2025.09.12
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2025.09.12
欧・要人発言(日本時間17時00分~)
米・ミシガン大学消費者信頼感指数【速報値】(日本時間23時00分)
英・ロンドンフィックス(日本時間24時00分)
東京時間では、来週予定されている日米の政策金利発表を前に、様子見姿勢で動意が薄い展開となった。昨日のNY時間では、新規失業保険申請件数の下振れを嫌気した米ドル売りが加速し、米ドル/円(USDJPY)は一時147円を割り込む水準まで下押し。NY引けにかけても上値の重い動きが続いたが、東京時間に入ると大幅下落への反動もあり、買い戻される動きがみられた。朝方はNY終値付近の147.20円前後で停滞していたが、9時過ぎから徐々に買いが強まり上昇。午後に入ると147.50円まで高値を切り上げ、上昇一服後も再び押し目を拾う底堅さがみられた。円が対主要国通貨で弱含んだため、クロス円は堅調推移。特にユーロ/円(EURJPY)とカナダドル/円(CADJPY)が堅調な動きを示し、欧州朝方にかけて一時円買いが強まった場面でも大きく下押す動きには至らなかった。2日続伸で上昇基調が続くビットコイン(BTCUSD)は、本日も朝方からさらに買いが強まり前日高値を上抜け。8月23日以来となる11万6,000ドル台に乗せ、イーサリアム(ETHUSD)やリップル(XRPUSD)などの主要アルトコインも買い優勢で上昇した。株式市場では、日経株価(JP225)は前日比+0.89%と3日続伸。前日の米株高の流れを継続し買い先行で寄り付き、昨日に引き続き取引時間中の史上最高値となる4万4,800円台に到達。本邦勢は明日から連休入りすることもあり、買い一巡後は利益確定売りが目立ったが、後場で再び買い戻されて力強く上昇した。本日は市場が大きく動意づくような経済イベントが予定されていないため、来週の日米の政策金利発表を見据えた様子見相場となる可能性が考えられる。米国は利下げがほぼ確実視されており、日本は政局リスクが意識されている状況のため、関連ヘッドラインで米ドルや円が神経質な反応を示す可能性があることに注意したい。
本日はブラックアウト期間明けとなる欧州中央銀行(ECB)関係者の発言が複数予定されている。日本時間17時00分にコッハー・オーストリア中銀新総裁とレーン・フィンランド中銀総裁、日本時間17時15分にナーゲル独連銀総裁が発言予定。いずれも経済見通しや金融政策に関連するテーマの講演となるため、前日まで開催された理事会の内容を踏まえ、ユーロ圏の今後の金融政策スタンスについて確認したい。昨日の理事会で、ECBは市場予想通り政策金利を2.15%に据え置くことを決定。ラガルド総裁の記者会見では「経済は良好な状態にある」と述べられ、今後の利下げの可能性については明言されなかった。ユーロ圏の利下げサイクルが終了した可能性が示唆されたことから、市場では利下げ期待が後退し、ユーロ買いで反応。ほぼ同時刻に発表された米指標の弱さも相まって、対ドルで大幅に買われる動きとなった。本日発言が予定されているナーゲル独連銀総裁は、以前から利下げのハードルが高いと述べており、著しい経済見通しの変化がなければ金利水準を変更する根拠が足りないとの考えを示している。一部では来年以降に利下げが必要になるとの見方が伝わっているため、次の動きについて言及されるか確認したい。
日本時間23時00分に、9月のミシガン大学消費者信頼感指数の速報値が発表される。ミシガン大学消費者信頼感指数は、ミシガン大学のサーベイ・リサーチセンターが消費者のマインド調査を実施し、結果を指数化した指標。速報値では300人、確報値では500人を対象に調査を実施しており、速報値は米国のコンファレンスボードが発表する消費者信頼感指数よりも発表時期が早いため、その先行指標として注目される。市場予想は58.0。前月の確報値から小幅に悪化する見込み。ミシガン大学消費者信頼感指数は6月・7月と堅調に回復傾向が続いていたが、前回8月は予想外に減速。関税によるインフレ上昇圧力の懸念が重しとなり、消費者の景況感を悪化させていることが示唆された。8月の確報値では速報値からさらに下方修正をされており、9月もそれを下回る水準が予想されている。米国の利下げ期待が高まっているため、予想値から上振れた場合も米ドル買いの反応は限定的となる可能性が考えられるが、予想値から下振れた場合は米ドル売りが強まる可能性があることに警戒しておきたい。
日本時間24時00分前後は、ロンドンフィックス(ロンドンフィキシング)に関連した値動きに注目したい。ロンドンフィックスとは、東京市場における仲値(日本時間9時55分)に相当し、ロンドン市場で金融機関の対顧客向け外貨取引の基準レートを決定する時間帯のことを指す。ロンドンフィックス前後では欧州通貨や米ドルなど特定の銘柄の値動きが活発になる傾向があり、さらに金(GOLD)の現物取引レートが決定するタイミングでもあるため、投資家の様々な思惑によって金(GOLD)が大幅な値動きを示す場合がある。今週に入り連日で史上最高値を更新していた金(GOLD)は、一旦上値追いが落ち着き3,600ドル台で横ばいの動きが続いている。しかし、下げたところではしっかり買われる底堅さがあり、本日の東京時間でも再び買い圧力が強まったため、海外時間でも上昇基調が続くのか注目される。尚、本日は金曜日となるため、週末に向けた手仕舞いの動きが生じる可能性があることにも注意したい。
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