深刻化するイラン情勢と有事の米ドル買いに警戒

2026.03.23
2026.03.23
本日のポイント
欧・要人発言(日本時間17時45分~)
米・要人発言(日本時間21時45分)
NZ・ブレマンRBNZ総裁の発言(日本時間29時00分)
東京時間では、週末に中東情勢の警戒感が高まったことを受けて、有事の米ドル買いが先行した。トランプ米大統領は21日、「イランがホムルズ海峡を48時間以内に開放しなければ発電所を攻撃する」と自身のSNS上で発言。これに対してイラン側は「発電所が攻撃を受けた場合はホムルズ海峡を完全に封鎖する」と強硬姿勢を示し、事態の悪化が懸念される状況となった。一連の流れを受けて、週明けのWTI原油(OIL)は一時100ドルを超える水準まで急騰。15時頃には98ドルまで値を下げたが、再び急反発するなど、不安定な動きが続いている。原油高に連れて、為替は有事の米ドル買いが加速。米ドル/円(USDJPY)は159.60円まで高値を切り上げ、ユーロ/米ドル(EURUSD)と英ポンド/米ドル(GBPUSD)は前週の終値から大きく値を下げた状態で取引が開始した。金(GOLD)は幅広い金融商品の急落を受けたキャッシュアウトの動きから、売り圧力が継続中。昨年12月以来となる4,200ドル割れまで下押し、年初からの上げ幅を帳消しにする水準まで売り込まれた。株式市場では、日経株価(JP225)は前日比-3.48%と大幅続落。中東情勢の悪化を受けたリスク回避の売りが先行し、一時2,600円超まで下げ幅を拡大。売り一巡後は小幅に反発したが、積極的な買いの動きは見られず、引けまで安値圏でのもみ合いが続いた。本日は重要イベントが予定されていないため、中東情勢の動向が市場を左右する展開が予想される。トランプ米大統領がイランへの攻撃を宣言した48時間の期日を迎えるのが日本時間の明日朝方となるため、関連ヘッドラインには十分警戒しておきたい。
1. 欧・要人発言(日本時間17時45分~)
本日は複数の欧州中央銀行(ECB)関係者の発言が予定されている。日本時間17時45分にエスクリバ・スペイン中銀総裁、日本時間24時00分にチポローネECB理事、日本時間25時00分にチーフエコノミストのレーン専務理事が発言予定。3月会合を通過し、ECB関係者が今後のユーロ圏経済の見通しについてどのような見解を示すのか注目したい。3月会合では全会一致で政策金利の据え置きが決定したが、ラガルド総裁は中東情勢を背景とした経済の下振れと物価の上振れに対して警戒感を示し、ECBの早期利上げ期待が高まっている。ブラック期間明けとなる20日には、ナーゲル独連銀総裁とマクルーフ・アイルランド中銀総裁がともに4月の利上げの可能性について言及。物価上昇圧力がさらに強まった場合は、迅速に対応する用意ができているとの考えを述べた。本日のECB関係者の発言からも利上げ期待が高まった場合、市場はユーロ買いで反応する可能性があることを想定しておきたい。
2. 米・要人発言(日本時間21時45分)
日本時間21時45分に、米連邦準備制度理事会(FRB)のミラン理事がブルームバーグTVのインタビューに出演予定。3月17-18日に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)を経て、ハト派姿勢のミラン氏が引き続き利下げを支持するのか注目したい。3月会合では市場予想通り政策金利の据え置きが決定し、ミラン理事のみが利下げを支持して反対票を投じた。前回1月会合でミラン氏とともに利下げを支持したウォラー理事は、3月会合では据え置きを支持。パウエル議長は中東情勢による物価変動の動向について様子見の必要性を主張し、利下げを急がない考えを示した。イラン情勢を受けて市場の利下げ期待が大きく後退しており、現状では年内の利下げ回数は1回もしくは据え置きを維持するとの見方が優勢。ミラン理事は引き続き利下げの必要性を訴える可能性が高いが、差し迫るインフレ上昇リスクについてはどのような見解を示すのか注目したい。
3. NZ・ブレマンRBNZ総裁の発言(日本時間29時00分)
日本時間29時00分(翌5時00分)に、ニュージーランド準備銀行(RBNZ)のブレマン総裁の講演が予定されている。イラン情勢やニュージーランド経済に関するテーマの講演となるため、RBNZの今後の金融政策の見通しについて具体的な見解が述べられるか注目したい。RBNZは前回2月18日の会合で政策金利の据え置きを決定。声明文では当面の緩和姿勢の維持が示唆され、ブレマン総裁も経済を支えるために据え置きを維持したい考えを述べたことで、早期利上げ期待が後退した。しかし、イラン情勢を受けたエネルギー価格高騰がインフレリスクを招くとの見方から、利上げ開始が前倒しになる可能性が浮上。次回4月会合では据え置きが予想されているが、5月会合以降の早期利上げ期待が高まった場合、NZドルの買い材料と判断される可能性があることに注目したい。
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