2025.03.21
2025.03.21
加・小売売上高(日本時間21時30分)
米・要人発言(日本時間21時30分~)
米・NYオプションカット(日本時間23時00分)
東京時間では、円全面安の動き。本邦の2月全国消費者物価指数(CPI)が、前年比で市場予想の2.9%を上回る3.0%と発表されたことで、一時は円買いが加速。朝方に米ドル/円(USDJPY)は148.60円付近まで下押したが、その後は仲値にかけて押し目買いの動きが強まり急反発した。仲値通過後に一旦上昇の勢いが落ち着いたものの、米10年債利回りが4.25%で高止まりしたことで米ドル/円(USDJPY)は再び買戻しが加速。対主要国通貨で円が全面売られる展開となり、クロス円は揃って上値を伸ばした。欧州通貨はやや軟調。米ドルが対円で強含んだため、ユーロ/米ドル(EURUSD)と英ポンド/米ドル(GBPUSD)は売り圧力が強まった。金(GOLD)も売り優勢。東京時間序盤から下げ幅を広げ、前日安値を下抜けて一時3,021ドル台まで下押した。株式市場では、日経株価(JP225)は前営業日比-0.20%と続落。前日の米株安を受けてマイナスで寄り付いたが、為替市場での円安を好感しプラスへ転換。後場でも安値を切り下げることなくもみ合いが続いたが、終盤で売りの勢いが増し再びマイナス圏へと下落した。本日は欧米の重要指標発表が予定されていないため、金利や株価の動向を見据える展開となりそうだ。各国の政策金利発表も通過し、市場は次の流れを待つ姿勢が続いている。週末のポジション手仕舞いの動きに注意し、トレードチャンスを見極めたい。
日本時間21時30分に、カナダの1月小売売上高が発表される。小売売上高は、カナダ国内の小売業の売上を月毎に集計し、指数化した指標。個人消費や消費者信頼感との関連性が高く、カナダの景気動向を把握する上で注目度が高い。市場予想は、前月比が-0.4%。前回値の2.5%から大きく低下する見込み。変動が大きい自動車を除いたコア指数も、前回値の2.7%から-0.2%への低下が見込まれている。カナダの1月消費者物価指数(CPI)は、前月比でやや減少する結果となった。2月15日まで導入された減税政策期間中であるため、物価の下押し圧力を受けて小売売上高も低下している可能性が考えられる。予想を上回る結果となればカナダドル買い、下回る結果となればカナダドル売りの材料と判断されるため、指標発表後のカナダドル/円(CADJPY)や米ドル/カナダドル(USDCAD)の値動きに注意したい。
本日は米連邦準備制度理事会(FRB)関係者の発言に注目したい。日本時間21時30分にシカゴ連銀のグールズビー総裁、日本時間22時05分にニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁の発言が予定されている。ウィリアムズ総裁は今月上旬に出席したイベントで、トランプ政権の関税政策が物価上昇に影響を与える可能性を指摘しつつも、現状ではインフレ期待が不安定化する兆候はみられないと発言。金融政策は良好に進んでおり、急いで金利を調整する必要はないとの認識を述べた。尚、今月19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では現行での金利据え置きが決定され、パウエルFRB議長は会見で「インフレ率は上昇しつつある。関税政策に反応している部分もあると考えられる」と述べている。米国のスタグフレーション懸念が高まりつつある現状で、FRB関係者が今後の景気動向や利下げ見通しについてどのような見解を示すのか注目したい。
日本時間23時00分頃は、NYオプションカットに絡んだ値動きに注意したい。NYオプションカットとは、ニューヨーク市場での通貨オプション権利行使の期限時刻のことを指し、カットオフタイムとも呼ばれる。この時間帯には、オプション行使によって損益が確定するため、投資家の様々な思惑によって為替相場が変動しやすい傾向がある。米ドル/円(USDJPY)は149.00・150.00円に21日の大きめのオプションが観測されており、現状は約1円の値幅内で推移。NYオプションカットに向けて、急激にオプションの水準まで価格が近づく場合があることに注意したい。ユーロ/米ドル(EURUSD)は、1.0850ドルのオプションがレジスタンス、1.0820ドルのオプションがサポートとして意識されている可能性がある。レンジを上抜けもしくは下抜けする勢いを取り戻すのか注目したい。
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