2025.08.27
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2025.08.27
米・週間原油在庫(日本時間23時30分)
米・5年国債入札(日本時間26時00分)
米・エヌビディア決算発表(日本時間29時00分頃)
東京時間では、前日のNY時間に加速した米ドル売りの動きが一服し、米ドル買い・円売り優勢の動きとなった。昨日は朝方に報じられた米連邦準備制度理事会(FRB)のクック理事の解任報道を皮切りに、トランプ米大統領が早くもクック理事の後任人事の選任を進めていることや、退任したクーグラー理事の後任候補となるミラン大統領経済諮問委員会(CEA)委員長を長期ポストに切り替える可能性があるとの考えを表明。FRBに対する政治的介入への警戒感が高まり、米国信認低下による米ドル売りが強まった。早朝の米ドル/円(USDJPY)はNY時間終値付近となる147.40円台でもみ合っていたが、東京勢参入後に買いが強まり上昇。本日が8月最終週のスポット応当日ということもあり、実需の米ドル買いに支えられ147.90円台まで上値を伸ばした。しかし、148円台に乗せることなく失速。徐々に円の買戻しも入り、午後になると米ドル/円(USDJPY)とクロス円は売りが強まる動きとなった。10時30分に発表されたオーストラリアの7月消費者物価指数(CPI)が市場予想を大幅に上回り、発表後に豪ドル買いが加速。昨日発表された8月会合のRBA議事録がハト派的な内容だったことから利下げ期待が高まっていたが、CPIが予想外に強い結果を示したことで豪ドル/円(AUDJPY)と豪ドル/米ドル(AUDUSD)、豪ASX200(AUS200)は一時買いが強まる様子が見られた。金(GOLD)は米国信認低下によるリスク回避の買いが強まっていたが、本日は一転して下落スタート。朝方に3,394ドルまで高値を更新したものの、東京時間に入ると米ドル買いの動きも相まって3,374ドルまで下押した。株式市場では、日経株価(JP225)は前日比+0.30%と小幅反発。前日の米株高の流れを引き継ぎ小幅高で寄り付いたが、新規材料に乏しく、NY引け後に予定されている米半導体大手エヌビディア(NVIDIA)の決算発表を控えた様子見ムードも強まり、動意が薄い動きが続いた。本日は目立った経済イベントが予定されていないため、金利や株価の動向を見据えながらトランプ米大統領の突発的な発言に警戒する展開となりそうだ。また、日本時間の本日13時01分にはトランプ政権がロシア産原油購入を巡ってインドの関税率を50%に引き上げたため、双方の今後の動向次第では米ドルやWTI原油(OIL)の値動きに影響を及ぼす可能性があることに注意したい。
日本時間23時30分に、米国の原油在庫が発表される。米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)が毎週水曜日に発表する原油在庫は、米国内で保有する商業用原油量を調査した指標。原油在庫の増加は需要の低迷、減少は需要の拡大と判断されるため、米国の景気動向を把握するうえで注目度が高い。週明けに今月7日以来となる1バレル=65ドルまで上昇したWTI原油(OIL)は、昨日のNY時間に63ドルまで急落。ウクライナのドローン攻撃によって稼働停止していたロシアの製油所が予定よりも前倒しで操業再開するとの報道が伝わったことや、トランプ米大統領のFRBに対する政治的介入への懸念が意識され、原油相場の上値を抑えた。また、トランプ米大統領は日本時間の本日13時01分に、ロシア産原油の購入を続けるインドに対して追加関税25%を上乗せした50%の関税を発動。インドは購入量を減らすことを表明しているものの、ロシアとの関係を絶つ可能性は低いとみられており、今後の動向次第では原油相場に影響を与える可能性が考えられる。リスクに敏感なWTI原油(OIL)の値動きを注視し、慎重にトレードチャンスを捉えたい。
日本時間26時00分に、米財務省による5年国債入札(700億ドル)が実施される。今週は、昨日実施された2年国債入札(690億ドル)と明日実施される7年国債入札(440億ドル)を含む総額1,830億ドルの中期国債入札を実施予定。国債入札によって債券価格と米長期金利が変動すると、金利に連動して米ドルに値動きが生じる可能性があることに注意したい。昨日の東京時間に、トランプ米大統領が米連邦準備制度理事会(FRB)のクック理事を解任すると発表したことから、米国債が一時大幅下落。長期金利の指標となる米10年債利回りは大幅上昇し、米国信認低下が警戒される動きとなった。トランプ米大統領の政治的介入がFRBの独立性を脅かすとの見方から、市場では米国資産からの流出が加速する米トリプル安の動きも一時的に見られている。トランプ米大統領が再びFRBに対する圧力を強めた場合は米国債の下落に繋がる可能性があるため、国債入札の結果と合わせて突発的な発言には警戒しておきたい。
本日は、NY市場引け後(日本時間29時00分頃)に米半導体大手エヌビディア(NVIDIA)の第2四半期決算発表が予定されている。今週に入り、株式市場ではエヌビディア(NVIDIA)の決算待ちの様子見姿勢が続いているため、発表後に株価や為替で急激な値動きが発生する可能性が高いことに警戒しておきたい。エヌビディア(NVIDIA)は先月、世界で初めて時価総額4兆ドルを突破。本日発表される第2四半期の売上高は約462億ドルと予想されており、オプション市場のデータからは発表後に時価総額が約2,600億ドル変動する可能性があるとの予想も伝わっている。今年に入って株価が34%上昇していることから市場の注目度も非常に高まっているが、事前の期待値が高すぎることで、好決算にも関わらず株価が素直に上昇するとは限らない点には注意が必要。過去には事前予想を上回っているにも関わらず株価が下落したケースもあるため、決算発表後のS&P500(US500)やナスダック(US100)の動きを注意深く見極めたい。
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