売り買い交錯する米ドル相場の動向を注視

2026.07.16
2026.07.16
本日のポイント
米・新規失業保険申請件数(日本時間21時30分)
米・小売売上高(日本時間21時30分)
米・フィラデルフィア連銀景況指数(日本時間21時30分)
東京時間では、材料の出尽くし感から様子見ムードが広がった。米ドル相場は、米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利上げ期待後退による米ドル売りと、原油高やウォーシュFRB議長のタカ派姿勢を背景とした米ドル買いが交錯し、方向感に乏しい状況。また、円相場は政府の「骨太の方針」による財政悪化懸念の円売りと、片山財務相から連日言及されているGRIFのポートフォリオ見直しを期待した円買いの動きが生じている。本日の米ドル/円(USDJPY)は、今週最大の注目材料である米CPIや米PPIを通過し、手掛かり難で膠着状態を継続。162.00円から162.20円付近での小幅なもみ合いが続き、米ドル/円(USDJPY)以外の主要通貨ペア全般も軒並み方向感に欠ける小動きとなった。WTI原油先物(OIL)は80ドル付近で高止まりしており、本日は朝方からやや売り優勢で推移。米軍によるイランへの攻撃が5日連続で続いているため、リスク警戒感が拡大した場合は原油高や有事の米ドル買いが加速する可能性がある。株式市場では、日経平均株価は前日比-2.79%と3日ぶりに反落。前日の米半導体関連株安を背景に大幅安で寄り付き、一時2,200円超まで下げ幅を拡大。売り一巡後も安値圏でのもみ合いが続き、引けまで軟調地合いとなった。本日はNY時間序盤に6月小売売上高など複数の米指標が発表される。今週発表された物価指標が軒並み弱い結果となったため、下振れによる米ドル売りリスクには特に注意したい。
1. 米・新規失業保険申請件数(日本時間21時30分)
日本時間21時30分に、7月11日までの1週間の米新規失業保険申請件数が発表される。市場予想は21.7万件と、前回の21.5万件から増加する見込み。米国の労働市場では、採用と解雇がともに低水準の状況が続いており、新規失業保険申請件数の推移は安定しているものの継続申請件数が増加傾向を維持している。こうした状況が長引くと雇用者数や失業率の下押し圧力につながるため、週次データから最新の労働市場の動向を確認したい。結果と予想値の乖離が大きい場合、米ドル相場の動意につながる可能性がある。
2. 米・小売売上高(日本時間21時30分)
日本時間21時30分に、米国の6月小売売上高が発表される。市場予想は、総合指数が前月比+0.2%、変動が大きい自動車を除いた小売売上高は前月比-0.1%。いずれも前回5月から伸びが鈍化する見込み。5月時点では、原油価格の高止まりがガソリンスタンドの売上を押し上げたことや、政府による税還付の措置などで消費者の購買意欲が維持されたことで、堅調な伸びを示した。6月以降はこれらの効果が徐々に減速することが予想されており、購買力がどの程度維持できるかが注目ポイント。予想を上回る結果は米ドル買い、予想を下回る結果は米ドル売りの材料と判断されやすい。
3. 米・フィラデルフィア連銀景況指数(日本時間21時30分)
日本時間21時30分に、7月のフィラデルフィア連銀景況指数が発表される。市場予想は+13.0と、前回値の+10.3を上回り、2ヶ月連続で改善する見込み。米国のフィラデルフィア連銀の管轄区内にある製造業の景況感を示す本指標は、米国の景気動向を反映する材料として注目される。地理的にも近接しているニューヨーク連銀製造業景気指数の7月の結果は予想を上回る伸びを示したため、同様に強い結果となれば米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ期待を後押しする可能性がある。同時刻に発表される他の米指標の結果も踏まえ、米ドルや米株がどのような反応を示すか注目したい。
最近のレポート 記事一覧
-
2026.10.23
NEW
揺れるAI相場、欧米PMIが次の焦点
揺れるAI相場、欧米PMIが次の焦点
-
2026.10.22
NEW
円高・株安が進行、リスク回避姿勢強まる
円高・株安が進行、リスク回避姿勢強まる
-
2026.10.21
NEW
日経平均反発、ドル円は方向感欠く
日経平均反発、ドル円は方向感欠く
-
2026.10.20
NEW
ドル円158円台で神経戦、日経平均は大幅続落
ドル円158円台で神経戦、日経平均は大幅続落
-
2026.10.19
NEW
米株安が波及、円相場は膠着
米株安が波及、円相場は膠着
-
2026.10.16
NEW
株価反発も警戒続く、焦点は米金利
株価反発も警戒続く、焦点は米金利
-
2026.10.15
AIショック再燃、ドル円159円の攻防
AIショック再燃、ドル円159円の攻防
-
2026.10.14
CPI待ちの静寂、地政学リスクの火種
CPI待ちの静寂、地政学リスクの火種
-
2026.10.13
円安圏の攻防、迫る中東リスク
円安圏の攻防、迫る中東リスク
-
2026.10.12
流動性低下に伴う急変動に注意
流動性低下に伴う急変動に注意
