2025.09.03
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2025.09.03
豪・ブロックRBA総裁の発言(日本時間17時00分)
英・要人発言(日本時間17時15分)
米・JOLTS求人件数(日本時間23時00分)
東京時間では、前日からの円売りの流れを引き継ぎ、米ドル買い・円売り優勢の地合いとなった。国内では前日にすでに報道されていたが、今朝方に「自民党の麻生氏が総裁選前倒しを要求する意向」との英文記事が伝わると、日本の政局の不安定さを嫌気した円売りが加速。日銀への過度な利上げ期待に対する調整も相まって、序盤は円全面安でスタートした。早朝の米ドル/円(USDJPY)は、NY終値付近の148.30円台で小幅に推移していたが、総裁選前倒し要求の記事が伝わると反発。本邦勢本格参入後は買いの勢いが強まり、前日高値の148.90円付近まで上値を伸ばした。しかし、上昇一服後は前日高値を更新することなく失速。株式市場が軟調に推移したことも重しとなり、午後には一転して売りが強まった。米ドル/円(USDJPY)と同様に、クロス円も序盤は上値を伸ばしたものの、午後には反落。ドルストレートは動意が薄く、小幅な上昇や下落が見られた。6日続伸の金(GOLD)は、本日の東京市場で3,546ドルを付け、史上最高値を連日更新。ただ、高値更新後は上値の重さが目立つ動きが続いたため、急激な上昇に対する反動で売りへと転じる可能性も想定しておきたい。株式市場では、日経株価(JP225)は前日比-0.88%と反落。前日の米株安を背景に序盤は下落スタートとなったが、為替の米ドル高・円安を材料にプラス圏へ反発。しかし、前引け前から一転して売りが強まり、後場では一時400円超の下げ幅で弱含む様子が見られた。この後の海外市場では、欧・豪・英の中央銀行総裁の発言が予定されており、NY時間以降は米連邦準備制度理事会(FRB)関係者の発言も予定されている。英国の財政懸念や日本とフランスの政局不安など、政治的リスクが意識されやすい状況にあるため、関連ヘッドラインに警戒しておきたい。
日本時間17時00分に、オーストラリア準備銀行(RBA)のブロック総裁が講演を行う。今月30日に控える次回政策金利発表に向けて、オーストラリアの今後の金融政策スタンスについて言及されるのか注目したい。RBAは8月12日に開催された会合で、全会一致での追加利下げを決定。会合後の記者会見では、ブロック総裁は「物価安定のために金利をさらに引き下げる必要があるかもしれない」と追加利下げに言及する一方で、「大幅利下げについては議論されていない」とも述べ、利下げに慎重な姿勢を示した。一部の金融関係者からは、年内あと1回の利下げを11月に実施する可能性があると予想されている。現状の豪経済が利下げを急ぐ状況ではないことや、本日発表された第2四半期GDPが予想を上回る大幅な伸びを示したことなどから、次回会合での利下げ期待が後退。東京時間では、豪ドル高・豪州株安が強まる動きとなった。この後のブロック総裁の講演で利下げ観測がさらに後退する動きとなれば、豪ドル買いが一段と加速する可能性があることに注目したい。
日本時間17時15分に、イングランド銀行(BOE)のブリーデン副総裁がイベント講演に出席する。また、日本時間22時15分には、ベイリー総裁やロンバルデッリ副総裁など中銀金融政策委員会(MPC)の複数の関係者が財政委員会に出席予定。前日の欧州時間には、英国の財政懸念の高まりで超長期債利回りの大幅上昇や英ポンドの急落が見られたため、本日の講演で英財政懸念について言及されることになるか確認したい。英国では、スターマー政権下での財政懸念が拡大しており、今年7月には英国の株・債券・通貨が揃って売られる英トリプル安の動きとなった。昨日の欧州時間でも、超長期債売りによる利回り上昇で、英30年利回りは1998年以来の高水準まで上昇。英ポンドと英株が売られ、再びトリプル安を彷彿とさせる地合いとなっている。本日のBOE関係者の発言や政府関係者の発言で、金融政策や財政懸念に触れる内容が述べられた場合、昨日と同様に為替市場で英ポンド主導の大幅な値動きが生じる可能性があることに警戒したい。
日本時間23時00分に、米国の7月JOLTS求人件数が発表される。米労働省労働統計局(BLS)が毎月発表するJOLTS求人件数は、米国内の求人状況を調査した指標。求人件数・採用件数・離職件数などの主要なデータを含む複数項目で構成されており、米国内の労働需給バランスを把握するうえで注目される。市場予想は737.8万件。前月を下回り、2ヶ月連続で減少する見込み。前回6月の結果では、宿泊・飲食業での求人件数と採用件数の下押しが特に目立ち、労働市場の減速が示唆されるデータとなった。これらの背景にはトランプ政権の移民取り締まり強化があるとみられ、特定業種での離職率の上昇が押し下げ要因となっている。今回の結果も前月比での減少が予想されているが、2日後に米雇用統計の発表を控えているだけに、市場予想からの乖離が大きい場合は米ドルが神経質に反応する可能性が考えられる。労働市場の悪化が懸念されているため、予想を下回った場合のネガティブサプライズには特に警戒しておきたい。
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