欧米各国の製造業PMI/サービス業PMIと要人発言に注目

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欧米各国の製造業PMI/サービス業PMIと要人発言に注目

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欧米各国の製造業PMI/サービス業PMIと要人発言に注目
相場レポート

2025.03.24

NEW

2025.03.24

本日のポイント

  1. 欧米各国の製造業PMI/サービス業PMI(日本時間17時15分~)

  2. 米・要人発言(日本時間26時45分~)

  3. 英・要人発言(日本時間27時00分)

週明けの東京時間では、米国の相互関税発動に対する警戒感後退で円売りが加速。トランプ政権が4月2日に発動予定の、相手国と同水準まで関税を引き上げるとされる相互関税について、対象国が絞り込まれる可能性が報じられた。これまで警戒されていた全世界一括での発動ではなく、一部の国や地域が除外される可能性が高まり、関税発動への警戒が緩和されリスク回避の動きが後退した。これを受けて、米ドル/円(USDJPY)は早朝につけた安値149.38円付近から149.96円台まで上値を拡大。4日ぶりの高値更新となり、再び150円に迫る勢いで上昇した。クロス円も朝方に大きく買われ、上昇一服後も底堅さを維持した。また、本邦から植田日銀総裁や内田日銀副総裁、加藤財務相の発言が伝わっているが、市場の反応は限定的。一部では、石破内閣の支持率低下が日銀の金融政策に影響を与える可能性が懸念され、円安材料になったとの声も伝わった。関税発動への警戒感が後退したことで、仮想通貨は全般買い優勢。ビットコイン(BTCUSD)は8万7,000ドル台を回復し、イーサリアム(ETHUSD)やリップル(XRPUSD)などのアルトコインは軒並み強含んだ。株式市場では、日経株価(JP225)は前週末日比-0.18%と3日続落。序盤は買い優勢で上昇するも、その後は失速し上値の重さが目立つ動き。小幅なレンジ内での推移が続き、マイナス圏へ沈んで取引を終えた。本日は欧米各国の製造業PMI/サービス業PMIの発表が予定されている。欧米各国の要人発言も複数予定されているため、週明けの海外市場がどのような動きに振れるのか注目したい。

1. 欧米各国の製造業PMI/サービス業PMI(日本時間17時15分~)

本日は欧米各国の3月製造業PMI/サービス業PMIの速報値が発表される。欧州時間前半となる日本時間17時15分にフランス、日本時間17時30分にドイツ、日本時間18時00分にユーロ圏、日本時間18時30分に英国が発表予定。NY時間以降となる日本時間22時45分に米国の発表が予定されている。製造業PMIとサービス業PMIは、各国の製造業とサービス業の購買担当者の景況感を調査し、それぞれ指数化した指標。分岐点を50と定め、上回れば景況感の拡大、下回れば景況感の悪化を示す。各国の市場予想を見ると、仏・独・ユーロ圏では製造業PMIとサービス業PMIがともに前回値から改善する見込み。景況感の分かれ目である50に近づきつつあり、予想通りの結果となればユーロ買いの材料と判断される可能性が高い。一方で、英国と米国はともに前回値からの悪化が見込まれている。景況感の改善が期待されるユーロ圏とは対照的に米国の結果が下振れた場合、上昇一服の動きを示すユーロ/米ドル(EURUSD)に再び買戻しの動きが広がる可能性があることを想定しておきたい。

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2. 米・要人発言(日本時間26時45分~)

本日は米連邦準備制度理事会(FRB)関係者の発言が予定されている。日本時間26時45分にアトランタ連銀のボスティック総裁、日本時間28時10分にバーFRB理事がそれぞれ発言予定。FRBは今月18-19日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)で、2会合連続となる政策金利据え置きを発表した。同時に公表された経済見通しでは、実質GDP成長率が下方修正され、インフレ率が上方修正されている。パウエルFRB議長は、インフレ率が上昇しつつある要因の1つとして、トランプ政権の関税政策に反応している可能性があると指摘する一方で、関税によるインフレ率の上昇は一過性のものになるとの見解を示した。この発言から、市場はFRBが利下げ継続スタンスを維持すると受け取った模様。先行き不透明感が強まる中、物価を重視した据え置きか景気を重視した利下げか、市場やFRB関係者の間でも意見が割れる可能性が考えられる。次回5月のFOMCまで1ヵ月以上の期間が残されているが、FRB関係者の発言から最新の景気見通しを確認しておきたい。

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3. 英・要人発言(日本時間27時00分)

日本時間27時00分に、イングランド銀行(BOE)のベイリー総裁が英国経済についての講演を行う。ベイリー総裁の発言から、今後の英国の景気見通しや利下げ見通しについて探りたい。BOEは今月20日に開かれた会合で政策金利を現行の4.5%に据え置くことを発表。政策委員9名中8名が据え置きを支持しており、昨年12月以来、約2会合ぶりの金利維持となった。英国ではインフレリスクの根強さが懸念されており、米国の関税政策を巡る経済不確実性に対してもBOEは慎重にアプローチする必要があるとし、ややタカ派寄りな姿勢に傾いた。議事録では次回5月会合での利下げが確実ではないとの見方が示され、市場でも5月の利下げ期待が後退しつつある。直近の経済指標では労働需要の拡大もみられており、今週発表される消費者物価指数(CPI)が強い結果を示した場合は、利下げ期待がさらに後退する可能性が考えられる。世界的に不確実性が高まっている中で、ベイリー総裁が英国経済についてどのような見通しを示すのか注目したい。

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アナリストワタル

著者:アナリストワタル

FX投資歴20年の実績をもつ為替専業トレーダー。ファンダメンタルズ分析とチャート分析を組み合わせた手法で順張りのコツを掴む。主なトレードスタイルは、順張りスイングトレード。過去には、金融メディアで、FXマーケットアナリストとして為替市場の調査やレポート作成業務の経験あり。