2025.07.10
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2025.07.10
米・新規失業保険申請件数(日本時間21時30分)
米・要人発言(日本時間22時00分~)
米・30年国債入札(日本時間26時00分)
東京時間では、トランプ米大統領が新たに銅に対して50%の関税を課すことを発表したことから、序盤は米ドル売り・円買い優勢でスタートした。トランプ米大統領は、今月8日に新たな銅関税を課す方針であることを明らかにしており、本日朝方に8月1日から50%の銅関税を発動することを正式に発表。鉄鋼・アルミニウムに対する関税に続き、銅に対する関税賦課で米国内の銅生産能力を回復させる目的であると述べた。これを受けて米ドル売り・円買いが強まり、米ドル/円(USDJPY)は下げ幅を拡大。146円を割り込み、一時145.70円台まで下押した。しかし、下げ一服後は買い戻されて反発。再び146円台に乗せ、前日終値付近でのもみ合いとなった。米ドル売りの動きから、多くの主要国通貨は対米ドルで強含み。円買いから円売りに転じたことから、対円でも堅調に上値を伸ばす動きとなった。昨日のNY時間に反発した金(GOLD)は、東京時間でも上昇基調が継続。米ドル買い圧力が落ち着いたことも後押しとなり、底堅い動きを継続した。アジア株は軒並みプラス圏で推移。関税に対する警戒感は払拭されていないものの、昨日のNY時間に米半導体大手エヌビディア(NVIDIA)の時価総額が世界で初めて4兆ドルを突破したことや、米中貿易協議が近く進展する可能性があることへの期待感から上昇した。国内株式市場では、日経株価(JP225)は前日比-0.44%と反落。銅関税への懸念で為替が円高に振れたことから、序盤は売りが先行。エヌビディア(NVIDIA)が上場来高値を更新したことで半導体関連銘柄の上昇が期待されたものの、後場でも円高や関税への警戒感から軟調地合いが継続した。本日はNY時間以降の重要イベントや関税についての関連ヘッドラインに警戒する展開が予想される。このところ円売りに振れやすい地合いが続いていたが、本日朝方にはリスク回避で円が買われる場面も見られたため、関税に関する警戒感が高まった場合に素直に円買いの動きとなるのか慎重に確認したい。
日本時間21時30分に、米国の新規失業保険申請件数が発表される。新規失業保険申請件数は、米国内で失業者が失業保険を初めて申請した件数を集計した指標。米労働省雇用統計局が毎週木曜日に週次の結果を発表しており、労働市場の動向を把握する上での先行指標として注目される。市場予想は23.5万件。前週の23.3万件から小幅に増加する見込み。新規失業保険申請件数は、5月半ばから6月半ばまでの1ヶ月分の集計データでは毎週24万件を上回る結果が続いてたが、前回は予想外に減少し、約6週間ぶりの低水準を示した。6月の雇用統計でも失業率が予想外に低下しており、米国の労働市場の底堅さが示された。このまま雇用関連指標が堅調さを維持すれば、米国の利下げ期待が後退する可能性が考えられる。市場予想からの上振れは米ドル買い、下振れは米ドル売りの材料と判断される可能性が高いため、指標発表後のドルストレートの値動きに注目したい。
本日は米連邦準備制度理事会(FRB)関係者の発言に注目したい。日本時間22時00分にムサレム・セントルイス連銀総裁、日本時間27時30分にデイリー・サンフランシスコ連銀総裁が発言予定。昨日公表された6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録で、7月の早期利下げが可能であるとの認識を示したのが19名中2名のみであったことが明らかになった。ウォラー理事とボウマン副議長は6月会合後に早期利下げについて言及しており、他の政策メンバーは早ければ秋に利下げが可能になるとの見解を述べている。また、議事要旨では関税による物価への影響は依然として不確実な部分が多く、早期に利下げを実施する必要性がないことが強調されていたため、議事要旨公表後に利下げ期待がさらに後退。年内2回の利下げ見込みであることから、市場では9月と12月の会合での利下げを織り込む動きが広がった。7月会合の据え置きの可能性や9月会合以降の利下げ見通しについて、FRB関係者から具体的な見解が示されるのか注目したい。
日本時間26時00分に、米財務省による30年国債入札(220億ドル)が実施される。長期国債入札は市場注目度が高いため、債券価格や長期金利の動きに影響を与える可能性が高い点に注意したい。8日に実施された3年国債入札(580億ドル)は低調な結果となったが、昨日9日に実施された10年国債入札(390億ドル)では投資家からの堅調な需要が確認された。現状では米資産離れの懸念は後退しているが、米国の財政悪化の影響で今後の米国債の増発に対する懸念は高まっている。また、トランプ米大統領が打ち出す大規模な減税・歳出法案が今後数年間にわたって財政赤字を膨らませるとの見方から、長期国債入札に対して一時不安が広がっていたが、現在は懸念が緩和されている。世界的に長期国債が敬遠される流れになりつつある状況で、堅調な需要が示されることになるか注目したい。国債入札後は、債券価格の変動と長期金利の指標となる米10年債利回りの変動が生じる可能性が高い。米10年債利回りの変動に伴って米ドルの値動きが活発になる可能性がある点に注意したい。
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