米中の貿易摩擦激化と円買い圧力に警戒

2025.10.15
2025.10.15
本日のポイント
英・要人発言(日本時間17時00分)
米・ニューヨーク連銀製造業景気指数(日本時間21時30分)
米・地区連銀経済報告(ベージュブック)(日本時間27時00分)
東京時間では、前日に強く意識された米中貿易摩擦激化への警戒感が続き、米ドル売り・円買いが加速した。トランプ米大統領は先週末、中国のレアアース規制強化を非難し、中国に対して100%の追加関税を課すと表明。さらに昨日は食用油の対中貿易を停止する可能性を示唆したことから、米中関係悪化を懸念したリスク回避の動きが広がった。朝方に151.80円台で小幅に推移していた米ドル/円(USDJPY)は、本邦勢参入後に売りが強まり大幅に下落。前日安値の151.60円を下抜け、今月7日以来となる150.90円まで下げ幅を拡大した。円全面高の動きから、主要国通貨は対円で軒並み下落。一方で、米ドル全面安の動きとなったため、対米ドルでは強含んだ。買いの勢いが弱まることなく上昇を続ける金(GOLD)は、本日も4,193ドルまで高値を切り上げ、史上最高値を更新。安全資産需要による買いと米ドル売りの動きが相まって、NY引けから欧州序盤にかけて堅調に推移した。株式市場では、日経株価(JP225)は前日比+1.76%と3営業日ぶりに反発。前日に大幅下落した反動から、買い先行でスタート。昨日の米株式市場でNYダウ(US30)が続伸したことも支えとなり、後場でも勢いを維持してプラス圏で取引を終えた。本日は、米政府機関閉鎖の影響で米国の消費者物価指数(CPI)の発表が延期される見込み。目立った経済指標の発表は予定されていないが、欧米各国の要人発言や米国の主要企業の決算発表が予定されているため、材料視される可能性を想定しておきたい。
1. 英・要人発言(日本時間17時00分)
日本時間17時00分に、イングランド銀行(BOE)のラムスデン副総裁の発言が予定されている。11月6日に予定されている次回会合に向けて、今後の金融政策の方向性について探りたい。前回の9月会合では5対4の僅差で据え置きが決定しており、利下げサイクル終了の可能性が指摘されていたものの、直近のBOE関係者の発言からは追加利下げに含みをもたせる内容が示されている。9月会合で利下げを支持したテイラー英中銀金融政策委員会(MPC)委員は、昨日14日の講演で「ハードランディング(硬着陸)のリスクが高まっている」と発言。経済の下方リスクが高まっていると述べ、利下げを継続する必要があるとの見解を示した。また、グリーンMPC委員は13日の講演で「政策金利は低下方向にある」との考えを述べ、追加利下げを示唆。9月会合では据え置きを支持し、8月会合では利下げに反対票を投じたタカ派メンバーであるが、追加利下げを実施する可能性が高いとの見方を示した。昨日発表された英国の9月雇用統計が想定以上に悪化したことも利下げ期待を高めているため、本日のラムスデン副総裁の発言からも利下げを示唆する内容が述べられるのか注目したい。
2. 米・ニューヨーク連銀製造業景気指数(日本時間21時30分)
日本時間21時30分に、10月のニューヨーク連銀製造業景気指数が発表される。ニューヨーク連銀製造業景気指数は、ニューヨーク連銀の管轄区内にある製造業約200社を対象に景況感を調査し、指数化した指標。同じく製造業の景況感を示すフィラデルフィア連銀景況指数やISM製造業景気指数よりも早いタイミングで発表されるため、その先行指標として注目される。市場予想は-1.8。景況分岐のゼロは下回るものの、前月から小幅に改善する見込み。前回9月は、市場予想を大幅に下回る水準まで景況感が悪化した。懸念されていた雇用指数の悪化や、関税の影響による新規受注と出荷の落ち込みなど、依然として米国の製造業が厳しい状況にあることが示唆された。現在は米政府機関閉鎖の影響で主要な経済データの公開が延期されているため、本日の結果が通常よりも材料視される可能性が考えられる。市場予想よりも強い結果は米ドル買い、市場予想よりも弱い結果は米ドル売りの材料と判断されるため、指標発表直後の米ドルの動向に注目したい。
3. 米・地区連銀経済報告(ベージュブック)(日本時間27時00分)
日本時間27時00分に、米地区連銀経済報告(ベージュブック)が公開される。ベージュブックとは、全米12地区の連邦準備銀行がそれぞれの管轄地区の経済状況をまとめた報告書のことを指す。その表紙がベージュ色であることから、一般的にベージュブックと呼ばれている。米連邦準備制度理事会(FRB)が米連邦公開市場委員会(FOMC)の2週間前に公表するため、次回会合での金融政策スタンスを見極める材料として、市場からの注目度が高い。前回9月に発表されたベージュブックでは。全ての地区で緩やかもしくは強いインフレ率の上昇が報告されており、雇用についてはほとんどの地区で大きな下振れはみられなかった。10月会合での追加利下げはほぼ確実視されているが、インフレ率の急速な伸びや雇用の急速な悪化など、前月から物価と雇用のバランスに大きな変化が生じていないか確認したい。
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