9月10日の米国市場は、米ドル安の展開。米国債の金利低下と共に米ドル/円は142円台前半まで円高が進み、対照的に金(GOLD)は上昇。米株式は一時、3指数ともにマイナスに沈む場面も見られたが、ナスダック(US100)とS&P500(US500)はプラスに転じた。ダウ平均(US30)は下落幅が大きかっただけにプラス圏内に戻れず終了。取引実績を見ると、米ドル/円(USDJPY)はショートの割合が増加と共に、取引量が低下。欧州時間の上昇とその後の反転下落という方向感のない展開だけに、取引を手控えた向きも多いと推測される。CFDでは、金(GOLD)のロングがやや優勢。金は、相変わらず強い新興国需要に支えられて高値に張り付いたまま推移している。大きく値下がりした原油(WTI)ではロングの割合が8割を超えた。サポートラインとして意識される64ドルが機能するのか、注意深く見守りたい。
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昨日は欧州通貨でボラが発生。英ポンド/円の日中値幅は237pips。ユーロ/円では約190pipsの値動きとなった。両通貨ペアとも、欧州序盤に上昇した後、NY時間にかけて一方的に下げる展開。対米ドルでの下落とクロス円での円高の合わせ技で値を下げた感がある。明日は欧州ECB政策金利、来週木曜日には英国BOE政策金利が控えている。米ドル/円は方向感がないながらも151pipsの値動きを見せた。しばらくはレンジで動かしてくる展開か。金(GOLD)は徐々にボラティリティが低下。上方向へのブレイクを狙いつつ、力を貯めこんでいると見るべきか。動き出すタイミングを見定めてトレードチャンスを捉えたい。
米大統領選に向けたテレビ討論会が日本時間10時(米東部時間午後9時)から、東部ペンシルベニア州フィラデルフィアにて行われる。今回はABCニュースの主催。カマラ副大統領が民主党の大統領候補となってから初のテレビ討論会となるだけに、トランプ前大統領とどんな舌戦を繰り広げるのか、とりわけ経済政策における違いを明確に打ち出せるのか。一つの注目点として、仮想通貨(暗号資産)に対する姿勢の違いが挙げられる。仮想通貨を強くサポートする姿勢を打ち出しているトランプ前大統領とは対照的に、カマラ副大統領は最新の公約においても仮想通貨には言及していない。テレビ討論会での一言でマーケットが動意づく可能性があるだけに、両者の発言を注視したい。
日銀の中川順子審議委員が本日、秋田県金融経済懇談会に出席。10時30分に開会の挨拶、14時00分には記者会見を行う予定。7月31日の日銀金融政策決定会合において利上げ(政策金利0.25%)を決定したことをきっかけに金融市場は急落。ブラックマンデーを超える大暴落へとつながったとの批判もあがり、日銀は追加利上げに踏み切りにくい状況になったとの声も聞かれるが、今月5日には、石川県金融経済懇談会において、高田創(たかだはじめ)日銀審議委員が積極的な追加利上げを示唆する発言を行った。高田審議委員は、みずほ証券から岡三証券を経て日銀審議委員となった人物である。同じく証券業界(野村アセットマネジメント取締役会長)から日銀審議委員の座についた中川審議委員からも、同様の追加利上げを示唆する発言が聞かれれば、今月20日の日銀金融政策決定会合に向けて円高が進む可能性が高い。明日12日には「タカ派」と目される田村直樹審議委員が岡山県金融経済懇談会で講演予定。田村審議委員は三井住友銀行の出身である。
米国の消費者物価指数(CPI/コアCPI)は金融政策を決定する上で参考とされる重要経済指標である。米・労働省から、消費者が購入する商品とサービスの価格変動を測定した数字が発表される。予想より高い結果となれば米ドルにとって買い材料とされ、予想より低い場合は米ドルにとって売り材料とされる。今回の予想は前月比で0.2%(前回0.2%)、前年同期比で予想2.6%(前回2.9%)。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコアCPIは、前月比が予想0.2%(前回0.2%)、前年同期比は3.2%(前回3.2%)と予想されている。今月18日のFOMCでの利下げはほぼ確実視されている中、追加利下げへの期待感を進展させる数字となるか、それともマーケットの期待を挫く結果となるのか。米・金利の動向に敏感な米ドル/円(USDJPY)、ユーロ/米ドル(EURUSD)、英ポンド/米ドル(GBPUSD)、金(GOLD)といった銘柄を中心にトレードチャンスを探りたい。
2024.09.11
2024.09.17
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