植田日銀総裁の発言と円相場の動向を注視

2025.12.09
2025.12.09
本日のポイント
日・植田日銀総裁の発言(日本時間18時00分)
米・JOLTS求人件数(日本時間24時00分)
米・景気先行指数(日本時間24時00分)
東京時間では、オーストラリア準備銀行(RBA)の政策金利発表を受けて、豪ドル買いが加速した。12時30分に発表されたオーストラリアの政策金利は、市場予想通り現行の3.60%で据え置き。発表直後は一時的に豪ドル売りが強まったものの、ブロック総裁の記者会見で追加利下げの可能性に否定的な考えが述べられたことから豪ドル買いへと繋がった。豪ドル/円(AUDJPY)はブロック総裁の会見後に上げ幅を拡大し、昨年7月以来となる103.67円台まで上昇。豪ドル/米ドル(AUDUSD)も会見後に大きく値を上げたが、目先の抵抗帯となる0.6648ドルで一旦は頭打ちとなった。米ドル/円(USDJPY)は方向感に欠ける動き。東京午後に入るとやや買いが強まったが、高市首相が衆院予算委員会で「為替はファンダメンタルズを反映して安定的に推移するのが重要」と述べたことから、一時上値を抑えられる動きがみられた。なお、同予算委員会に出席した植田日銀総裁は「物価や経済の中心的な見通しが実現していけば利上げで緩和を調整」と述べ、最近の長期金利の上昇については「やや早いスピード」で上昇しているとの認識を示している。金(GOLD)は下落。序盤は4,200ドルをわずかに下回る水準で横ばい推移していたが、午後に入ると米ドル/円(USDJPY)の上昇とともに売りが強まり、1週間ぶりとなる4,170ドルまで下げ幅を拡大した。株式市場では、日経株価(JP225)は前日比+0.14%と小幅続伸。半導体関連銘柄の買いが先行し、寄り付きは小幅高でスタート。ただ、本日からの米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に積極的な売買には繋がらず、売り買いが交錯する地合いが続いた。本日は18時00分に予定される植田日銀総裁の発言に注目が集まっている。タカ派色を強めるような発言が聞かれた場合は利上げ期待から円買いが強まる可能性があるが、一方で具体的な発言を避けた場合は期待感の後退で円売りが強まる可能性があることを想定しておきたい。
1. 日・植田日銀総裁の発言(日本時間18時00分)
日本時間18時00分に、植田日銀総裁が英フィナンシャル・タイムズ(FT)のイベントに出席し、FTチーフ・エコノミクス・コメンテーターのマーティン・ウルフ氏と対談する。今回の対談では金利や財政について議論されるため、日銀の今後の金融政策について具合的な見通しが述べられるか注目したい。植田日銀総裁は今月1日に「利上げの是非を適切に判断したい」と発言し、利上げの可能性について言及。また、現在の金利水準は利上げをしてもなお緩和的であるとの見方も述べ、市場は一連の発言をタカ派的と捉えた。日銀は今月18-19日の金融政策決定会合で0.25%の利上げに踏み切るとの公算が高まっているため、利上げ姿勢を裏付けるようなタカ派的な発言があった場合、市場は円買いで反応する可能性があることに注目したい。
2. 米・JOLTS求人件数(日本時間24時00分)
日本時間24時00分に、米国の9月と10月のJOLTS求人件数が発表される。米政府機関閉鎖の影響により、今回は延期されていた2ヶ月分の発表となる。米労働省労働統計局(BLS)が発表するJOLTS求人件数は、求人件数・採用件数・離職件数など米国の求人状況について調査した指標。米国の雇用関連指標のなかで最も重要度が高い米雇用統計を補完する目的があり、雇用者側のデータから労働市場の動向が確認できる。10月分のデータの市場予想は715.0万人。8月の722.7万人からやや減少する見込み。先行して発表された9月の雇用統計では、雇用者数の増加がみられたものの失業率は悪化。労働市場の減速が続いている状況が示された。今回は過去2ヶ月分の発表となるが、予想以上に労働市場が失速していた場合、本日から開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ期待が高まり、米ドル売りを織り込もうとする動きが生じる可能性がある点には注意したい。
3. 米・景気先行指数(日本時間24時00分)
日本時間24時00分に、米国の9月景気先行指数が発表される。今回は米政府機関閉鎖の影響で1ヶ月以上遅れての発表となる。米民間調査会社のコンファレンスボードが発表する景気先行指数は、受注・労働・マネーサプライなど、景気動向に先行して動くとされている10項目から算出した指標。米国の今後の景気動向を予測するうえで注目される。市場予想は-0.3%。前月比でマイナス水準となる見込み。前回8月は市場予想を上回る低下となり、関税の引き上げが将来の景気後退懸念に繋がっていることが示された。米国の景気先行指数は、悲観的な見通しから低調な結果が続いている。今回も予想以上の下振れとなった場合は、米国の利下げ期待が高まり米ドル売りを強める可能性があることに注意したい。
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