
2025.12.10
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欧・ラガルドECB総裁の発言(日本時間19時55分)
加・BOC政策金利(日本時間23時45分)
米・FOMC政策金利(日本時間28時00分)
東京時間では、今夜の米連邦公開市場委員会(FOMC)を見据えた様子見ムードが広がった。米ドル/円(USDJPY)は昨日のNY時間に発表された米経済指標の強い結果や米長期金利の上昇を背景に、約2週間ぶりとなる156.90円台まで上値を拡大。東京時間も底堅い動きでスタートしたが、本日のFOMCでの利下げ観測を踏まえると積極的な高値トライには繋がらず、157円に乗せることなく失速した。また、日経株価(JP225)が大幅に下落したことでリスク回避の円買いが強まったことが米ドル/円(USDJPY)の売りを後押し。下値は限定的ではあるものの156.50円台まで値を下げ、米ドル/円(USDJPY)に連れてクロス円も軒並み売りが強まった。東京午後にはやや米ドル売りが加速し、ドルストレートは全般ドル安方向へ推移。オセアニア通貨が堅調な動きとなったため、豪ドル/米ドル(AUDUSD)とNZドル/米ドル(NZDUSD)で特に買いの勢いが強まった。金(GOLD)は方向感のない動き。上値は前日高値付近の4,218ドル、下値は節目の4,200ドルで支えられ、小幅なレンジ内で推移した。株式市場では、日経株価(JP225)は前日比-0.10%と反落。昨日の海外時間に円安が進行したことを背景に、寄り付きは上昇スタート。しかし、5万1,000円台に乗せたところで伸び悩み、持ち高調整の売りに押されて序盤の上げ幅を解消する結果となった。本日は日本時間28時00分にFOMC政策金利発表が予定されているため、この後の海外時間でも様子見の地合いが続くことが予想される。今回のFOMCは利下げがほぼ織り込まれているが、FRBが示す金融政策スタンスには警戒が必要。ブラックアウト期間入り前の時点では、複数のFRBメンバーからインフレリスクを懸念する声が多く挙がっていたため、満場一致での利下げに至らなかった場合は米ドルの買戻しが強まる可能性があることも想定しておきたい。
日本時間19時55分に、欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁が英フィナンシャル・タイムズ(FT)のイベントに出席し、FTチーフ・エコノミクス・コメンテーターのマーティン・ウルフ氏と対談する。ユーロの将来性やデジタルユーロに関する対談が予定されているが、ユーロ圏の金融政策について言及する場面がみられるか確認しておきたい。今月18日に予定されるECB理事会では政策金利の据え置きがほぼ確実視されており、ラガルド総裁からも「現在の金利水準は適切」との発言が繰り返されている。多くのECBメンバーが揃って据え置きを示唆していることから当面の据え置きはすでに織り込まれているが、今週に入りタカ派メンバーのシュナーベル専務理事が「次の動きが利上げであるという見方に違和感はない」と発言したことで、一時ユーロ買いが強まる動きがみられた。本日の対談の場でラガルド総裁が金利水準について具体的な見解を示す可能性は高くないが、利下げや利上げの可能性について触れた場合はユーロが反応する可能性があることに注意したい。
日本時間23時45分に、カナダ中央銀行(BOC)が政策金利を発表する。今回は政策金利を現在の2.25%で維持することが予想されており、7月会合以来の据え置きとなる見込み。先週発表されたカナダの11月雇用統計は、失業率が市場予想の7.0%を大きく下回る6.5%まで改善。雇用者数も前月からの減速が見込まれていたが、予想に反して5.36万人増と強い結果を示した。また、先月発表された10月の消費者物価指数(CPI)は、予想外に上振れた9月の2.4%を下回る2.2%まで伸び率が鈍化。10月会合でも今後のインフレ率が安定化していくとの見通しが示されているため、これらの経済データから12月会合での据え置きの観測が高まった。本日は28時00分に米国の政策金利発表が控えていることもあり、発表後の反応は一時的なものにとどまる可能性がある。ただ、マックレムBOC総裁の記者会見で今後の金融政策スタンスの見通しについて具体的に言及された場合は、カナダドルが動意づく可能性があることに注意したい。
日本時間28時00分に、米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利発表が予定されている。今回は0.25%の利下げを実施し、政策金利を3.75-3.50%に引き下げることが見込まれている。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)のメンバー間で意見が割れている状況が考えられるため、28時30分に開始するパウエル議長の記者会見や、同時に発表される最新の経済見通し(SEP)の内容に警戒しておきたい。前回10月会合以降は年内の据え置き期待が高まっていたものの、直近の弱い経済データから米国の景気後退懸念が高まり、利下げ観測が浮上。11月下旬から急速に利下げを織り込む動きが強まった。しかし、複数のFRB関係者はインフレ加速を警戒する見方を示しており、今回の会合で据え置きを支持して反対票を投じる可能性も否定できないため注意が必要。市場ではタカ派的なスタンスを維持しての利下げが予想されているため、声明文やパウエル議長の記者会見、SEPから来年以降の利下げ停止の可能性が示唆された場合、米ドル買いが強まる可能性があることに警戒しておきたい。
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