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米・消費者物価指数と財政収支に注目

米・消費者物価指数と財政収支に注目

米・消費者物価指数と財政収支に注目
相場レポート

2025.06.11

NEW

2025.06.11

本日のポイント

  1. 米・消費者物価指数(日本時間21時30分)

  2. 米・週間原油在庫(日本時間23時30分)

  3. 米・月次財政収支(日本時間27時00分)

東京時間では、方向感のない動きの中でややリスク回避の地合いとなった。ロンドンで昨日行われた2日目の米中貿易協議で、「今月5日の米中首脳の電話会談での合意と、5月にスイスのジュネーブで開かれた閣僚級協議での合意を実行するための枠組みに合意した」と両国の交渉団が明らかにしたことを受けて、米ドル/円(USDJPY)は朝方に一時145円台まで強含み。円売りが強まったことで、クロス円も全般連れ高となった。しかし、米国際貿易裁判所が下したトランプ関税の差し止め命令の一時停止について、米連邦高裁が関税措置を当面継続することを認めたことが報じられると動きが一変。関税撤廃への期待感が後退し、リスク回避の円買いが強まった。米ドル買いが徐々に強まったことで、主要国通貨は対米ドルで売り優勢。オセアニア通貨が弱含んだため、特に豪ドル/米ドル(AUDUSD)とNZドル/米ドル(NZDUSD)での下げが目立った。ビットコイン(BTCUSD)は11万ドルを挟むもみ合い。朝方に前日高値に迫る勢いで11万ドル台に乗せたものの、すぐに失速し10万9,000ドル台での小幅推移が続いた。株式市場では、日経株価(JP225)は前日比+0.55%と4日続伸。買い先行で寄り付いたものの、時間外の米株先物が下落したことで徐々に上昇幅を縮小。後場では手掛かり難でもみ合いが続く中、引けにかけて持ち直しプラス圏で取引を終えた。本日はNY時間序盤に米国の消費者物価指数(CPI)の発表を控えているため、ロンドン時間前半は様子見ムードが強まることが予想される。また、米中貿易協議はジュネーブ合意実行の枠組みで合意することが明らかとなったが、両国の対立が解消される状況には至っていないため、引き続き通商協議の行方を注視したい。

1. 米・消費者物価指数(日本時間21時30分)

日本時間21時30分に、米国の5月消費者物価指数(CPI)が発表される。CPIは、米国の消費者が購入する商品やサービスの価格変動を測定し、指数化した指標。米労働省労働統計局(BLS)が毎月発表しており、米国のインフレ率の動向を探るうえで重要度が高い。市場予想は、前月比0.2%、前年比2.4%。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は、前月比0.3%、前年比2.9%。ともに前月比は前回値から横ばい、前年比は0.1%の上昇が見込まれている。米国のCPIは直近数か月間で鈍化傾向にあり、前回4月の結果は予想を下回る伸び率で約4年ぶりの低水準となった。関税による価格上昇は予想ほど反映されておらず、物価への影響が顕著に表れるのは5月以降とみられている。先週発表された5月の雇用統計でも労働市場の底堅さが示されたため、今回のCPIが市場予想通りとなれば、利下げ停止で関税の影響を見極めたい米連邦準備制度理事会(FRB)の姿勢を後押しする結果となりそうだ。ただし、一部の金融関係者は市場予想を下回る可能性を指摘しているため、予想を下振れた場合の米ドル売りリスクにも備えておきたい。

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2. 米・週間原油在庫(日本時間23時30分)

日本時間23時30分に、米国の原油在庫が発表される。原油在庫は、米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)が米国内で保有する商業用原油量を調査した指標。毎週水曜日に前週金曜日時点のデータが公表される。原油在庫量の増加は需要の低迷、減少は需要の拡大を意味し、需給の変化が景気動向を見極める材料の1つとして判断される。WTI原油(OIL)は、米中貿易協議への期待感から昨日のNY時間に1バレル=66ドル台まで上昇したものの、上昇一服後は64ドル台まで下落。アジア時間では貿易協議への反応は一旦落ち着きを見せており、中国での需要低迷やOPECプラスの増産などが再び原油相場の重しとなっている。一部では前回分から約200万バレルの減少が予想されているため、原油在庫の減少で需要の拡大が示された場合はWTI原油(OIL)の買いが強まる可能性があることに注目したい。

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3. 米・月次財政収支(日本時間27時00分)

日本時間27時00分に、米国の5月財政収支が発表される。月次で発表される財政収支は、連邦政府の収入と支出の差額を算出した指標。マイナスとなれば財政赤字、プラスとなれば財政黒字を示す。市場予想は、-3,145億ドルの赤字が見込まれている。前回4月は、関税収入が急増したことで2,584億ドルの黒字となった。全ての国と地域に課した一律10%の関税や中国に対する145%の高率関税が要因であり、1日当たりの関税徴収額は5億ドル超とみられている。しかし、先月12日にスイスのジュネーブで開かれた米中の閣僚級協議で相互に発動した関税を115%引き下げることに合意しているため、5月は関税による収入が大幅に減少する可能性が高い。米国の財政収支に関しては、支出削減を目指したイーロン・マスク氏と財政赤字を拡大させる可能性が高い減税法案を打ち出したトランプ米大統領の間で確執を生んだことでも注目される。予想よりも赤字幅が拡大していなければ米ドル買い、予想以上の赤字となれば米ドル売りの材料と判断される可能性があることに注意したい。

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アナリストワタル

著者:アナリストワタル

FX投資歴20年の実績をもつ為替専業トレーダー。ファンダメンタルズ分析とチャート分析を組み合わせた手法で順張りのコツを掴む。主なトレードスタイルは、順張りスイングトレード。過去には、金融メディアで、FXマーケットアナリストとして為替市場の調査やレポート作成業務の経験あり。