米関税ショックの影響が拡大

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米関税ショックの影響が拡大

米関税ショックの影響が拡大
相場レポート

2025.04.07

2025.04.07

本日のポイント

  1. 欧・小売売上高(日本時間18時00分)

  2. 欧・要人発言(日本時間18時45分)

  3. 米・要人発言(日本時間23時30分)

週明けの東京時間では、トランプ政権の関税政策による米国のリセッション懸念や世界的な景気後退懸念が拡大し、リスク回避の地合いが継続した。主要国通貨の多くが対円と対ドルで大きく窓を開けた状態でスタート。米ドル/円(USDJPY)は先週末終値の146.90円台から145.50円台まで大幅下落して始まり、一時145円割れ水準まで下げ幅を拡大した。東京勢参入後は買戻しが加速し、146.80円台まで反発。しかし、窓埋めが完了すると再び下げへと転じ、円買いの動きが強まった。クロス円も米ドル/円(USDJPY)と同様に序盤は窓埋めの上昇が加速。ユーロが特に弱含み、ユーロ/円(EURJPY)は先週末終値の161.10円台から158.40円台まで3円近い急落からのスタートとなった。アジア各国の株式市場は揃って大幅続落。米国への報復関税を発表した中国では景気支援策の前倒しが協議されているものの、それを上回る景気後退リスクが高まっていることで香港ハンセン指数(HK50)は一時前週末比5%超の暴落となった。ビットコイン(BTCUSD)やイーサリアム(ETHUSD)など、リスク資産の仮想通貨も揃って急落。安全資産の債券への逃避需要が高まったことで米国債に買いが集中しており、債券買いの動きから米10年債利回りが3.90%を割り込む水準まで低下した。国内株式市場では、日経株価(JP225)は前週末比-7.83%と、2,600円超の大幅続落。寄り付きから幅広い銘柄で売りが広がり、一時2,900円超下落で2023年10月以来となる3万1,000円割れ水準まで下げ幅を拡大。その後も安値圏でのもみ合いが続き、全面安で取引を終えた。本日は目立った重要指標発表が予定されていないため、引き続き関税政策によるリスク回避の動きを注視する展開が予想される。1987年のブランクマンデーを彷彿とさせるショック相場の動向に十分警戒したい。

1. 欧・小売売上高(日本時間18時00分)

日本時間18時00分に、ユーロ圏の2月小売売上高が発表される。小売売上高は、ユーロ圏の小売業の売上高を月毎に集計し、指数化した指標。個人消費や消費者信頼感との関連性が高く、ユーロ圏最大の経済規模を誇るドイツと次いで2位のフランスが全体の半数近くを占める。市場予想は、前月比が0.5%、前年比が1.9%。前月比・前年比ともに前回値を上回るとみられ、前月比では5ヵ月ぶりの伸びが見込まれている。先立って発表されたドイツの2月小売売上高は、前月比で予想を大きく上回ったものの、前年比は大幅上昇した前月から伸び率が縮小した。予想値からの上振れはユーロ買い、下振れはユーロ売りの材料と判断されるため、指標発表後のユーロの動向に注目したい。

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2. 欧・要人発言(日本時間18時45分)

日本時間18時45分に、欧州中央銀行(ECB)のチポローネ専務理事の発言が予定されている。チポローネ専務理事はECBメンバーの中でもハト派寄りのスタンスを示しており、先月末のインタビューでは更なる追加利下げが可能であるとの認識を述べた。ECBは3月6日の理事会で5会合連続での利下げを決定したが、次回4月の理事会では経済の不確実性を理由に利下げの一時停止もあり得ると述べている。ただ、先週末に発表されたトランプ政権の相互関税の影響で各国の金融政策スタンスが変わってくる可能性が高い。ギリシャ中銀のストゥルナラス総裁は、関税はユーロ圏にとってデフレ要因であると発言しており、成長率低下をもたらすことになればECBが追加利下げをせざるを得ない状況になるとも考えられる。貿易戦争が激化しつつある状況で、10日後に控える次回理事会に向けてECB関係者がどのような見解を示すのか注目したい。

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3. 米・要人発言(日本時間23時30分)

日本時間23時00分に、米連邦準備制度理事会(FRB)のクーグラー理事の講演が予定されている。トランプ政権の相互関税が金融市場の混乱を招いている状況下で、FRB関係者がどのような見解を述べるのか注目したい。FRBは3月のFOMCで2会合連続での据え置きを発表。関税政策の不確実性を見極める姿勢は変わらないものの、4日に行われたパウエルFRB議長の講演では「関税引き上げは予想よりも大幅である」と述べられ、失業率とインフレ率の上昇リスクがともに高まっているとの見方が示された。先月までの発言内容よりも慎重な姿勢が示されており、「関税によるインフレは一過性のもの」との認識から「持続的になる可能性もある」との認識に変化している。米国のリセッション入り懸念が高まっているなか、FRBはインフレ上昇・雇用の悪化・成長鈍化などのリスクを慎重に見極める姿勢が求められる。次回5月のFOMCに向けて、FRB関係者の最新の見通しを確認しておきたい。

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アナリストワタル

著者:アナリストワタル

FX投資歴20年の実績をもつ為替専業トレーダー。ファンダメンタルズ分析とチャート分析を組み合わせた手法で順張りのコツを掴む。主なトレードスタイルは、順張りスイングトレード。過去には、金融メディアで、FXマーケットアナリストとして為替市場の調査やレポート作成業務の経験あり。