2025.04.21
2025.04.21
米・要人発言(日本時間21時30分)
欧・要人発言(日本時間23時00分)
米・景気先行指数(日本時間23時00分)
東京時間では、日本以外の多くの市場が休場となる中、トランプ政権が招く世界経済の混乱への警戒感が強まり米ドル安が大幅に進行した。米ドル/円(USDJPY)は本日始値の142.00円付近から140.60円台まで約1.4円の下落。今月24日に米ワシントンで開かれる会談で円安・米ドル高についての為替問題も取り上げられる可能性があることから円買いの動きも強まっており、昨年9月18日以来となる140円台まで下押した。ユーロが堅調に推移したことで、ユーロ/米ドル(EURUSD)も大幅に上昇。上値を抑えていた1.1400ドル付近のレジスタンスを上抜け、1.1530ドル台まで急伸。2021年11月以来となる高値更新となった。米ドル全面安の動きから、ドルストレートは対ドルで買い優勢。ドルインデックス(USDX)は2022年3月以来の安値となる97.80台まで売りが加速した。金(GOLD)は再び最高値を更新。米ドル売りの加速やリスク回避の動きから需要が高まり、朝方から3,392ドルまで上値を伸ばした。ビットコイン(BTCUSD)も大きく買われて8万7,000ドル台を回復。ーサリアム(ETHUSD)やリップル(XRPUSD)などのアルトコインも揃って上昇した。株式市場では、日経株価(JP225)は前週末比-1.30%と反落。為替市場で大幅な円高の動きに振れていることを嫌気し、序盤から売りが先行。リスク回避の動きから先週上昇した銘柄への利益確定売りが相次ぎ、相場を押し下げた。本日はイースターマンデーで欧州の多くの国が引き続き休場となるため、欧州時間前半は動意の薄い展開が予想される。米国は通常通りの営業となるが、再び米ドル・米株・米債券の売りが加速するトリプル安の地合いになりつつあるため、流動性が低下している状況でリスク回避の動きが強まった際の変動リスクに注意したい。
日本時間21時30分に、グールズビー・シカゴ連銀総裁の発言が予定されている。グールズビー総裁は20日に出演したテレビ番組で、金融政策の政治的干渉からの独立性について主張。トランプ米大統領が米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の解任を検討することを明らかにしたことで両者が対立しており、FRBの独立性が失われることへの抗議の意を述べた。関税政策による持続的なインフレ抑制のために利下げを停止したパウエル議長に対して、利下げを進めたいトランプ米大統領の苛立ちが強まっている。パウエル議長は来年5月の任期満了まで退任しない意向を表明しており、金融関係者らの間でもパウエル議長の退任は経済に更なる混乱を招きかねないと警戒感が増している状況。トランプ米大統領とFRBとの間の溝が深まったことが米ドル売り圧力に繋がっているため、今後更なる対立が生じた際の米ドル/円(USDJPY)の下落リスクに警戒しておきたい。
日本時間23時00分に、センテノ・ポルトガル中銀総裁イベントに出席予定。欧州中央銀行(ECB)は先日6会合連続での利下げを決定しており、市場の注目は次回6月会合での利下げの可能性に焦点が向けられている。ラガルド総裁は政策金利発表後の記者会見で欧州各国の景気後退懸念が強まっていることを述べ、全会一致で利下げが適切との判断に至ったことを明らかにした。今回の会合では利下げ停止から0.50%の大幅利下げまで様々な可能性について議論が交わされており、現時点では今後の会合でも0.25%の追加利下げが継続していくとみられている。為替市場では米ドル安の進行でユーロ/米ドル(EURUSD)の押し上げ圧力が強まっているが、ユーロ圏の景気悪化懸念が示唆された場合や連続利下げの可能性が強まった場合はユーロの動向に影響を与える可能性があることに注意したい。
日本時間23時00分に、米国の3月景気先行指数が発表される。景気先行指数は、米国の民間調査会社のコンファレンスボードが景気に先行して動くとされる10項目の指標から算出した指数。最もウェイトが高いマネーサプライの他に、受注・株価・週平均労働時間などの項目が含まれる。市場予想は-0.5%。前月の-0.3%からの低下が見込まれている。米国の景気先行指数は、消費者マインドと同様に昨年末頃から徐々に悪化しつつあり、関税による景気後退懸念が高まっている。景気の先行きや転換点を確認できる先行指数であるため、指標発表後に米ドルがどのような反応を示すのか注目したい。
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