2025.05.13
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英・要人発言(日本時間17時45分~)
欧・ZEW景況感指数(日本時間18時00分)
米・消費者物価指数(日本時間21時30分)
東京時間では、前日のリスクオンの動きに調整が入り、円買い優勢の相場となった。昨日のNY時間に4月3日以来となる148.60円台まで上昇した米ドル/円(USDJPY)は、朝方からじりじりと安値を切り下げて推移。仲値にかけて売りが加速し、仲値通過後も反発することなく147.60円台まで下落した。オセアニア通貨は堅調。米中の貿易交渉進展がオセアニア各国の経済へポジティブな影響をもたらすとの期待から、買いが先行した。豪ドルとNZドルは対ドルと対ユーロで大幅に上昇。買い優勢で推移した円に対しても強含み、クロス円が軒並み下落するなか豪ドル/円(AUDJPY)とNZドル/円(NZDJPY)は堅調に上値を伸ばした。金(GOLD)は反発。前日の売りへの反動で、3,260ドル付近まで値を上げた。株式市場では、日経株価(JP225)は前日比+1.43%と4日続伸。米中の大幅な関税引き下げの発表で警戒感が後退したことから、寄り付きは大幅上昇でスタート。前日の米株高や為替市場での円安を材料に一時800円超の上昇を示し、今年3月以来の3万8,000円台に乗せて取引を終えた。本日はNY時間序盤に発表される米国の4月消費者物価指数(CPI)に注目したい。米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ抑制を重視した金融政策スタンスを維持していることから、インフレ指標への市場注目度が高まっている。今回の結果は関税による影響が限定的となる見通しだが、予測が難しい側面があるため、予想値から大きく乖離した際の米ドルの上昇・下落リスクに備えておきたい。
本日はイングランド銀行(BOE)英中銀金融政策委員会(MPC)関係者の発言に注目したい。日本時間17時45分にピルMPC委員の講演、日本時間23時10分にベイリーBOE総裁とマクルーフ・アイルランド中銀総裁の対談が予定されている。今月8日に開かれたBOE会合で投票メンバーの主張が分かれたことから、次回6月会合での利下げの可能性を探る動きが続いている。ピルMPC委員はインフレ持続リスクや借り入れコストの低下などを理由に金利据え置きを支持しており、本日も同様の見解が示されるのか注目したい。また、タカ派寄りスタンスのグリーンMPC委員は昨日の講演で、関税政策がディスインフレに繋がるとの考えを示し、0.25%の利下げを支持した理由であると明かした。MPCメンバー内でインフレリスクに対する見解にばらつきがあるため、今後の経済指標の結果を睨みながら利下げ見通しを見極める展開が続きそうだ。要人発言から利下げ期待が高まれば英ポンド売り、据え置きの可能性が高まれば英ポンド買いで反応する可能性があることを想定しておきたい。
日本時間18時00分に、ドイツの5月ZEW景況感指数が発表される。ZEW景況感指数は、ドイツの民間調査会社の欧州経済研究センター(ZEW)がドイツの今後6ヵ月の景気見通しについて調査した指標。指数がゼロを上回れば景況改善、下回れば景況悪化と判断される。市場予想は11.3。大幅に悪化した前回値の-14.0から回復が見込まれている。前回4月の結果は、トランプ政権の関税発動を受けて市場参加者の景況感が大幅に悪化する結果となった。2023年10月以来となるマイナス水準まで急落し、2022年のウクライナ侵攻以来の落ち込みを記録。急降下した前回値からはやや持ち直すと予想されているが、ドイツ経済低迷への懸念は依然として根強い。結果が予想を上回った場合はユーロ買い、下回った場合はユーロ売りの材料と判断されるため、予想値からの乖離が大きい場合はユーロ/米ドル(EURUSD)が動意づく可能性があることに注意したい。
日本時間21時30分に、米国の4月消費者物価指数(CPI)が発表される。CPIは、米国の消費者が購入する商品やサービスの価格変動を測定した指標。米国のインフレ率の変動を把握する上で重要度が高い。市場予想は、総合指数が前月比0.3%、前年比2.4%。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は、前月比0.3%、前年比2.8%。いずれも前年比は横ばいが予想されており、前月比は予想外に鈍化した3月から伸びが見込まれている。4月のCPIは関税による影響がまだ限定的であると予想されるが、中国製品を中心に物価上昇は広がりつつあるため、インフレ率にどの程度反映されているか確認したい。市場予想を上回る結果となった場合、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げに慎重な姿勢を裏付けるデータと判断され、米ドル買いが加速する可能性が考えられる。米中貿易摩擦の緩和期待から米ドル買い優勢の地合いとなっているため、予想を上振れた場合は米ドル/円(USDJPY)がさらに上値を伸ばす動きになるか注目したい。
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