2025.09.02
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2025.09.02
欧・消費者物価指数【速報値】(日本時間18時00分)
欧・要人発言(日本時間21時45分~)
米・ISM製造業景況指数(日本時間23時00分)
東京時間では、氷見野日銀副総裁の発言を受けて円売りが加速する場面が見られた。北海道釧路市で開催された金融経済懇談会に出席した氷見野日銀副総裁は、利上げを継続していく考えを示す一方で、「リスクや不確実性がなくなることはない」と発言。また、「メインシナリオから離れた時にあまり困らないよう、適切に対応していく」と述べ、利上げのタイミングについて慎重な姿勢を示した。10時30分過ぎに氷見野日銀副総裁の発言が伝わると、市場は円売りで反応。147.30円台で推移していた米ドル/円(USDJPY)は、買いが強まり147.70円台まで急伸した。さらに、正午過ぎに実施された本邦10年国債入札で堅調な需要が確認され、本邦長期金利に下押し圧力が強まったことも円売りを後押し。米ドル/円(USDJPY)は東京時間序盤から欧州時間早朝にかけて目立った押し目を形成することなく上昇し、先月27日以来となる148円台まで高値更新。円全面安の動きとなったことから、クロス円も軒並み堅調に推移した。前日に続き買い優勢で上昇した金(GOLD)は、3,508ドルまで上値を伸ばし、史上最高値を更新。高値更新後は一旦伸び悩んだが、大きく下げることなく底堅い動きを維持した。株式市場では、日経株価(JP225)は前日比+0.29%と3日ぶりに反発。前日に下落した反動や、為替市場が大幅な円安に振れていることを背景に、寄り付きから買い優勢。ただ、前日の米株式市場が休場だったことから材料に乏しく、大きく買い戻される動きには至らなかった。本日は欧米の重要指標発表を控えているため、ユーロや米ドルの動向が注目される。NY時間以降は連休明けの米国とカナダが参入してくるため、月初に絡んだフローにも注意したい。
日本時間18時00分に、ユーロ圏の8月消費者物価指数(HICP)の速報値が発表される。HICPは、ユーロ圏の消費者が購入する商品やサービスの価格変動を測定した指標。欧州中央銀行(ECB)が政策金利を決定するうえで注視する重要指標であるため、ユーロ圏の経済指標の中でも注目度が高い。市場予想は、前年比2.0%。前月と同水準で、3ヶ月連続の横ばいとなる見込み。食料品やエネルギーを除いたコアは、前年比2.2%。前月を下回り、3ヶ月ぶりの低下が予想されている。ユーロ圏のインフレ率は5月の1.9%で底を付けた可能性が指摘されており、6月以降は小幅な上振れが継続。現状では9月と10月のECB理事会で据え置きが見込まれており、12月に利下げを再開するかが注目されている。先行して発表されたユーロ圏主要国の8月のインフレ率は、フランスが下振れ、ドイツが上振れと、まちまちな結果となっている。今回の結果が予想外に強い結果となった場合、年内利下げ期待の後退でユーロ売り、反対に予想外に弱い結果となった場合は年内利下げ期待の高まりでユーロ買いが生じる可能性があることに注目したい。
本日は欧州中央銀行(ECB)関係者の発言に注目したい。日本時間21時45分にミュラー・エストニア中銀総裁、日本時間23時00分にナーゲル独連銀総裁の発言が予定されている。ECBは今月11日に政策金利発表を控えているが、直近の経済データや要人発言から据え置きの公算が高まっている。ECBのタカ派メンバーの中で最も大きな影響力をもつシュナーベル専務理事は本日、「現時点ではさらなる利下げの理由は見当たらない」と発言。インフレリスクは上方向にあるとし、現在の金利水準がすでに緩和的であるとの見方を述べた。また、投票権はもたないもののECB政策委員会会合に参加するスロベニア中央銀行のドレンツ暫定総裁は、昨日のインタビューで「金融緩和サイクルが終了した」との認識を前回会合出席者の大多数が認識していると発言。前回会合以降に利下げを裏付ける新たな材料が出てきていないことから、当面は据え置きを維持する可能性が高いことを示唆した。市場ではすでに9月と10月会合での据え置きを織り込む動きが見られているが、本日のECB関係者の発言からも据え置きを示唆する内容が語られるのか注目したい。
日本時間23時00分に、米国の8月ISM製造業景況指数が発表される。ISM製造業景況指数は、米国の製造業購買担当者を対象に景況感のアンケート調査を実施し、指数化した指標。新規受注・生産・雇用・入荷遅延・在庫の5項目を総合した指数が示され、指数が50を下回ると景気後退、50を上回ると景気拡大と判断される。全米供給管理協会(ISM)が原則毎月第1営業日に発表しており、第3営業日に発表されるISM非製造業景況指数とともに米国の景気先行指標として注目される。市場予想は49.0。予想外に下振れた前月を上回り、6月の水準まで回復する見込み。前回7月の結果は、構成項目のうち雇用の悪化ペースが加速したことが押し下げ要因となり、前月からの伸びを見込んでいた市場予想に対して前月比で大幅に悪化する予想外の結果となった。受注や生産が小幅に改善したのに対して雇用の下振れが顕著に表れており、雇用統計の下振れも相まってリスクが物価から雇用に移行しつつある状況が示唆された。8月は2ヶ月ぶりの水準まで回復する見込みだが、前回同様に結果が予想を下回った場合は、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ期待が高まり米ドル売りが加速する可能性があることに警戒したい。
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