2025.10.03
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2025.10.03
米・要人発言(日本時間19時05分~)
英・ベイリーBOE総裁の発言(日本時間22時20分)
米・ISM非製造業景況指数(日本時間23時00分)
東京時間では、植田日銀総裁の発言を受けて10月会合での利上げ観測が後退し、円全面安の展開となった。大阪経済4団体共催懇談会に出席した植田日銀総裁は、本日午前の講演で「経済や物価の情勢に応じて引き続き政策金利を引き上げていく」と従来通りの内容を述べる一方で、「まずは緩和的な金融環境を維持し、経済活動を支えることが大切だ」と発言。先週にはハト派の野口日銀審議委員が利上げを示唆する内容を述べ、さらに昨日の内田日銀副総裁の発言では「日米関税合意によって先行き不透明感が後退し、9月の日銀短観が改善した」と述べられたことから、植田日銀総裁もタカ派寄りの発言をするのではないかと市場の期待感が高まっていた。しかし、想定よりも慎重な姿勢を維持したことから利上げ期待が後退し、市場は円売りで反応した。米ドル/円(USDJPY)は、本邦勢参入後に買いの勢いを強め上昇。途中、植田日銀総裁の発言が伝わるとさらに上昇幅を伸ばし、2日ぶりに147.80円台まで高値を切り上げた。円全面安の展開から、クロス円も揃って堅調に推移。円以外の主要国通貨は動意が薄く、米ドル/円(USDJPY)以外のドルストレートは軒並み小幅な横ばいにとどまった。金(GOLD)は上昇基調が落ち着き、様子見の動き。序盤は売り優勢で下落するも、3,840ドルを下回る水準ではしっかり反発する底堅さを維持した。株式市場では、日経株価(JP225)は前日比+1.85%と2日続伸。米国のオープンAIの評価額が5,000億ドル(73兆円以上)に達し、世界最大の非上場企業となったことを受けて、前日の米株式市場でAIやハイテク株が上昇。東京市場でも半導体関連銘柄に買いが入り、一時800円超の上昇幅で堅調な動きを見せた。本日は、米政府機関閉鎖の影響で、9月の米雇用統計の発表が延期される予定。与野党双方から歩み寄りの姿勢が見られないことから、閉鎖期間が長期化する可能性が指摘されている。また、明日4日は自民党総裁選が実施されるため、週明けの円相場に影響が出る可能性が考えられる。米ドルと円がそれぞれ不安定な動きになりやすい状況であるため、ポジションの持ち越しには十分注意したい。
本日は、複数の米連邦準備制度理事会(FRB)関係者の発言が予定されている。日本時間19時05分にウィリアムズNY連銀総裁、日本時間22時35分にミランFRB理事、日本時間16時30分にローガン・ダラス連銀総裁、日本時間26時40分にジェファーソンFRB副議長が発言予定。米政府機関の一部閉鎖が長期化する可能性も指摘される中で、FRBの利下げ見通しに変化が生じることになるのか確認したい。ウィリアムズNY連銀総裁は先月29日の講演で、9月会合での利下げは労働市場を下支えする目的で支持したと発言。小幅な利下げを実施することで、インフレ率を抑制しながら雇用を支えることは理にかなっているとの考えを述べた。次回以降の利下げの可能性については明言を避けたものの、労働市場が過度に減速する事態は避けたいとの認識を示している。また、日本時間26時40分に予定されるジェファーソンFRB副議長の講演は、経済見通しや金融政策に関するテーマとなるため、今後の利下げ見通しについて具体的な見解が示されるのか注目される。市場では、年内あと2回の会合で0.25%の利下げを実施すると見ているため、利下げに前向きな姿勢が示された場合は米ドル売りが加速する可能性があることに注意したい。
日本時間22時20分に、イングランド銀行(BOE)のベイリー総裁の発言が予定されている。約1ヵ月後に控える次回会合に向けて、BOEの金融政策見通しについて言及されるか注目したい。前回8月の会合では政策金利を4.00%で据え置いており、市場では11月会合でも利下げを見送る公算が高いとみている。直近のBOE関係者の発言では、今月1日にテレビ番組のインタビューに出演した英中銀金融政策委員会(MPC)のマン委員が「現時点では据え置きが適切だ」と述べ、現在の政策が緩和的であると発言。MPCメンバーの中でも特にタカ派寄りのスタンスであるマン委員は過去2回の利下げにも反対票を投じており、インフレ上振れリスクに対して警鐘を鳴らしている。一方で、ベイリー総裁は先月のインタビューで「金利はまだ引き下げ余地がある」と述べ、インフレ率の変動次第では利下げの可能性があると指摘。消費者の買い控えや労働市場の減速を背景に、利下げを検討する可能性があることを示唆した。本日の発言でも、利下げの可能性について語られることになるか注目したい。
日本時間23時00分に、米国の9月ISM非製造業景況指数が発表される。米供給管理協会(ISM)が毎月第3営業日に発表するISM非製造業景況指数は、米国の非製造業の購買担当者を対象に景況感のアンケート調査を実施し、指数化した指標。指数が50を上回ると景気拡大、50を下回ると景気後退と判断され、米国の景気動向を把握するうえで注目される。市場予想は51.7。前月の52.0から小幅に低下する見込み。前回8月は市場予想を上回り、半年ぶりの高水準を記録した。構成項目のうち、特に伸びが目立った新規受注は約1年ぶりとなる大幅な上昇幅を示し、米経済の大部分を占めるサービス業が堅調さを取り戻しつつあることが示唆された。サービスインフレの上昇が続いていることはインフレ上振れリスクの懸念となるものの、米経済が底堅いことを示す材料とも捉えられる。市場予想よりも強い結果は米ドル買い、市場予想よりも弱い結果は米ドル売りの材料と判断される可能性があるため、指標発表後の米ドルの動向に注目したい。
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500pips(50USD)ごと(例:3000ドル、3050ドル等)に通知。1日に1回日足の切り替わり時にリセットされます。
5,000USDごと(例:110,000ドル、115,000ドル等)に通知。1日に1回日足の切り替わり時にリセットされます。