11月6日のNY市場は、米大統領選挙での返り咲きを果たしたトランプ氏への政策期待から米ドル全面高の展開。東京時間から買われた米ドル/円(USDJPY)は、NY時間に入っても上昇継続。154円台後半まで値を伸ばした。大統領選の投票日前に大きく反発した米株の主要3指数も買いが続き、3指数揃って最高値を更新。日経株価(JP225)も4万円台を回復した。対照的に、ユーロと英ポンドは対ドルで売られ、欧州の株価指数も軒並み下落。ECB理事のビルロワドガロー仏中銀総裁は、「トランプ氏の勝利で世界経済のリスクが高まる」との認識を示した。金(GOLD)は、ドル高と米10年債利回り上昇を受けて急落。前日比で約3%もの下落となった。取引実績を見ると、ほぼ全ての銘柄で取引量が増大。FXの主要通貨ペアり決済実績からは、ドル高の進行に歩調を合わせてうまくポジション決済が進んだことが見て取れる。高値を更新したS&P500(US500)、ナスダック(US100)、NYダウ(US30)でも、ロングの決済が増大。仮想通貨に好意的なトランプ氏への期待から、ビットコイン(BTCUSD)やイーサリアム(ETHUSD)といったメジャー通貨からアルトコインまで、仮想通貨が全般的に大きく買われる展開となった。本日は、英・政策金利発表と米・FOMC政策金利に注目。前日の流れが継続または反転するのか、流れを見極めてトレードチャンスを捉えたい。
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米ドル/円(USDJPY)のボラティリティが急拡大した。昨日の日中値幅342pipsは、直近20日間の平均値幅126pipsの2.7倍。東京後場に100pips超の押し目をつけた後、欧州時間からNY時間にかけて再びジリジリとドル買いが進み、7月末の急落以来の154円台後半へと値を伸ばした。クロス円銘柄は全般的に対ドルでの下落に引っ張られて伸び悩んだものの、英ポンド/円(GBPJPY)では直近20間の平均値幅162pipsを大きく上回る221pipsの値動きを見せた。米ドル高と国債利回りの上昇を受けて急落した金(GOLD)の日中値幅は、直近20日間の平均値幅33ドルのほぼ3倍となる97ドル。4月13日以来の高いボラティリティを示現した。
日本時間12時00分頃に10月の中国・貿易収支が発表される。貿易収支は、財の輸出額と輸入額の差額(輸出額 - 輸入額)を表す指標である。米ドル建ての貿易収支は、前回817億ドルに対して今回は735億ドルの予想。貿易収支はGDPの構成要素であり、中国のGDP拡大に大きく寄与する要素である。予想より高い結果となれば中国経済にとってプラス、予想より低い結果であれば中国経済の先行きにマイナス材料と解釈される。中国マーケットの動向に敏感な日本企業にも影響が現れる可能性も想定されるため、日経株価(JP225)の値動きを注意して見守りたい。
日本時間21時00分に英国の政策金利が発表される。前回9月の会合で据え置かれた政策金利は、今回25bp(0.25%)引き下げられ、4.75%となる見込み。BOE政策金利と同時に公表されるイングランド銀行(BOE)金融政策委員会(MPC)の議事要旨の内容も、今後の金融政策を推測する材料として注目される。議事要旨には、英国の経済状況や見通し、各委員の投票行動が記録されている。前回の会合後に公表された声明でベイリー総裁は「インフレ圧力の低下により今後数カ月で段階的な利下げが可能」と指摘した。英ポンド/米ドル(GBPUSD)や英ポンド/円(GBPJPY)、ユーロ/英ポンド(EURGBP)といった英ポンド絡みの通貨ペアでエントリーチャンスを狙いたい。
米FOMC(連邦公開市場委員会)終了後、日本時間28時00分に米・政策金利が発表される。前回9月18日の会合では50bp(0.50%)の大幅利下げが行われたが、今回は25bp(0.25%)の通常利下げにとどまり、フェデラルファンド(FF)金利は4.50%~4.75%となる見込み。政策金利と同時に発表される経済見通しにも強い関心が寄せられる。5日に投票が行われた次期大統領選挙では、共和党のトランプ氏の返り咲きが決まったばかり。政策金利発表の30分後に開かれるパウエルFRB議長の記者会見では、トランプ氏に関する質疑応答も予想される。いつも以上に荒い値動きを想定しつつ、慎重にトレードチャンスを捉えたい。/p>
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