2025.05.20
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2025.05.20
欧・要人発言(日本時間19時00分)
加・消費者物価指数(日本時間21時30分)
米・要人発言(日本時間22時00分~)
東京時間では、オーストラリア準備銀行(RBA)の政策金利発表を受けて豪ドル売りが加速した。RBAは、市場予想通り政策金利を4.10%から3.85%へ引き下げることを発表。年内の経済成長見通しとインフレ見通しがどちらも大幅に引き下げられ、トリム平均値でのインフレ見通しも低下、失業率見通しは悪化すると発表されたことから豪ドル売りが強まった。また、ブロックRBA総裁の記者会見では追加利下げの可能性についても言及があり、今回の会合では据え置きと利下げの議論が交わされたことや、大幅利下げについても議論されたことが明らかになった。これを受けて、豪ドル/円(AUDJPY)は92.50円台まで急落し、今月8日以来となる安値更新。豪ドル/米ドル(AUDUSD)も下げ幅を拡大し、0.6400ドル付近まで下落した。円買い優勢の動きとなったことから、米ドル/円(USDJPY)も売り優勢で下落。午前に加藤財務相が今週開催予定の日米財務相会談で「ベッセント米財務長官との会談を調整中」と発言すると一時売りが加速したが、正午頃にベッセント米財務長官が欠席の見通しであることが伝わるとやや反発。しかし、その後は対豪ドルで円買いが強まったことから円全面高の動きとなり、米ドル/円(USDJPY)に連れてクロス円も揃って売り優勢で推移した。株式市場では、日経株価(JP225)は前日比+0.08%と5日ぶりに反発。前日の米国株が底堅い動きを示したことで、寄り付きは買いが先行。後場では材料不足から伸び悩む動きとなったが、小幅マイナスで着地した。本日は重要度の高い欧米各国の経済指標発表が予定されていないため、金利や株価の動向、要人発言などを手掛かりに市場の動向を見極める展開が予想される。日米財務相会談を前に円相場は神経質な動きを示す可能性があるため、関連ヘッドラインには注意したい。
日本時間19時00分に、クノット・オランダ中銀総裁と欧州中央銀行(ECB)のチポローネ専務理事の発言が予定されている。約2週間後に迫るECB理事会を前に、金融当局者らの発言から利下げの可能性について探りたい。現時点で6月会合では利下げの可能性が高いとみられているが、ECBの関係者の間では見解が分かれている。タカ派メンバーのシュナーベル専務理事は利下げ停止の必要性を訴えており、中期的なインフレ上昇リスクの抑制のため利下げに慎重な姿勢を維持すべきであると主張。また、カザークス・ラトビア中銀総裁はデータ次第で6月会合での利下げもあり得ると述べる一方で、利下げを急ぐ必要はないとの見解を示した。ミュラー・エストニア中銀総裁も昨日のインタビューで利下げを急がない考えを述べており、6月会合での利下げ観測や今後の利下げ見通しについて注目が集まっている。ECB関係者の発言から利下げ期待が高まればユーロ買い、利下げ期待が後退すればユーロ売りで反応する可能性があることに注意したい。
日本時間21時30分に、カナダの4月消費者物価指数(CPI)が発表される。CPIは、カナダ国内で消費者が購入する商品やサービスの価格変動を測定した指標。カナダ国内のインフレ動向を把握する上で重要度が高く、カナダドルの値動きに大きな影響を与える可能性が高い重要指標として注目される。市場予想は、前月比が-0.2%、前年比が1.6%。いずれも前回値を下回り、2ヵ月連続で伸び率が鈍化する見込み。前回3月の結果では、関税による世界的な景気後退懸念から原油価格が大幅に下落したことが減速の要因となった。欧米各国では4月のCPIでもエネルギー価格が押し下げ要因となっており、今回のCPIが市場予想を下回る結果となれば次回6月会合での利下げ期待が高まる可能性がある。指標発表後のカナダドル/円(CADJPY)や米ドル/カナダドル(USDCAD)の値動きに注目したい。
本日は米連邦準備制度理事会(FRB)関係者の発言が数多く予定されている。日本時間22時00分にボスティック・アトランタ連銀総裁とバーキン・リッチモンド連銀総裁、日本時間22時30分にコリンズ・ボストン連銀総裁、日本時間26時00分にムサレム・セントルイス連銀総裁が発言予定。また、21日早朝となる日本時間6時00分にクーグラーFRB理事の発言が予定されている。ボスティック総裁は昨日のインタビューで、関税による不確実性が落ち着くまでは3~6ヵ月ほど待つ必要があると発言。6月会合と7月会合では利下げを見送る可能性があることを示唆し、年内の利下げ回数は1回にとどまる可能性があるとの見方を示した。市場では、次回の利下げ時期は9月以降となる見方が優勢であり、年内の利下げ回数は2回を見込んでいる。市場の期待よりもFRBの利下げ見通しが後退した場合、米ドル買いの材料と判断される可能性があることを想定しておきたい。
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