2025.03.27
2025.03.27
欧・要人発言(日本時間18時45分~)
米・第4四半期GDP(日本時間21時30分)
米・新規失業保険申請件数(日本時間21時30分)
東京時間では、米ドル売り優勢。昨日の海外市場で、好調な米経済指標や自動車関税による物価上昇見通しを材料に米ドル買いの動きが加速したが、東京時間では流れを引き継ぐことなく売りが強まった。米ドル/円(USDJPY)は東京勢参入後に一時買いが先行し150.60円台を回復したが、その後は150.00円付近まで反落。トランプ米大統領が自動車関税の大統領発令に署名したことを受けて、石破首相が「対抗措置も選択肢にある」と発言したことから、日米の貿易摩擦を懸念した円買いに押された可能性がある。米ドル全面安の動きから、ドルストレートは対ドルで強含み。欧州通貨とオセアニア通貨が堅調に推移したため、ユーロ/米ドル(EURUSD)や英ポンド/米ドル(GBPUSD)、豪ドル/米ドル(AUDUSD)は上値を拡大した。また、米中のTikTokを巡る取引でトランプ大統領が対中関税を引き下げる可能性が浮上したことから、香港株や上海株が上昇。金(GOLD)も1週間ぶりの高値となる3,038ドルまで上値を伸ばした。株式市場では、日経株価(JP225)は前日比-0.60%と3日ぶりに反落。トランプ米大統領の自動車関税への警戒感が広がり、自動車株を中心に売りが拡大した。本日は欧米の要人発言や経済指標発表が数多く予定されている。米国の関税報道に警戒し、相場の方向性を探りたい。
本日は欧州中央銀行(ECB)関係者の発言が複数予定されている。欧州時間前半となる日本時間18時45分にビルロワドガロー仏中銀総裁、日本時間20時00分にブレマン・スウェーデン中銀副総裁、NY勢参入後の日本時間22時00分にデギンドスECB副総裁が公演予定。NY時間以降は、日本時間25時15分にウンシュ・ベルギー中銀総裁、日本時間25時45分にエスクリバ・スペイン中銀総裁の講演が続く。深夜には、日本時間27時05分にラガルドECB総裁、日本時間27時40分にシュナーベルECB理事の発言が予定されている。最近のECB関係者の発言は、主にトランプ政権の関税政策による不確実性を指摘した内容が多く、次回理事会での利下げの可能性については特段材料視される内容が語られていない。関税報道やウクライナ情勢を背景とするユーロの値動きはやや落ち着いてきたが、トランプ政権の自動車関税が再び欧米の溝を深め、ユーロ相場を動意づける可能性が考えられる。ECB関係者の発言から、欧州の最新の経済見通しについて探りたい。
日本時間21時30分に、米国の第4四半期GDP(国内総生産)の確報値が発表される。速報値、改定値に続き、本日は確報値の発表となる。前回の改定値の結果から変動があるか確認したい。2024年の第4四半期GDPは、前四半期から減速したものの、全体のおよそ3分の2を占める個人消費において高い伸び率が示された。トランプ政権の関税政策への警戒感から自動車や娯楽品などの高額商品の消費が加速したことや、昨年米国を襲ったハリケーン被害の影響で自動車等の買い替えが増加したことが押し上げ要因とみられる。今回の確報値の発表では、前回値からの改定がなければ動意に繋がりにくいが、上方または下方改定が発表された場合は米ドルが反応する可能性があることに注意したい。
日本時間21時30分に、米国の新規失業保険申請件数が発表される。新規失業保険申請件数は、米国内で失業者が失業保険を初めて申請した件数を集計した指標。米労働省雇用統計局が週次の結果を毎週木曜日に発表する。今回の市場予想は22.5万件。前回の22.3万件を上回り、3週連続の増加が見込まれているが、比較的低水準を維持するとみられている。2月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が予想を下振れたことや失業率が増加したことで、米国の労働市場に陰りが出始めたとの見方が強まった。来週発表される3月の雇用統計も、現時点では非農業部門雇用者数と失業率の悪化が予想されている。労働市場の下振れ警戒感が高まっているため、新規失業保険申請件数が予想外に増加した場合は米ドル売りが加速する可能性があることに注意したい。
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