11月5日のNY市場は株高・ドル安の展開。米大統領選挙の一般投票が始まる中、米株はハイテク株主導で反発。日本時間24時発表の米・ISM非製造業景況指数(10月)が市場予想を上回る強い数字(予想53.8、結果56.0)となったこともあり、主要3指数とも前日比プラス1.0%超を維持して高値で引けた。米ドルは米10年物国債の利回り低下とともに売られ、米ドル/円(USDJPY)は東京時間の高値152.50付近から安値151.32まで下落。ドルストレート銘柄は揃って上昇したものの、クロス円銘柄では売り買い相殺により小幅なレンジでの推移に終始した。NY時間の序盤に期待から買われたビットコイン(BTCUSD)は引けにかけて値を戻し、金(GOLD)は小幅な上昇にとどまった。前日の取引実績を見ると、注目イベントを前に概ね取引量が減少。結果が判明するまでは積極的にポジションを取りづらいトレーダー心理が伺える。CFDでは、米株の上昇とともに下落したVIX指数のショート決済が大幅に増加。日経株価(JP225)、NYダウ(US30)、S&P500(US500)、ナスダック(US100)でもショートの決済が増加しているが、こちらは損切もしくは逆指値ヒットによる手仕舞いと推測される。通常通りであれば、日本時間15時頃から米大統領選挙の開票速報が伝えられる予定。今週から15時30分の大引けとなった東証のザラ場中に第一報が流れる可能性もあるので、突発的な値動きに注意して臨みたい。
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米・ISM非製造業景況指数の強い数字と大統領選挙への期待を受けて米株が大きく上昇。日経株価(JP225)やドイツDAX指数(GER40)も連れ高となり、全般的に株価指数のボラティリティが急拡大した。ビットコイン(BTCUSD)をはじめ仮想通貨も買われ、ユーロ/米ドル(EURUSD)や英ポンド/米ドル(EURUSD)といったドルストレート銘柄でもボラティリティの拡大が見られたが、クロス円銘柄ではドルの売りと円の買いに相殺されて値幅が縮小。英ポンド/円(GBPJPY)はわずか93pipsの値動きにとどまった。米大統領選の情勢が伝わるにつれてボラティリティの急拡大が期待される。
本日6日の午後に入ると米大統領選挙の開票状況が徐々に伝えられる。大勢が判明するまでは、為替や株式、先物などで落ち着きのない値動きとなることが予想される。米大統領選では、合計538人の選挙人のうち過半数の270人以上を獲得した陣営が勝利する。既に43の州とワシントンDCについてはどちらの政党が確保するか、ほぼ情勢が確定しているため、残り7州(スイングステート)の選挙人(93人)のうち何人を獲得できるかに注目が集まる。19州とワシントンDCで合計229人の選挙人獲得が確実視されている民主党は、残り41人で過半数の270人に達する。24州で216人の選挙人を獲得する見込みの共和党は、過半数越えに54人の選挙人獲得が必要となる。ペンシルベニア州(19人)、ノースカロライナ州(16人)、ジョージア州(16人)、ミシガン州(15人)、ウィスコンシン州(10人)、アリゾナ州(11人)、ネバダ州(6人)の選挙人をどちらの陣営が獲得するのか、刻々と伝えられるニュースを注視しつつ、値動きを捉えてトレードチャンスを探りたい。
日本時間17時55分から欧州各国のサービス業PMIの確報値が発表される。17時50分に発表されるフランスのサービスPMIの速報値(10月24日発表)は48.3。17時55分発表のドイツのサービス業PMIの速報値(10月24日発表)は51.4。18時00分発表の欧州サービス業PMIの速報値(10月24日発表)は51.2。速報値とのズレが生じれば、ユーロ/米ドル(EURUSD)やユーロ/英ポンド(EURGBP)で値動きが発生する可能性を想定しておきたい。
日本時間19時00分に、ユーロ圏9月の生産者物価指数(PPI)が発表される。前年同月比の予想は-3.4%(前回-2.3%)。23年9月の-12.4%を底に徐々に上昇傾向にある。前月比の予想は-0.6%(前回0.6%)。生産者物価指数(PPI)の上昇はインフレ傾向を示し、逆にPPIの下落はデフレ傾向と見ることができる。PPIの変動は欧州中央銀行(ECB)の金融政策を推測する手がかりとなる。23時00分にはラガルドECB総裁の発言が予定されている。次回のECBの政策金利は12月12日(木)。米大統領選の行方も注目される中、ユーロに値動きを注意して見守りたい。
2024.11.06
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