11月1日のNY市場は株高・ドル高・原油安の展開。注目の米・雇用統計では、非農業部門雇用者数変化の弱い数字(予想11.3万人、結果1.2万人)で米ドルが売られたものの、その後の米・製造業PMI[確報値]が速報値を上回る強い数字(速報値47.8、確報値48.5)となったことで米ドル売りの流れは全戻し。米ドル/円(USDJPY)は雇用統計前を上回るレベルまで買い戻され、ユーロ/米ドル(EURUSD)はNY時間を通して売りに押されて安値引け。中東リスクの再燃懸念から前日に急騰したWTI原油は値を下げ、安全資産の金(GOLD)への買いも続かず、引けにかけて値を下げる展開となった。本日は東京市場が文化の日の振替休日で休場。東京時間では薄商いが予想されるが、流動性が低下する中で仕掛け的な売買が持ち込まれる可能性も想定しておきたい。中東リスクがくすぶる中での突発的な値動きにも注意したい。今週は火曜日(5日)に米・ISM非製造業景況指数、木曜日に英・政策金利、米・FOMCと注目の経済指標が続く。米国は今週から冬時間に移行。指標発表時刻が夏時間から1時間遅くなるので注意が必要だ。
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前日に高いボラティリティが発生した英ポンド/円(GBPJPY)の勢いが継続。英秋季予算案への懸念から大きく売られた英ポンドが買い戻される流れを受けて、英ポンド/円でも日中値幅260pipsの値動きとなった。英ポンド/円の直近20日間の平均値幅は163pips。英中銀は11月7日の金融政策委員会(MPC)で25bp(0.25%)の利下げを実施すると見込まれているが、12月の追加利下げの可能性は低いと見られている。米・雇用統計で典型的な往って来いの動きとなった米ドル/円(USDJPY)のボラティリティは130pips。非農業部門雇用者数変化の数字が予想を大きく下回ったにも関わらず、152円割れレベルでは底堅く買い戻され、値幅の拡大には繋がらなかった。米ドル/円の直近20日間の平均値幅は117pips。米10年債利回りの上昇を受けて値を下げた金(GOLD)の日中値幅は、直近20日間の平均値幅31ドルを下回る29.1ドル。資産の逃避先として買われ続けてきた金(GOLD)の上昇が一服となるのか、それとも軽い押し目をつけて再び高値を更新し続ける動きとなるのか、流れを慎重に見守りたい。
日本時間16時00分にトルコの10月の消費者物価指数(CPI)が発表される。前回9月の消費者物価指数は前年比で49.38%。政策金利は50%で維持され、インフレ対策に注力しているとはいえ、依然、高いインフレが続いている。今回の前年同月比予想は48.20%。前月比の消費者物価指数の予想は2.61%(前回2.97%)。わずかながら改善の兆しがうかがえる。同時刻に発表される10月の生産者物価指数(PPI)の前回結果は、前年同月比で33.09%、前月比は1.37%であった。トルコリラ絡みの銘柄を直接トレードするのはリスクが高すぎるためおすすめできないが、もしサプライズとなる数値が発表されれば、欧州序盤のマーケットに突発的な値動きが発生する可能性も想定しておきたい。
日本時間17時台に欧州各国の製造業PMIの確報値が発表される。17時15分にスペイン、次いで17時45分にイタリアの製造業PMIが発表される。17時50分に発表されるフランスの製造業PMIは、前回44.6に対して44.5の予想。17時55分発表のドイツの製造業PMIは、前回40.6に対して予想は42.6。18時00分に発表されるユーロ圏の製造業PMIは、前回45.0に対して45.9と予想されている。フランスはほぼ変わらず、ドイツはユーロ圏全体では前回よりやや持ち直しつつあるとの予想である。ユーロ/米ドル(EURUSD)やユーロ/英ポンド(EURGBP)の値動きを注視してトレードチャンスを捉えたい。
日本時間24時00分に米国の耐久財受注の確報値が発表される。耐久財受注とは、耐久年数が3年以上あると定義される自動車や家具などの耐久財の新規受注額を、米商務省経済分析局が米国内の製造業約4,000社を対象に集計した指標である。航空機(輸送機)は受注あたりの金額が大きいこともあり、月ごとのブレが大きくなるため、これを除いたコア耐久財受注はより正確な受注動向を示すとされ、民間設備投資の先行指標として注目される。調査月の翌月下旬に速報値、翌々月上旬に確報値が発表される。今回は、10月25日に発表された速報値(9月)の確報値となる。速報値では耐久財受注が前月比-0.8%。コア耐久財受注の速報値は0.4%。速報値とのズレがあれば相場が動く可能性を想定しておきたい。
2024.11.04
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