2025.02.10
2025.02.10
米・トランプ政権の関税政策(日本時間22時00分~)
欧・ラガルドECB総裁の発言(日本時間23時00分)
米・NYオプションカット(日本時間24時00分)
東京時間では、先週急速に進行した円買いの動きに調整が入る展開となった。米ドル/円(USDJPY)は、早朝に付けた151.20円台から買い優勢で上昇。ゴトー日の仲値に絡んだ米ドル買い・円売りのフローも観測され、152.10円台まで上値を伸ばした。クロス円は先週末終値から大きく下窓を開けてスタートしたものの、すぐに上昇に転じる動き。オセアニア通貨が堅調に推移したこともあり、特に豪ドル/円(AUDJPY)とNZドル/円(NZDJPY)は上げ幅を拡大した。欧州通貨も買いが優勢。ユーロ/米ドル(EURUSD)と英ポンド/米ドル(GBPUSD)はクロス円と同様に下窓を開けた状態でスタートするも、米ドル/円(USDJPY)の伸び悩みで米ドルが弱含んだことから上値を伸ばした。金(GOLD)は再び最高値更新。先週から2,800ドル台半ばを挟んだレンジ内で推移していたが、週明けは早朝から買い優勢の展開。先週付けた高値2,886ドルを上抜け、2,900ドル台を試す動きが見られた。株式市場では、日経株価(JP225)は前週末比0.04%で反発。目立った材料は見当たらず、トランプ大統領の新たな関税政策への警戒感から様子見の姿勢が見られた。また、明日が祝日で休場となるため、積極的な買いに繋がりにくく、もみ合いが続いた。本日は目立った経済指標の発表が予定されていないが、NY時間以降はトランプ大統領が新たな関税政策を表明することを予告している。これまで同様、為替市場では米ドル買いや円買いに振れる可能性があることに注意したい。
トランプ米大統領は9日、米国への鉄鋼とアルミニウム輸入の全てに25%の関税を課す意向であることを宣言した。本日10日に表明することを明らかにしており、米国へ輸入される全ての鉄鋼とアルミニウムが追加関税の対象となった場合、日本も対象国となる。トランプ大統領は1期目には鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の関税を課しており、その後一部の国に対して無関税枠を認めた。また、バイデン前大統領は無関税枠を更に拡大しており、日本もその対象国となっていた。トランプ大統領はこれまで特定の対象国に対する関税賦課を発表していたが、今回は特定の製品に対する関税賦課となる。全ての輸入品が対象となった場合、主要貿易相手国との貿易摩擦や関係悪化が懸念され、世界経済に大きな影響を与える可能性が考えられる。本日のNY時間以降は、トランプ大統領の発言に警戒しておきたい。
日本時間23時00分に、欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁が欧州議会に出席する。米国のトランプ大統領による関税発動に警戒感が高まるなか、ラガルド総裁が今後の利下げ見通しについてどのような見解を述べるのか注目したい。トランプ大統領は先日、欧州に対して何らかの重要な関税を賦課する意向であることを表明。これに対して、ドイツのショルツ首相も欧州側から何らかの対抗措置を迅速に実行する用意があることを発言した。欧米貿易戦争が勃発した場合、ECBは更なる利下げを求められる可能性があり、ユーロ安進行による2022年以来のパリティ割れも視野に入ってくるかもしれない。市場では、ECBは次回3月の理事会でも追加利下げを実施すると見られており、ラガルド総裁から次回利下げを示唆する発言が出てくるのか注目が集まる。
日本時間24時00分前後は、NYオプションカットに関連した値動きに注意したい。NYオプションカットとは、ニューヨーク市場での通貨オプション権利行使の期限時刻のことを指し、カットオフタイムとも呼ばれる。時間は米東部時間の午前10時00分(夏時間は午前9時00分)となり、日本時間では24時00分(夏時間は23時00分)となる。この時間帯はオプション取引の権利行使によってポジションの損益が確定することから、投資家の様々な思惑によって為替相場で激しい値動きが生じやすい。米ドル/円(USDJPY)は151.00・151.50・151.75円に10日のオプションが控えおり、152.00円に14日の非常に大きめのオプションが観測されている。ユーロ/米ドル(EURUSD)は1.0300ドルに大きめのオプションが複数観測されているため、サポートやレジスタンスとして機能する可能性があることを想定しておきたい。
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