2025.07.23
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2025.07.23
米・主要企業の決算発表(日本時間19時00分~)
米・中古住宅販売件数(日本時間23時00分)
米・20年国債入札(日本時間26時00分)
東京時間では、日米関税交渉の合意や石破首相の退陣に関するニュースが相次いで報じられたことを受けて、円相場は方向感の定まらない神経質な動きが続いた。東京勢本格参入前の本日朝方に、トランプ米大統領は自身のSNSで日本との関税交渉で合意したと発表。8月1日から発動する相互関税は、現行の25%から15%へ引き下げられ、自動車関税も15%に引き下げられることが明らかになった。また、トランプ米大統領は日本が米国に対して5,500億ドル(およそ80兆円)を投資し、自動車や農産物などの市場を開放すると発言。日本側が払う犠牲は大きいものの、これまで交渉の進展が見られず厳しい内容での合意が懸念されていただけに、今回の合意はポジティブサプライズと受け取る見方が優勢となった。報道が伝わった直後に円買いが加速し、米ドル/円(USDJPY)は146.90円台から146.20円台まで急落。しかし、株式市場が堅調な動きを示したことで米ドル買いも強まり、下落の勢いは続かなかった。さらに、石破首相が8月末までに退陣する意向であるとの報道が伝わると、市場は円売りで反応。米ドル/円(USDJPY)は147.20円台まで急伸し、欧州通貨やオセアニア通貨も対円で大幅に値を上げた。尚、金融経済懇談会に出席した内田日銀副総裁の発言も伝わったが、市場は特段反応せず無難に通過している。株式市場では、日経株価(JP225)は前日比+3.51%と大幅反発。日米関税交渉が合意したことで、寄り付きから輸出関連銘柄を中心に全面高で上昇した。関税に対する不透明感が払拭されたことや、想定よりも厳しい内容での合意に至らなかったことから素直に買いで反応しており、一時1,400円超の急騰で昨年7月以来1年ぶりの4万1,000円台を回復。方向感が定まらない為替市場とは対照的に、リスクオンの地合いが強まる展開となった。本日は欧州時間前半に目立ったイベントは予定されていないため、NY時間以上の動向が注目される。8月1日の関税発動期限が迫る中、トランプ米大統領から日本との合意内容に触れる発言やEUを始めとした他国との関税協議に関する発言が聞かれた場合、関連通貨や株価が大きく動意づく可能性があることに注意したい。
米国は決算シーズンに突入しており、本日は米株式市場の寄り付き前となる日本時間19時00分頃から引けにかけて、30社以上の決算発表が予定されている。特に注目が集まっているのは、引け後に発表されるテスラ(Tesla)とアルファベット(GOOG)の決算発表。米株式市場を牽引する主要テクノロジー7銘柄「マグニフィセント・セブン」に属する超大型銘柄の決算発表であるだけに、発表後は株価が大きく変動する可能性が高いことを想定しておきたい。米電気自動車(EV)大手のテスラ(Tesla)は、最高経営責任者(CEO)を努めるイーロン・マスク氏の政治関与による不買運動などが大幅な販売減に繋がり、2025年第1四半期(1-3月期)の営業利益は前年同期比66%減の大幅な減益となった。現在はマスク氏とトランプ政権との関与は解消されているが、2025年4-6月期もマスク氏の政治発言等に反発した不買運動が続いており、世界販売数は2四半期連続で落ち込んでいる。また、先月4日に可決されたトランプ米大統領の大規模な減税法案によって、電気自動車(EV)購入時の税控除が9月末に失効することが決定しており、テスラ(Tesla)に大きな打撃を与えることが懸念されている。堅調に上昇を続けるアルファベット(GOOG)の業績見通しと、反対に業績悪化への警戒感が強まるテスラ(Tesla)の決算発表を受けて、S&P500(US500)やナスダック(US100)がどのような反応を示すのか注目したい。
日本時間23時00分に、米国の6月中古住宅販売件数が発表される。中古住宅販売件数は、米国で1ヶ月に販売された集合住宅を含む中古住宅の販売件数を集計した指標。新築住宅販売件数が販売成立時点で集計されるのに対して、中古住宅販売件数は所有権の移転完了時点で集計されるため、新築住宅販売件数よりも1~2ヵ月程度の時差がある。市場予想は400万件。前月の403万件から小幅に減少する見込み。前回5月の結果は予想外に増加したものの、引き続き低調な水準が示された。春シーズンである5月の販売ペースとしては2009年以来の低水準をつけており、住宅ローン金利の高止まりが以前として住宅市場の重しとなっていることが明らかになった。全米不動産協会(NAR)チーフエコノミストのローレンス・ユン氏は「今年後半にかけて住宅ローン金利が下がれば住宅販売数は増加する」と述べており、今週21日にはベッセント米財務長官も「金利を下げれば住宅市場が活性化する」と発言。関税による物価高や不確実性を見極めたい米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げに踏み切れば、住宅市場は徐々に上向いていくとの見方を示した。今回も引き続き低調な結果が維持されるとみられるが、その上で市場予想から上振れた場合は米ドル買い、下振れた場合は米ドル売りの材料となる可能性があることに注意したい。
日本時間26時00分に、米財務省による20年国債入札(130億ドル)が実施される。注目度が高い長期国債入札は、債券価格や金利の動きに影響を与える可能性があることに注意したい。最近の米国債入札は、一時期の米資産離れの懸念が解消され、中期国債入札や長期国債入札で堅調な投資家需要が確認されている。米財務省が今月17日に発表した5月の対米証券投資統計では、外国勢の米国債保有額が前月を上回り、3ヵ月連続で増加したことが明らかになった。米国債保有国第3位の中国が売却を進める一方で、第1位の日本と第2位の英国がともに過去最高の保有額を記録。米国株や米ドルにも流出した資金が戻っており、再び米資産が堅調に推移する傾向が見られている。本日の20年国債入札が堅調な結果となれば、債券価格の上昇による金利低下で米ドル売り、反対に低調な結果となれば債券価格の低下による金利上昇で米ドル買いが生じる可能性があることに注目したい。
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