2025.05.15
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2025.05.15
米・小売売上高(日本時間21時30分)
米・生産者物価指数(日本時間21時30分)
米・パウエルFRB議長の発言(日本時間21時40分)
東京時間では、来週予定されている日米財務相会談での為替協議を前に警戒感が広がり、円買いが加速した。昨日の海外時間では、今月5日に米韓の為替協議が開かれたことが明らかになり、対ドルで韓国ウォンや円が急伸。日米は来週カナダで開かれるG7財務相・中央銀行総裁会議の際に再び加藤財務相とベッセント米財務長官の会談が予定されており、米韓の為替協議が伝わったことで円安是正への警戒感が高まった。米ドル/円(USDJPY)は東京勢参入後に売りが加速し、仲値にかけて下げ幅を拡大。円安是正に関する議論が行われるとの警戒感から買い方向には動きにくく、下げ一服後も反発することなく146円付近でのもみ合いが続いた。円全面高の動きから、クロス円も揃って下落。株式相場が軟調に推移したことも重しとなり、朝方から東京時間午後にかけて下げ止まることなく安値を切り下げた。豪ドルは午前に発表された4月の豪雇用統計が好結果となったことで一時買いが先行するも、すぐに売りへと転じて下落。豪ドル/米ドル(AUDUSD)は指標発表直後に0.6450ドル台まで急伸したものの、買いの勢いが続かず上昇幅以上の下落へと転じた。米中の貿易協議の進展から楽観的な見方が広がったことで、金(GOLD)は連日下落。3,200ドル付近のサポートを下抜け、4月10日以来となる3,120ドル台まで下げ幅を拡大した。株式市場では、日経株価(JP225)は前日比-0.98%と続落。寄り付きは前日比で300円近く下落して始まり、その後も売り優勢で一時400円超まで下げ幅を拡大。急激に買いが加速したことへの過熱感や為替市場の円高への警戒感が重しとなり、マイナス圏で取引を終えた。本日は重要度が高い米経済指標の発表が数多く予定されているため、NY時間以降の値動きに注意したい。
日本時間21時30分に、米国の4月小売売上高が発表される。小売売上高は、米国の小売業の売上高を月毎に測定した指標。米国の国内総生産(GDP)の約7割を示す個人消費の動向が確認できる重要指標であるため、米ドルの値動きに影響を与える可能性が高い。市場予想は前月比0.0%。変動が大きい自動車を除いた数値は前月比0.3%。いずれも上昇幅が増加した前月から減速する見込み。前回3月の結果は、関税発動前の駆け込み需要の影響で自動車を中心に購入が急増。約2年ぶりの大幅増となった。4月の小売売上高は関税による物価高の影響がまだ限定的であると考えられることから、個人消費の落ち込みによる伸び鈍化の可能性も予想される。駆け込み需要が落ち着き前回値からほぼ横ばいが予想されているが、市場予想よりも弱い結果となった場合は米ドル売り、強い結果となった場合は米ドル買いの材料と判断される可能性があることに注意したい。
日本時間21時30分に、米国の4月生産者物価指数(PPI)が発表される。PPIは、米国内の製造業者が販売した商品やサービスなどの価格変動を測定した指標。米労働省労働統計局(BLS)が毎月発表しており、消費者物価指数(CPI)とともに米国のインフレ動向を示す重要指標として注目度が高い。市場予想は、前月比が0.2%、前年比が2.5%。変動が激しい食品やエネルギーを除いた数値は、前月比が0.3%、前年比が3.1%。いずれも先月比では前回値からの伸びが見込まれており、前年比は横ばいと予想されている。3月の物価動向は、CPIとPPIがともに予想値を下回り、関税発動前の物価の落ち着きを示す結果となった。4月の結果は自動車関税や相互関税が発動されて以降最初のデータとして注目が集まっているが、13日に発表された4月のCPIは予想ほど強い結果とはならず、関税の影響はまだそれほど広範囲に及んでいないことが示唆された。米連邦準備制度理事会(FRB)の据え置きの見通しは変わらないとみられるが、CPIと同様に予想よりも弱い結果が示されれば、市場は米ドル売りで反応する可能性があることに注意したい。
日本時間21時40分に、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長がFRB主催のカンファレンスに出席する。金融政策がテーマの講演となるため、今後のFRBの金融政策スタンスや利下げ見通しへの言及があるか注目したい。FRBは今月6-7日に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)で3会合連続の据え置きを決定。パウエル議長は記者会見で金利調整を急がないとの意向を示し、関税がインフレ率と失業率の上昇を加速させるリスクがあると述べた。FRBが注視するインフレ率については、4月の消費者物価指数(CPI)が予想を下回る結果となったが、シカゴ連銀のグールズビー総裁が「必ずしも関税の影響を反映していない」と指摘。引き続きあらゆるデータを注視する姿勢が維持されると受け取られ、次回6月会合での利下げ期待が後退する動きとなった。FRBのスタンスは大きく変わらないと予想されるが、パウエル議長が改めて利下げを急がない姿勢を強調した場合は、米ドル買い材料と判断される可能性があることを想定しておきたい。
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