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米中貿易交渉を控えた様子見姿勢に警戒

米中貿易交渉を控えた様子見姿勢に警戒

米中貿易交渉を控えた様子見姿勢に警戒
相場レポート

2025.05.09

NEW

2025.05.09

本日のポイント

  1. 英・要人発言(日本時間17時40分~)

  2. 米・要人発言(日本時間18時55分~)

  3. 加・雇用統計(日本時間21時30分)

東京時間では、円買い優勢。米ドル/円(USDJPY)は前日の大幅上昇への反動で上値が重く、146円台に乗せると売り圧力に押されて安値を切り下げた。仲値にかけて売りが加速すると145.60円台まで下落。仲値通過後に一旦は持ち直したものの、徐々に米ドル売りの動きも強まり、145円台前半まで下押した。円買いが強まったため、クロス円も揃って下落。売りが目立ったNZドルは対円で下げ幅を拡大した。動意に繋がる材料が伝わらなかったこともあり、主要国通貨は対ドルで方向感のない動きが継続。ユーロ/米ドル(EURUSD)と豪ドル/米ドル(AUDUSD)は小幅に高値を切り上げる動きとなった。金(GOLD)は下げ一服で反発。3,280ドル付近で一転して買いが強まると、前日終値を上抜けて上昇へと転じた。ビットコイン(BTCUSD)は底堅い。朝方に今年1月以来となる10万4,000ドル台に乗せ、上昇一服後も値を下げることなく小幅な調整の動きが続いた。アジア株は、明日から開催される米中貿易交渉を前に様子見姿勢を維持。期待感よりも警戒感が意識され、香港ハンセン指数(HK50)や豪ASX200(AUS200)は小幅高での推移にとどまった。国内株式市場では、日経株価(JP225)は前日比+1.56%と続伸。寄り付きは大幅上昇で始まり、前日の米株高や米英貿易交渉合意を好感して買いが加速。半導体関連株や自動車株、銀行株など幅広い銘柄で買いが強まり、相場を押し上げた。本日の海外市場では、欧・英・米の要人発言が数多く予定されている。政策金利発表直後となる米国と英国の要人発言には特に注目したい。また、明日からスイスで開かれる米中貿易交渉を前に、様子見ムードが広がる展開が予想される。週末のポジション調整の動きに注意し、為替や株価の動向を見極めたい。

1. 英・要人発言(日本時間17時40分~)

本日はイングランド銀行(BOE)関係者の発言に注目したい。日本時間17時40分にベイリーBOE総裁、日本時間20時15分にピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員の発言が予定されている。BOEは昨日、市場予想通り政策金利を4.50%から4.25%へ引き下げることを発表。欧州中央銀行(ECB)に続き、関税による景気後退懸念の高まりから利下げに踏み切る方針を示した。全会一致であればハト派スタンスと受け取られる可能性があったが、投票メンバーのうち5名が0.25%の利下げ、2名が0.50%の大幅利下げ、2名が金利据え置きを支持したことが明らかとなり、投票メンバー内でも意見にばらつきが生じたことがわかった。本日発言予定のベイリーBOE総裁は0.25%の利下げを支持し、ピルMPC委員は金利据え置きを支持している。昨日発表された米英貿易協定への見解も含め、今後の金融政策や経済見通しについてそれぞれどのような見解を示すのか注目したい。

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2. 米・要人発言(日本時間18時55分~)

本日は米連邦準備制度理事会(FRB)関係者の発言が数多く予定されている。6-7日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)を終えて、ブラックアウト期間明けのFRB関係者が金融政策についてどのような見解を示すのか注目したい。NY市場開始前には、日本時間18時55分にバーFRB理事、日本時間19時45分にクーグラーFRB理事が発言予定。NY時間以降では、日本時間21時30分にウィリアムズNY連銀総裁、日本時間23時00分にグールズビー・シカゴ連銀総裁、日本時間24時30分にウォラーFRB理事の発言が予定されている。今回のFOMCでは政策金利の据え置きが決定され、米経済の底堅さから利下げを急がず状況を見極めるとの姿勢が示された。パウエルFRB議長の記者会見でも金利調整を急がない意向が示され、次回6月会合での利下げ期待が後退。発表後に市場は米ドル買いで反応した。本日もFRB関係者から利下げに慎重な見解が示された場合、米ドル/円(USDJPY)の買い材料と判断される可能性があることを想定しておきたい。

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3. 加・雇用統計(日本時間21時30分)

日本時間21時30分に、カナダの4月雇用統計が発表される。カナダの雇用統計は、カナダ国内で新規雇用された人数の増減を測る新規雇用者数や、労働人口に占める失業者の割合を測る失業率など、複数指標で構成される。労働市場の動向を確認する上で注目度が高く、カナダ中央銀行(BOC)が金融政策の判断に利用する重要指標の1つである。市場予想は、新規雇用者数が0.50万人、失業率が6.8%。新規雇用者数は前月比で大幅に減少した3月からやや持ち直すとみられているが、失業率は前回値を上回り、3ヵ月連続で悪化する見込み。カナダ経済は、米国による関税の影響が広範囲に及んでいる。企業にのしかかる不確実性の影響で失業者が新たな職を見つけることが困難となっており、雇用者数の伸び率鈍化や失業率の上昇が顕著に表れている状況。労働市場の更なる悪化が示された場合、BOCの次回6月会合での利下げ期待が高まり、カナダドル売りが加速する可能性があることに注意したい。

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アナリストワタル

著者:アナリストワタル

FX投資歴20年の実績をもつ為替専業トレーダー。ファンダメンタルズ分析とチャート分析を組み合わせた手法で順張りのコツを掴む。主なトレードスタイルは、順張りスイングトレード。過去には、金融メディアで、FXマーケットアナリストとして為替市場の調査やレポート作成業務の経験あり。