2025.05.02
NEW
2025.05.02
欧・消費者物価指数(日本時間18時00分)
米・雇用統計(日本時間21時30分)
米・製造業新規受注(日本時間23時00分)
東京時間では、序盤に円売りが加速。昨日の海外時間に米国が中国に対して関税交渉を打診していると報じられたことに対して、中国が米国側から接触があったことを認め、米国の申し出について「評価している」と表明。米中貿易交渉進展への期待感から、円が売られる動きとなった。米ドル/円(USDJPY)は、報道が伝わった午前9時過ぎから買いを強め、145.90円台まで上昇。4月10日以来となる高値更新となった。しかし、146円を目前に買いの勢いは失速。徐々に米ドル売りが強まった影響で上値が抑えられ、145円台前半まで値を下げた。オセアニア通貨は買い優勢。米中貿易摩擦の緩和期待からアジア株やアジア通貨の買いが加速し、豪ドル/米ドル(AUDUSD)とNZドル/米ドル(NZDUSD)は上昇幅を拡大した。金(GOLD)は買戻しの動き。前日のNY引け前から反発の動きを示し、その後も大きく売りに押されることなく堅調に推移した。前日に大幅上昇したビットコイン(BTCUSD)は一旦調整の動き。上値更新の勢いは見られないが、9万6,000ドル台を維持する底堅さが確認された。株式市場では、日経株価(JP225)は前日比+1.04%と7日続伸。前日の米株高に加え、為替市場で一時円安が進行したことを材料に、自動車などの輸出関連株に買いが集中。一時500円超の上昇幅となったが、節目の3万7,000円を目前にした利益確定売りや連休前のポジション調整の動きが観測され、徐々に上昇幅を縮小した。本日はNY時間序盤に米国の4月雇用統計の発表を控えているため、欧州時間前半は様子見ムードが広がることが予想される。下振れへの警戒感が高まっているため、結果次第では米ドルが大きく動意づく可能性があることに注意したい。
日本時間18時00分に、ユーロ圏の4月消費者物価指数(HICP)の速報値が発表される。HICPは、ユーロ圏の消費者が購入する商品やサービスの価格変動を測定した指標。ユーロ圏全体のインフレ率を確認するうえで注目度が高い。市場予想は、総合指数が前年比2.1%、食料品やエネルギーを除いたコア指数が前年比が前年比2.5%。コア指数では前回値から0.1ポイントの伸びが見込まれているが、総合指数は減速する見込み。先行して発表されたドイツの4月消費者物指数(CPI)は、前年比で予想値(2.0%)を上回る2.1%となったが、前月から伸び率は鈍化。コア指数では伸び率が加速する結果となった。フランスの4月CPIは前年比で前回値と同水準が示され、今年2月から横ばいが続いている。主要2ヵ国であるドイツとフランスのCPIの結果から欧州中央銀行(ECB)が次回6月会合で追加利下げを実施する可能性が高まったため、ユーロ圏のインフレ率が予想よりも弱い結果となった場合は利下げの根拠がさらに強まる可能性が考えられる。一方で、主要2ヵ国の結果が市場予想からは上振れていたこともあり、予想外に強い結果となる可能性も排除できない。本日は市場注目度が高い速報値の発表となるため、結果と予想の乖離が大きい場合はユーロが大きく動意づく場合があることを想定しておきたい。
日本時間21時30分に、米国の4月雇用統計が発表される。雇用統計は、米国内の雇用情勢を調査した統計のことを指し、米国の経済指標の中で特に注目される重要指標の1つ。市場注目度が高い非農業部門雇用者数や失業率を始め、平均時給・労働参加率・製造業雇用者数などの複数指標で構成される。市場予想は、非農業部門雇用者数が13.0万人、失業率が4.2%、平均時給が前月比0.3%、前年比3.9%。前回2月の結果では、米スーパーマーケットチェーンで発生していたストライキが終息したことで非農業部門雇用者数が市場予想を大幅に上回る結果となった。しかし、失業率は増加しており、関税への警戒感から楽観的な見方には至らず、市場は米ドル売りで反応した。先立って発表された4月ADP雇用統計や3月JOLTS求人件数は予想を下回る弱い結果を示しており、コンファレンスボードが発表した4月消費者信頼感指数も約5年ぶりの低水準となったことから、下振れへの警戒感が高まっている。日銀の利上げ期待後退で米ドル/円(USDJPY)は再び145円台を回復したが、本日発表される雇用統計が予想以上に弱い結果となった場合は再び米ドル売りが強まる可能性があることに警戒しておきたい。
日本時間23時00分に、米国の3月製造業新規受注が発表される。製造業新規受注は、米国の製造業の新規受注額を調査した指標。出荷・在庫・新規受注・受注残高などの複数項目で構成されており、耐久財受注と同様に設備投資の先行指標として注目される。市場予想は4.5%。前回値の0.6%から大幅な伸びが見込まれている。前回2月の結果では、関税発動前に前倒しの発注が増加したことで予想を上回る伸びが示された。3月も同様に最後の駆け込み需要が増加した可能性が考えられる。また、先月24日に発表された3月耐久財受注では、民間航空機の受注が大幅に増加したことで予想値を大きく上回る結果が示されたが、変動の大きい航空機を除いた指数では低調な結果と受け取られている。全体の指数としては前回値から大きく上振れる可能性も考えられるが、一時的な要因等も考慮して市場がどのように判断するか慎重に見極めたい。
最近のレポート 記事一覧
2025.05.02
NEW
米・雇用統計から先行き警戒感を探る展開
米・雇用統計から先行き警戒感を探る展開
2025.05.01
NEW
日米関税交渉を見据える展開
日米関税交渉を見据える展開
2025.04.30
NEW
欧米各国の第1四半期GDPに注目
欧米各国の第1四半期GDPに注目
2025.04.29
NEW
ベッセント財務長官の発言に注目か
ベッセント財務長官の発言に注目か
2025.04.28
NEW
注目イベント前の神経質な動きに注意
注目イベント前の神経質な動きに注意
2025.04.25
NEW
リスク後退の動きが継続か
リスク後退の動きが継続か
2025.04.24
日米財務相会談を見極める展開
日米財務相会談を見極める展開
2025.04.23
欧米各国の要人発言とリスク動向を注視
欧米各国の要人発言とリスク動向を注視
2025.04.22
米・トランプ政権とFRBの対立激化に警戒
米・トランプ政権とFRBの対立激化に警戒
2025.04.21
米・連休明けのNY勢の動向を注視
米・連休明けのNY勢の動向を注視