2025.05.12
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2025.05.12
英・要人発言(日本時間17時00分~)
米・要人発言(日本時間23時25分)
英・ロンドンフィックス(日本時間24時00分)
週明けの東京時間では、週末に開催された米中貿易協議の進展期待から、大幅な米ドル高・円安の動きでスタートした。10-11日にスイスのジュネーブで開かれた米中の閣僚級協議に参加したベッセント米財務長官は、「大きな進展があった」と発言。本日12日の日本時間16時頃より詳細発表の記者会見を開くことが明らかになり、市場の期待感が拡大した。週末に米中貿易摩擦の緩和期待が高まったことから、米ドル/円(USDJPY)は大きく上窓を開けた状態で取引開始。本日予定されている記者会見の内容を見極めたいという思惑から、大幅に買いが先行する場面はみられなかったものの、4月10日以来となる高値更新で底堅い動きが続いた。クロス円も揃って大幅上昇からのスタート。米ドル/円(USDJPY)と同様に様子見の動きが優勢となり、方向感なく推移した。欧州通貨は対ドルで弱含み。ユーロ/米ドル(EURUSD)と英ポンド/米ドル(GBPUSD)は前週末の終値から大きく下落した状態で始まり、下げ幅分を取り戻すことなく小幅な横ばいとなった。金(GOLD)は下落。米中貿易協議への期待感やインドとパキスタンの停戦合意報道が市場のリスク警戒感を後退させ、売り優勢で下げ幅を広げた。アジア株は、米中の共同声明を前にやや警戒感が高まる動き。香港ハンセン指数(HK50)や豪ASX200(AUS200)は買い優勢で始まったものの、協議の詳細が明らかになる前に積極的な買いには繋がらず、徐々に失速した。国内株式市場では、日経株価(JP225)は前週末比+0.38%と3日続伸。序盤は買い優勢で始まったものの、3万7,700円台を付けた後は上げ幅を縮小。トランプ米大統領が本日の日本時間22時頃に処方薬や医薬品の価格引き下げを義務付ける大統領令に署名することが明らかとなり、医薬品関連銘柄が軟調に推移したことが相場の重しとなった。本日は欧州時間序盤に予定されている米中共同声明の結果を受けて、市場がどのように反応するのか見極めたい。トランプ米大統領が対中関税は80%が妥当であると述べていたことから、80%を下回れば市場の期待感がさらに加速する可能性がある。一方で、やや期待感がやや先行しているとの見方もあるため、予想ほど大きな進展が見られなければ期待買いの動きに調整が入る可能性があることも想定しておきたい。
本日は複数のイングランド銀行(BOE)英中銀金融政策委員会(MPC)関係者の講演が予定されている。欧州時間午前となる日本時間17時00分にロンバルデッリBOE副総裁、日本時間19時30分にグリーンMPC委員が講演予定。両者は今月8日に開かれた会合で0.25%の利下げを支持している。欧州時間午後となる日本時間21時50分にマンMPC委員、日本時間25時00分にテイラーMPC委員が講演予定。マンMPC委員は据え置きを支持、テイラーMPC委員は0.50%の大幅利下げを支持している。マンMPC委員と同じく据え置きを主張したピルMPC委員は9日の講演で「関税発動を受けて英経済に大きな変化は見られない」と発言。賃金上昇によるインフレ上昇リスクへの警戒感を示し、利下げに慎重な考えを述べた。本日のマンMPC委員の講演でも同様の見解が示されるのか注目される。また、MPCのタカ派メンバーの1人であるグリーンMPC委員は先月の講演で金利を維持する必要性について述べており、今回の会合では0.25%の利下げを支持している。今回の会合で利下げを主張したことへの見解や今後の利下げ見通しについて言及があるか注目したい。
日本時間23時25分に、米連邦準備制度理事会(FRB)のクーグラー理事が経済見通しについての講演を行う。米経済の見通しや今後の利下げペースについてどのような見解が示されるのか注目したい。クーグラーFRB理事は米連邦公開市場委員会(FOMC)後となる9日の講演で、米国の労働市場の安定性について言及。雇用の底堅さは「FRBが目標とする最大雇用に近い状態」であると述べ、米経済が安定しているとの認識を示した。また、金利は当面据え置くべきであるとの見解を示し、利下げに慎重な姿勢を表明。実体経済が底堅いことから、インフレ抑制に注力するための時間的余裕があると述べた。また、同日に行われたバーFRB理事の講演でも、不確実性が明らかになるまでは金利を据え置くことが適切であるとの見方が伝わり、様子見姿勢を維持する時間があると述べられた。FRBは当面の間は現状維持に徹する可能性が高いが、次回6月会合での利下げの可能性や年内の利下げサイクルの見通しについて新たな言及があるか注目したい。
日本時間24時00分頃は、ロンドンフィックス(ロンドンフィキシング)に関連した値動きに注意したい。ロンドンフィックスとは、ロンドン市場における金融機関の対顧客向け外貨取引の基準レートを決定する時間帯のことを指す。東京市場における仲値(日本時間9時55分)に相当し、この時間帯にはユーロや英ポンドなどの欧州通貨の取引が活発になることが特徴。ロンドンフィックスでは東京仲値のように米ドル買い・円売りのような方向性のあるフローは存在せず、相場状況に応じて買いや売りの一方に大きく価格が動くケースが多い。短時間で価格が大きく変動する場合があるため、短期トレードで効率的に利益を狙いたい。また、ロンドンフィックスでは金(GOLD)の現物取引レートも決定するため、金(GOLD)の売買が活発になる傾向がある。短期トレードで値幅を狙いやすいタイミングであるため、値動きが生じた方向への順張りで効率的に利益を獲得したい。
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