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米・PPIの下振れでCPIへの警戒感が高まる展開

米・PPIの下振れでCPIへの警戒感が高まる展開

米・PPIの下振れでCPIへの警戒感が高まる展開
相場レポート

2025.09.11

NEW

2025.09.11

本日のポイント

  1. 欧・ECB政策金利(日本時間21時15分)

  2. 米・新規失業保険申請件数(日本時間21時30分)

  3. 米・消費者物価指数(日本時間21時30分)

東京時間では、今夜に発表を控える米消費者物価指数(CPI)の結果待ちの姿勢で、為替市場では動意の薄い展開となった。昨日の米ドル/円(USDJPY)は終日ほぼ横ばいの動きを示しており、本日の東京時間でも流れが変わらず147円台前半でもみ合い。仲値前後にやや動意づいたものの、正午前から欧州序盤にかけてはほぼ動きをみせず、わずか10pips程度の小動きにとどまった。しかし、欧州勢が参入し始める15時前には急速に米ドル買い・円売りが強まり147.70円台まで急伸。自民党総裁選の最有力候補とされる高市前経済安保相が岸田前首相に総裁選出馬の意向を報告したとの報道が伝わり、積極財政を重視する高市氏の台頭で日銀の利上げが遅れるとの見方から、円売りが強まった。クロス円も米ドル/円(USDJPY)と同様に、序盤は動意薄で小動き。円が対米ドルで急速に売られたタイミングで揃って上値を伸ばした。ドルストレートも全般方向性に乏しいが、わずかに米ドル買い優勢で推移。米ドルが対円で強含んだタイミングでは、クロス円と同様に米ドル高方向へ振れる動きが見られた。金(GOLD)は下落。前日のNY時間で売りに転じた流れを引き継ぎ、東京時間でもじりじりと安値を切り下げた。株式市場では、日経株価(JP225)は前日比+1.22%と続伸。序盤から堅調に買われ、一時500円超の上げ幅で取引時間中の最高値となる4万4,000円台まで大幅上昇。後場で一旦下押した際も4万4,000円台を維持する底堅さが見られ、引けにかけては再び買いが強まった。本日は欧州中央銀行(ECB)の政策金利発表や、米国の8月消費者物価指数(CPI)の発表など、重要イベントが複数予定されている。ユーロ圏は当面の据え置きを維持する可能性がある一方で、米国は利下げ期待が高まっているため、欧米の金融政策スタンスの違いが意識されるとユーロ/米ドル(EURUSD)の買いが強まる可能性があることに注意したい。

1. 欧・ECB政策金利(日本時間21時15分)

日本時間21時15分に、欧州中央銀行(ECB)が政策金利を発表する。今回の会合では、政策金利を現行の2.15%に据え置くことがほぼ確実視されており、7月から2会合連続で据え置きとなる見込み。ユーロ圏ではインフレ率が目標水準の2%付近を維持していることから、ラガルドECB総裁は「物価目標を達成した」と述べている。直近で発表されたユーロ圏の8月消費者物価指数(HICP)の速報値が2.1%に小幅上昇したこともECBの据え置きを後押ししており、市場の注目は年内に利下げの可能性があるかという点に集まっている。ナーゲル独連銀総裁やシュナーベルECB専務理事などECBのタカ派メンバーは揃って「利下げのハードルは高い」と述べ、当面の据え置きを示唆。一方で、ハト派メンバーのシムカス・リトアニア中銀総裁は今月初旬に「12月に利下げが必要になる可能性がある」と述べており、さらに10月会合でも利下げについて議論される可能性があるとの考えを示した。今回は据え置きが確実とみられているためサプライズなしで無風通過する可能性が高いが、声明文やラガルドECB総裁の会見で年内の利下げの可能性が示唆された場合、ユーロ売りで反応する可能性があることを想定しておきたい。

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2. 米・新規失業保険申請件数(日本時間21時30分)

日本時間21時30分に、米国の新規失業保険申請件数が発表される。毎週木曜日に発表される新規失業保険申請件数は、米国内で失業者が失業保険を初めて申請した件数を集計した指標。米労働省雇用統計局が調査を実施しており、米国の雇用関連指標の先行指標として注目される。市場予想は23.5万件。予想を上振れた前週分の23.7万件から小幅に減少する見込み。先週発表された8月30日までの1週間の統計は予想外の増加を示し、米国の労働市場の低迷が示唆された。現状では、市場の注目は物価上昇圧力から労働市場の減速に移行しつつあり、雇用関連指標が弱い結果になるほど利下げ観測が高まる動きを示している。本日は同時刻に米消費者物価指数(CPI)の発表も予定されているため、通常よりも米ドルが激しい値動きを示す可能性が高いことに注意したい。

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3. 米・消費者物価指数(日本時間21時30分)

日本時間21時30分に、米国の8月消費者物価指数(CPI)が発表される。米労働省労働統計局(BLS)が毎月発表するCPIは、米国の消費者が購入する商品やサービスの価格変動を測定した指標。米国のインフレ指標の中で最も注目度が高く、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策を決定するうえで注視する重要指標であるため、指標発表後は米ドルに急激な値動きが生じる可能性が高い。市場予想は前月比0.3%、前年比2.9%。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコアは、前月比0.3%、前年比3.1%。コア指数は前月から横ばいが見込まれるが、総合では前月比と前年比でともに伸びが見込まれている。昨日発表された8月生産者物価指数(PPI)は予想外の弱い結果を示し、前回値も下方修正されたことから、本日発表されるCPIへの警戒感が高まっている。市場予想ではインフレの加速が見込まれているものの、昨日のPPIと同様に予想に反して減速した場合は、FRBの利下げを裏付ける材料として米ドル圧力が強まる可能性があることに警戒しておきたい。

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アナリストワタル

著者:アナリストワタル

FX投資歴20年の実績をもつ為替専業トレーダー。ファンダメンタルズ分析とチャート分析を組み合わせた手法で順張りのコツを掴む。主なトレードスタイルは、順張りスイングトレード。過去には、金融メディアで、FXマーケットアナリストとして為替市場の調査やレポート作成業務の経験あり。