2025.06.23
2025.06.23
欧米・製造業PMI/サービス業PMI(日本時間16時15分~)
米・中古住宅販売件数(日本時間23時00分)
米・要人発言(日本時間23時00分~)
週明けの東京時間では、週末に中東情勢が悪化した影響から有事の米ドル買いが加速する地合いとなった。先週21日、トランプ米大統領は米軍がイランの核施設3カ所への攻撃を実行したと発表。週末にも攻撃が開始されるとの報道から一旦猶予が与えられていた状況だっただけに、サプライズ感から大幅な米ドル高でスタートした。米ドル/円(USDJPY)は大きく上窓を開けた状態から窓埋めの動きで一時146.10円台まで下落したものの、東京勢参入後に買いが加速。円売りも相まって上昇の勢いが強まり、5月15日以来となる147円台まで上値を伸ばした。米ドル/円(USDJPY)に連れてクロス円も大幅上昇。ドルストレートは全般米ドル買い優勢となったものの、欧州通貨買いが徐々に強まった影響でユーロ/米ドル(EURUSD)や英ポンド/米ドル(GBPUSD)は下げ渋った。オセアニア通貨は軟調。豪ドル/米ドル(AUDUSD)とNZドル/米ドル(NZDUSD)は下げ幅を拡大し、豪ドル/円(AUDJPY)とNZドル/円(NZDJPY)は円売りと相殺されて方向感のない動きとなった。リスク警戒の動きから、金(GOLD)は3,398ドルまで大幅上昇してスタート。WTI原油(OIL)も1バレル=77ドル台に急騰して始まり、徐々に落ち着いた動きとなった。株式市場では、日経株価(JP225)は前週末比-0.13%と続落。先週末の米株式市場で、米政府が対中半導体規制強化を伝えたことで半導体関連株が急落したことから、東京市場でも半導体関連銘柄の下げが目立つ動き。中東情勢の緊迫化でリスク回避の動きが加速したが、為替市場が大幅な米ドル高・円安で推移していることを好感し、徐々に下げ渋る動きとなった。本日は欧州時間序盤からNY時間にかけて欧米各国の製造業PMI/サービス業PMIの発表が予定されている。週明けの東京時間では中東情勢の悪化を受けた米ドル買いの動きが進行したため、海外時間で流れに変化が生じるか注目したい。
本日は欧米各国の6月製造業PMI/サービス業PMIの速報値が発表される。欧州時間では、日本時間16時15分にフランス、日本時間16時30分にドイツ、日本時間17時00分にユーロ圏、日本時間17時30分に英国が発表予定。NY時間では、日本時間22時45分に米国の発表が予定されている。製造業PMIとサービス業PMIは、各国の製造業とサービス業の購買担当者の景況感を調査した指標。景況感の分岐点となる50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断される。今回の市場予想では、欧州各国は製造業PMIとサービス業PMIがともに前回値を上回る見込み。米国はいずれも減速が見込まれている。ユーロ圏は5月にサービス業PMIが50を割り込んだものの、6月は再び景況分岐点を上回る水準まで回復することが予想されている。製造業PMIも徐々に改善しており、50を下回るものの堅調な推移が見込まれる。速報値は市場注目度が高いため、市場予想からの乖離が大きい場合は大幅な値動きになる可能性があることに注意したい。
日本時間23時00分に、米国の5月中古住宅販売件数が発表される。全米不動産協会(NAR)が毎月発表する中古住宅販売件数は、米国で1ヶ月内に販売された集合住宅を含む中古住宅の販売件数を調査した指標。所有権の移転完了時点での集計となるため、販売成立時点で集計される新築住宅販売件数よりも1~2ヵ月程度の時差が生じる。市場予想は395万件。前回の400万件を下回り、4ヶ月連続で減少する見込み。前回4月の結果は、住宅需要の増加や住宅ローン金利の一時低下が見られたが、予想外の低水準となった。販売在庫が増えた一方で値ごろ感のある物件が不足していることや、新築住宅の供給が3ヶ月連続で拡大していることが要因と考えられる。市場予想通りとなれば昨年10月ぶりに400万件を下回る水準となるため、住宅市場の先行きが懸念される。指標発表後は米ドルの値動きが活発になる可能性があるため、米ドル/円(USDJPY)の動向を注視したい。
本日は米連邦準備制度理事会(FRB)関係者の発言に注目したい。日本時間23時00分にボウマンFRB副議長、日本時間26時10分にグールズビー・シカゴ連銀総裁、日本時間27時30分にクーグラーFRB理事とウィリアムズNY連銀総裁の発言が予定されている。FRBは先週開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)で4会合連続となる政策金利の据え置きを決定。同時に発表されたFOMCメンバーによる最新の経済見通し(SEP)では、年内2回の利下げを中央値として、0回が7名、1回が2名、2回が8名、3回が2名と、FRB関係者の間で見通しが分かれる結果となった。特に0回と予想するメンバーが前回の4名から7名へと増加したことから、年内の利下げが難しいと考えるメンバーが多いことが示された。次回7月会合も据え置きの公算が高いが、市場では9月会合では利下げを実施するとの見方が優勢。今後の金融政策の見通しについてFRB関係者の見解が分かれる可能性があるため、注意深く発言を確認したい。
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