2024.10.16
2024.10.16
米・輸入物価指数(日本時間21時30分)
米・反落後の株式市場(日本時間22時30分~)
欧・ラガルドECB総裁の発言(日本時間27時40分)
東京時間では、米ドル/円は方向感のない動きで小幅に推移。NY市場の終値の149.400円付近を維持する展開となった。午前に安達日銀審議委員の「正常化の条件はすでに整っている」などの発言が伝わったことを受け、円が一時買われたものの、その後すぐに下げ幅を回復。値動きは限定的なものとなった。株式市場では、前日のNY時間に半導体株が大幅に下落したことを受け、寄り付きは反落でスタート。半導体株を中心に売り優勢となり、売り一巡後はやや下げ渋る展開に。日経平均は前日比で730円安の39,180.30円で大引けを迎えた。また、15時00分発表の英・消費者物価指数が予想値を下回り、前回の2.2%から大幅に低下した1.7%の結果が伝わると、市場はポンド売りで反応。対ドルで大きく売られており、英ポンド/米ドルは約2ヶ月ぶりに前回安値を更新した。ユーロも対ドルで下げ幅を拡大しており、欧州通貨が売られやすい展開がうかがえる。
米国の輸入物価指数は、海外から輸入された軍事物資を除く物品やサービスの価格変動を測定した指数で、米労働省労働統計局が毎月中旬に発表する。輸入品のインフレ率を測定する目的があり、生産者物価指数の先行指標としても注目される。今回の予想は、前回の-0.3%から変動がない見込み。予想を上回ればドル買い、下回ればドル売りの材料となる可能性がある。また、輸入物価指数の数値が高いと消費者物価指数(CPI)への影響が強くなる点に注目したい。今月10日に発表された米・CPIは、前月からわずかに伸びを示す結果となった。来月に控える米大統領選(5日)やFOMC(6-7日)前の最後の発表となったため、今後の利下げ見通しを探るうえで輸入物価指数に大きな上振れや下振れがないか確認しておきたい。
本日の米・株式市場では、前日の株安の流れが継続するのか注意して見守りたい。昨日のNY株式市場では、オランダの半導体製造装置大手のASMLホールディングスが決算発表で低調な売り上げ見通しを示したことを受け、半導体株が売りに押される展開となった。さらに、米政府が先進AIチップについて国ごとの輸出規制を協議したことが伝わると、エヌビディア(NVDA)やAMDなどの半導体関連銘柄に広く下げが拡大。ハイテク株中心のナスダック総合が下落を主導する流れとなった。次回FOMCでの大幅利下げ観測が後退したことで株式市場では買いが入りやすい展開ではあるが、主要企業の決算発表が続いていることもあり、材料次第では急騰・急落が起こる可能性も考えられる。米・株式市場が低調となれば、金利安やリスクオフのドル売り・円買いを誘導する可能性があることに警戒したい。
日本時間深夜の27時40分には、欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁の講演が予定される。今週17日に控えるECB理事会では、前回9月の会合に続いて連続利下げを決定するとの見方が強まっており、市場では0.25%の追加利下げが確実視されている。政策金利発表を目前に控えているため、利下げについて直接的な材料となる発言が出ることはないと思われるが、重要人物の発言であるだけに内容には注目しておきたい。ユーロは対ドルで売り圧力が強く、ユーロ/米ドルは先月末から下落基調が継続している。8月8日につけた安値の1.08820付近まで到達しており、このサポートを割り込むことがあればもう一段下げる可能性も考えておきたい。
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