2025.09.09
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2025.09.09
スイス・シュレーゲルSNB総裁の発言(日本時間20時50分)
米・非農業部門雇用者数の年次ベンチマーク改定発表(日本時間23時00分)
英・要人発言(日本時間24時15分)
東京時間では、前日からの米ドル売り基調が継続し、為替市場で米ドル全面安の動きとなった。本日は日本時間23時00分に米労働省労働統計局(BLS)が非農業部門雇用者数の年次ベンチマーク改定(2024年4月-2025年3月)を発表する予定となっており、下方修正の可能性が高いことから米ドルの上値を押さえている。米ドル/円(USDJPY)は、前日のNY引け後にわずかな反発の動きを示したものの、147.50円台で再び売りが強まり下落。東京勢参入後は147円台前半で方向感なくもみ合い、午後に入ると再び売りの勢いに押されて146.80円台まで下押した。クロス円も連れ安で下落。対米ドルで円買いが加速したため、主要国通貨に対して円が全面強含んだ。欧州通貨やオセアニア通貨は対ドルで堅調な動き。ユーロ/米ドル(EURUSD)は先週末から続く上昇基調を維持し、7月24日以来となる1.1780ドル付近まで高値を切り上げた。金(GOLD)は連日の高値更新の勢いが止まらず、本日の東京時間でも史上最高値となる3,659ドルまで上昇。上げ一服後は利益確定売りに押される動きも見られたが、下げたところでは買われる底堅さを維持した。株式市場では、日経株価(JP225)は前日比-0.42%と4日ぶりに反落。前日の米株高を好感した買いが先行し、寄り付き後に取引時間中の史上最高値を更新して4万4,000円台に到達。しかし、序盤の急速な上昇が落ち着いたあとは利益確定売りが強まり、為替の円高も嫌気されてマイナス圏まで下げ幅を拡大した。本日は欧米の目立った経済指標の発表は予定されていないが、日本時間23時00分に発表される非農業部門雇用者数の年次ベンチマーク改定(2024年4月-2025年3月)に注目が集まりそうだ。予想外の大幅な下方修正が発表された場合、労働市場に対するリスク警戒感から米連邦準備制度理事会(FRB)の大幅利下げ期待が高まり、もう一段の米ドル売りに繋がる可能性があることに警戒しておきたい。
日本時間20時50分に、スイス国立銀行(SNB)のシュレーゲル総裁の発言が予定されている。スイスでは今月25日に政策金利の発表を控えているため、今後の利下げ見通しについて具体的な内容が語られるのか注目したい。SNBは前回6月の会合で0.25%の利下げを決定し、政策金利が0.00%(ゼロ金利)に引き下げられた。シュレーゲル総裁はかねてからインフレ率の下振れやスイスフラン高を抑制するために為替介入やマイナス金利の導入を検討する可能性があることを公言していたが、昨日公開されたインタビューでは「マイナス金利の再導入のハードルは高い」と発言。多くの金融関係者は、今月の会合で政策金利を現行のゼロ金利で据え置く可能性が高いと予想している。次回会合を約2週間後に控えているだけに、SNBの今後の金融政策の方向性について具体的な見解が述べられた場合、スイスフランの値動きに影響を与える可能性がある点に注意したい。
日本時間23時00分に、米労働省労働統計局(BLS)が非農業部門雇用者数の年次ベンチマーク改定の速報値を発表する。今回は2024年4月から2025年3月までの1年間のデータが発表されるが、市場では大幅な下方修正に対する警戒感が高まっているため、米ドル売りリスクに備えておきたい。米国の2024年4月から2025年3月までの非農業部門雇用者数は、現在公開されているデータでは約209万人増加となっている。しかし、多くの金融関係者が下方修正の可能性が高いとみており、現在の数値よりも40万人~100万人近く減少するとの予想が伝わっている。7月の雇用統計が発表された際には過去2ヶ月分の大幅下方修正も発表されているだけに、労働市場の下振れリスクに対する警戒感が高まっている。今回の改定発表の結果によっては米連邦準備制度理事会(FRB)の大幅利下げの可能性も高まるため、発表直後の米ドルの動向を注意深く確認したい。
日本時間24時15分に、イングランド銀行(BOE)のブリーデン副総裁が討論会に出席する。中央銀行に関連する議題となるため、英国の今後の金融政策について言及される場面がみられるか確認したい。BOEは今月18日に政策金利の発表を控えており、前回8月7日は市場予想通り0.25%の利下げを決定。インフレ率の高止まりなどを背景に、当面は現在の金利水準を維持するとの見方が優勢だが、一部の金融関係者からは利下げ再開時期がさらに後ろ倒しになる可能性があると指摘されている。これまでのBOEの金融政策スタンスでは、2会合に1回の緩やかな緩和ペースを維持していたため、11月の追加利下げの可能性はまだ完全には除外されていない。しかし、現時点の経済データでは11月よりも12月の利下げが有力との見方があり、さらに年内は据え置きを維持するとの意見も見受けられる。利下げ再開時期が先延ばしになるとの見方が強まると、市場は英ポンド買いで反応する可能性があることに注意したい。
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