米株安によるリスク警戒の動きを注視

2025.11.05
2025.11.05
本日のポイント
米・ADP雇用統計(日本時間22時15分)
米・ISM非製造業景況指数(日本時間24時00分)
米・週間原油在庫(日本時間24時30分)
東京時間では、前日の米株安の流れを引き継ぎアジア株が全般下げ幅を拡大したことを受けて、リスク回避の動きが広がった。昨日の米株式市場では、株価の割高感が意識され、ハイテク株を中心に売りが拡大。東京時間でも日経株価(JP225)が大幅安で寄り付いたことが投資家心理を悪化させ、為替市場では一時リスク回避の円買いが強まった。米ドル/円(USDJPY)は東京勢参入直後に153.75円まで上値を伸ばしたものの、日経株価(JP225)の大幅下落を受けて152.96円まで急落。時間外の米10年債利回りが低下したことも重しとなり、先月30日以来の安値更新となった。その後は正午前に売りが一服し、株価の下げ幅縮小とともにリスク回避の動きが緩和されて反発。米ドル/円(USDJPY)は153.60円台まで買い戻され、クロス円も大幅安から揃って反発の動きを見せた。金(GOLD)は、リスク警戒の動きや対円で米ドルが弱含んだことを背景に上昇。東京時間序盤の安値3,929ドルから3,978ドルまで堅調に上値を伸ばした。株式市場では、日経株価(JP225)は前日比-2.50%と大幅続落。前日の米株式市場でハイテク株の売りが加速したことを受けて、寄り付きから半導体関連銘柄を中心に売りが先行。一時2,400円超の下げ幅で5万円を下回る水準まで急落したものの、後場で買戻しの動きも見られ、5万円台を回復して取引を終えた。アジア株も軒並み下げ幅を拡大。香港ハンセン指数(HK50)は米国の利下げ期待後退も重しとなり、先月17日以来の安値更新となった。本日はNY時間以降に米国の重要指標発表が控えているため、米ドルの動向が注目される。また、米政府機関閉鎖が36日目を迎え過去最長を更新したが、未だ終息の目処が立っていない。直近では材料視されることが少なくなっていたが、さらなる長期化が懸念される事態となった場合、リスク警戒の動きが強まる可能性があることも想定しておきたい。
1. 米・ADP雇用統計(日本時間22時15分)
日本時間22時15分に、米国の10月ADP雇用統計が発表される。ADP雇用統計は、民間調査会社のAutomatic Data Processing(ADP)社が、自社の保有する全米約50万社の給与データから民間の非農業部門雇用者数の増減を調査した指標。米政府機関閉鎖の影響により、米労働省労働統計局(BLS)の雇用統計の発表延期が続いているため、米国の労働市場の動向を把握するうえで通常時よりも注目される可能性が考えられる。市場予想は2.8万人。前月の-3.2万人から小幅に増加する見込み。BLSによる雇用統計の発表再開の目処が立たない中、ADP社は毎週火曜日に週次速報を公表することを発表。初回の発表の10月11日までの4週間の統計では、雇用者数が1万4,250人ほど増加したことが明らかになった。民間部門のみの統計はBLSが発表する雇用統計との相関性が低いという指摘もあるが、データ不足の現状では材料視される可能性が高い。市場予想よりも強い結果は米ドル買い、市場予想よりも弱い結果は米ドル売りの材料と判断される場合があるため、指標発表後の米ドルの動向に注目したい。
2. 米・ISM非製造業景況指数(日本時間24時00分)
日本時間24時00分に、米国の10月ISM非製造業景況指数が発表される。ISM非製造業景況指数は、米国の非製造業の購買担当者を対象に景況感のアンケート調査を実施し、結果を指数化した指標。米供給管理協会(ISM)が毎月第3営業日に発表しており、同じくISMが毎月第1営業日に発表するISM製造業景況指数とともに、米国の景気先行指標として注目される。市場予想は50.8。前月の50.0を上回り、5ヶ月連続で景況判断の分かれ目となる50を上回る見込み。前回9月は予想外の悪化となり、新規受注や雇用の減速が顕著に示された。米国の経済活動の3分の2以上を占めるサービス業の減速が、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測を後押し。先行して発表された10月のISM製造業景況指数も予想を下回る低調な結果となったため、今回のISM非製造業景況指数が下振れた場合は、FRBの利下げ期待が再燃する可能性も考えられる。市場予想を上回ると米ドル買い、市場予想を下回ると米ドル売りの動きが生じる可能性が高いため、指標発表直後の米ドルの値動きに注意したい。
3. 米・週間原油在庫(日本時間24時30分)
日本時間24時30分に、米国の原油在庫が発表される。週次で発表される原油在庫は、米国内で保有する商業用原油量を調査した指標。米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)が毎週水曜日に前週金曜日時点のデータを公表する。原油在庫の増加は需要の減少、原油在庫の減少は需要の増加と判断され、原油の需給によって景気動向が判断される。原油先物市場の指標となるWTI原油(OIL)は、本日の東京時間では1バレル=60ドル台で推移。先週末にはOPECプラスによる来年以降の増産停止が発表されたが、供給過剰への懸念は払拭されず、原油価格の上値を抑えている。ただ、週次の原油在庫の推移からは米国内での需要の強さも確認できるため、本日の結果で堅調な需要が示された場合、短期的にWTI原油(OIL)の価格を押し上げる可能性があることに注目したい。
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