
2025.10.07
2025.10.07
加・貿易収支(日本時間21時30分)
加・Ivey購買部協会指数(日本時間23時00分)
米・要人発言(日本時間23時00分~)
東京時間では、前日から続く円安・株高の流れを引き続く地合いとなった。自民党の高市総裁が財政拡張と金融緩和を推し進めるとの見方から、10月会合での日銀の利上げ期待が大きく後退。先週までは日銀関係者から利上げを示唆する発言が続いていたものの、市場は10月会合での利上げを一旦見送る可能性が高いとみており、12月会合で利上げを実施するとの見方が優勢となっている。日銀の利上げ期待が高まっていたことへの反動もあり、為替市場では円売り圧力が加速。米ドル/円(USDJPY)は、急激な上昇は一服したものの、150円台で高止まり。欧州朝方にかけて米ドル買いが強まったことを背景に、150.70円まで上値を伸ばした。クロス円も序盤は底堅い動きを示したが、午後に入ると上昇一服でじり安。オセアニア通貨が売り優勢となったため、豪ドル/米ドル(AUDUSD)とNZドル/米ドル(NZDUSD)はともに下げ幅を拡大した。金(GOLD)は上昇基調を継続し、本日の東京時間でも史上最高値を小幅に更新。積極的な上値追いの勢いは見られないものの、押し目ではしっかり買われる底堅さがあるため、もう一段の高値更新が見られるか注目したい。株式市場では、日経株価(JP225)は前日比+0.01%と小幅続伸。前日の米株高や高市総裁による積極財政への期待感から、寄り付きは取引時間中の最高値を更新してスタート。一時500円超の上昇幅で堅調な動きを見せたが、利益確定売りに押されて失速し、前日終値とほぼ同水準で取引を終えた。本日は、米政府機関閉鎖の影響で、米国の8月貿易収支の発表が延期となる見通し。海外時間以降は目立った経済指標の発表は予定されていないが、欧米金融当局者の要人発言が数多く予定されているため、各国の利下げ見通しについて確認したい。
日本時間21時30分に、カナダの8月貿易収支が発表される。貿易収支は、財やサービスの輸出額から輸入額を差し引き、その差額を算出した指標。輸出額が輸入額を上回る輸出超過の状態が貿易黒字、反対に輸入額が輸出額を上回る輸入超過の状態が貿易赤字となり、国の収支を示す最も大きな指標として注目される。市場予想は-56.0億。前月の-49.4億から赤字幅が拡大する見込み。前回7月の貿易収支は、カナダの最大の貿易相手国である米国への輸出が増加したことで、前月比で予想以上に赤字が縮小した。関税発動直後の4月には過去最大の大幅赤字となったが、5月以降は徐々に改善がみられている。貿易上の先行き不透明感は完全に解消されていないため黒字回復までの道のりは遠いと思われるが、前月比で赤字が縮小すればカナダドル買い、赤字が拡大すればカナダドル売りで反応する可能性があることに注意したい。
日本時間23時00分に、カナダの9月Ivey購買部協会指数が発表される。Ivey購買部協会指数は、カナダ国内の購買担当者の景況感を調査し、指数化した指標。カナダ購買部協会(PMAC)とRichard Ivey School of Businessが共同で調査しており、指数が50を上回ると景況感の改善、指数が50を下回ると景況感の悪化と判断される。前回8月は、7月の55.8を下回る50.1まで大幅に低下。5月から3ヶ月連続で改善傾向が見られたものの、4ヶ月ぶりに前月比を下回る結果となった。先週発表されたカナダの9月製造業購買担当者景況感指数(PMI)は、市場予想を下回る水準まで低下しており、関税による不透明感がカナダの製造業の見通しを悪化させていることが示された。本日の結果が市場予想を下回るとカナダドル売り、市場予想を上回るとカナダドル買いの材料と判断される可能性があるため、指標発表後のカナダドルの動向に注目したい。
本日は、NY時間以降に米連邦準備制度理事会(FRB)関係者の発言が複数予定されている。日本時間23時00分にボスティック・アトランタ連銀総裁、日本時間23時05分にボウマンFRB副議長、日本時間23時30分にミランFRB理事、日本時間24時30分にカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、日本時間29時05分に再びミランFRB理事が発言予定。米政府機関の一部閉鎖が懸念される状況下で、FRBの利下げ見通しに変化が生じる可能性があるか確認したい。FRB理事就任以前から大幅利下げの必要性を主張してきたミラン理事は、先週金曜日のインタビューで改めて積極的に利下げを進める必要性があることを強調。ハト派スタンスをとる他のFRB関係者よりもさらに大幅な緩和を推奨していると報じられていることに対しては、周囲のFRB関係者の見通しと大きな乖離はないとの見解を示した。本日発言予定のボウマン副議長も、労働市場の悪化を懸念して利下げの必要性を主張してきた人物の1人。市場の注目は年内あと2回の会合での利下げ幅について向けられており、ミラン理事以外の関係者が大幅利下げについて言及した場合、米ドルが神経質に反応する可能性があることに注意したい。
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