2025.03.11
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2025.03.11
米国とウクライナの停戦協議(日本時間18時00分)
欧・要人発言(日本時間18時00分)
米・JOLTS求人件数(日本時間23時00分)
東京時間序盤は、リスク回避の動きが拡大。昨日の海外市場で米国の関税政策の不確実性や景気後退懸念から米国株が大幅に下落したことで、東京時間もリスク回避の動きでスタートした。米ドル売り・円買いが強まったことから、米ドル/円(USDJPY)は146.50円台まで下げ幅を拡大。昨年10月4日以来の安値更新となった。クロス円も米ドル/円(USDJPY)に連れて下落。リスク回避の円買いとともにスイスフラン買いも強まったため、スイスフラン/円(CHFJPY)の下げ幅は限定的となった。その後は時間外の米株先物が上昇幅を広げたことや日経株価(JP225)が下げ幅を縮小したことを材料に円買いの動きが一服。米ドル/円(USDJPY)とクロス円は反発し、序盤の下落を帳消しにする上昇へと転じた。また、東京時間午後には、ドイツの財政拡大に向けた施策に反対の意向を示す緑の党共同党首が「週内の合意を期待」との見解を述べると、ユーロ買いが加速。ユーロ/米ドル(EURUSD)は1.0876付近まで急伸し前日高値を上抜け。ユーロ/円(EURJPY)も大きく上昇し160円台を回復した。株式市場では、日経株価(JP225)は前日比-0.64%と反落。米国株の急落でリスク回避の動きが拡大し、幅広い銘柄で売りが加速。一時1,000円超の大幅安で3万6,000円を割り込んだが、売り一巡後は買戻しの動きも広がり、後場で下げ幅を縮小した。本日は目立った経済指標の発表は予定されていないが、米国とウクライナの協議や明日発動予定の鉄鋼製品とアルミニウムへの関税措置について突発的な報道が伝わる可能性に警戒しておきたい。
日本時間18時00分より、米国とウクライナの高官による停戦協議が中東サウジアラビアで開かれる。米国からはルビオ国務長官が出席予定。ウクライナのゼレンスキー大統領はサウジアラビアを訪れているが、協議には出席しない見通し。前日10日にサウジアラビアに到着したルビオ国務長官は「ウクライナ側の立場やどのような譲歩をするつもりか、考えを把握しておく必要がある。双方の譲歩なしに停戦は実現しない」と述べ、ウクライナ側の姿勢を確認する場にしたいとの考えを示した。先月行われた米ウ首脳会談では双方による激しい口論の末に決裂しているため、関係修復や停戦に向けた話し合いが前進するか注目される。また、ルビオ国務長官はアメリカがウクライナに対する軍事支援を一時停止している問題についても「協議で何が起きるかが鍵になる」と発言。ウクライナ側の姿勢によっては再開を検討する可能性があることを示唆した。今回の協議で停戦に向けた話し合いに進展が見られると、リスク後退でユーロ買いが加速する可能性が考えられる。反対に、進展が見られなかった場合や再び決裂した場合は、リスク回避で円買いが加速する可能性があることに注意したい。
日本時間18時00分に、フィンランド中銀のレーン総裁が金融政策と経済見通しについて講演を行う。ユーロ圏の今後の利下げペースや景気見通しについて言及されるか注目したい。欧州中央銀行(ECB)は先週の理事会で5会合連続となる0.25%の利下げを決定。サプライズもなく市場予想通りの結果となったが、次回4月の会合以降は予測が難しい状況となっている。声明文では「引き締め的ではなくなりつつある」と一部表現が変更されており、ラガルド総裁は会見で利下げ一時停止の可能性について示唆した。ドイツ連銀のナーゲル総裁は昨日の講演で「われわれは自動操縦ではない」と述べ、次回会合での金融政策を見通すことは困難であるとの見解を示している。ECB関係者の間でも見通しや意見が分かれる可能性が高いため、レーン総裁が今後の利下げ見通しについて言及した場合は、ユーロが神経質に反応する可能性があることを想定しておきたい。
日本時間23時00分に、米国の1月JOLTS求人件数が発表される。JOLTS求人件数は、米労働省労働統計局(BLS)が調査する米国内の求人状況を測定した指標。求人・採用・離職などのデータをもとに調査されており、同じくBLSが発表する米雇用統計が労働者側のデータから測定されているのに対して、JOLTS求人件数は雇用者側のデータを元に測定する。市場予想は、前月をやや上回る763.0万件の見込み。1月の米雇用関連指標の結果を見ると、ADP雇用統計や失業率は予想を上回る強い結果を示している。しかし、先行して発表された2月の米雇用関連指標は軒並み悪化を示しており、労働市場の減速が懸念されている。先行性の高さで注目されるJOLTS求人件数も予想から下振れていた場合、米国の景気後退懸念が一段と高まり、米ドル売りへと繋がる可能性があることに注意したい。
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