も現況指数が予想外に悪化した場合は、ユーロ売りの材料となる可能性があることに注意したい。

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2. 米・要人発言(日本時間22時15分~)

本日は米連邦準備制度理事会(FRB)関係者の発言に注目したい。日本時間22時15分にウォラー理事、日本時間23時05分にウィリアムズNY連銀総裁、日本時間26時30分にボスティック・アトランタ連銀総裁が発言予定。FRBのパウエル議長の任期満了が2026年5月に迫る中、トランプ米大統領は来年1月初めに次期FRB議長を発表するとの予想が伝わっている。本日講演を行うウォラー理事も以前から次期FRB議長候補として名前が挙がっており、今朝方に米紙が報じた内容によれば、本日17日に次期FRB議長選定にあたってトランプ米大統領と面談を実施する予定。最有力候補とされたハセット米国家経済会議(NEC)委員長がトランプ米大統領との距離が近すぎるということで一部から異論が出ていることもあり、再びウォラー理事ら他の候補の名前が挙がってきた。次期FRB議長候補として注目されやすい状況となるため、ウォラー理事がこれまで通りのハト派姿勢を強調した場合、市場は米ドル売りで反応する可能性があることに注意したい。

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3. 米・20年国債入札(日本時間27時00分)

日本時間27時00分に、米財務省による20年国債入札(130億ドル)が実施される。市場注目度が高い長期国債入札の際は、入札結果によって債券や為替の値動きに影響を与える可能性があることに注意したい。米長期金利の指標となる米10年債利回りは、本日の東京時間で上昇。昨日のNY時間には4.141%付近まで下げ幅を拡大したが、朝方から反発の動きを見せた。米長期金利の上昇に連れて米ドルも素直に買いが先行したが、通常は米金利と反対の動きを示しやすい金(GOLD)も上昇している。最近の金相場は投機的な動きが目立ち、年末にかけて予測しにくい動きが生じる可能性があることに注意が必要。金利との逆相関的な動きは控えめだが、本日の国債入札結果によって債券価格や米ドルに目立った値動きが発生した場合、金(GOLD)の動向にも影響を与える可能性があることを想定しておきたい。

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アナリストワタル

著者:アナリストワタル

FX投資歴20年の実績をもつ為替専業トレーダー。ファンダメンタルズ分析とチャート分析を組み合わせた手法で順張りのコツを掴む。主なトレードスタイルは、順張りスイングトレード。過去には、金融メディアで、FXマーケットアナリストとして為替市場の調査やレポート作成業務の経験あり。

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